【シネマ】4/11公開「Page30」堤幸彦監督&中村正人さん(DREAMS COME TRUE)が福岡市で舞台あいさつ!

 役者としての岐路に立たされた4人の女性が閉鎖的な空間に集められ、30ページの台本と向き合う4日間を描くセミドキュメンタリー映画「Page30」が4月11日(金)に公開されます。映画監督の堤幸彦さん(原案・監督)、DREAMS COME TRUEの中村正人さん(エグゼクティブプロデューサー、音楽)、世界的ジャズピアニストの上原ひろみさん(音楽)という異色の顔合わせも話題を呼んでいます。3月27日に福岡市内で実施された試写会に堤監督と中村さんが登場。映画化のきっかけや製作秘話を話しました。

「舞台の神様が振ってきて、演劇を題材にした作品に」(堤監督)

「異色作です」と口をそろえる堤幸彦監督(右)と中村正人さん

―まずは福岡の皆さんへごあいさつを。

 これまで製作した50本を超える映画の中でも極めて変わった作品です(笑)。

中村 堤監督作品の中では超異色作。見る人が主演の4人と一緒にいろいろな体験をし、思いを重ねられる映画だと思います。

―本作が実現したいきさつは。

中村 堤監督と飲みながら世間話をするうちに、監督が「(新作映画の)ロケハンに行ってきた」と言うので、「その映画、僕が作っていいですか」となったんです。

 でも、そのときに話したのは全く違うタイプの内容でした。それがある日突然、舞台の神様が降ってきて、「(演劇を題材にした)この映画にしたいんですが」と中村さんにわがままなお願いをしたんです。

中村 プロデューサーとしては、監督の異色作を作る夢をかなえる一歩が踏めました。脚本を読んだだけで圧倒的に面白かった。運命に導かれ、生まれるべくして生まれた映画です。

「女性俳優4人のスキルのぶつかり合いが見ものです」

―キャリアの異なる役者が主人公の劇中劇。役者を演じる4人を演出する上で心がけたことは。

 4人のスキルが高くて、そのスキルを出し切った方がいいのか、その段階をどう踏んでいくのかという、演技論というより数学的な段階論みたいなことを伝えていた気がします。(台本に沿って)順番に撮影していったので、見る人には(このシーンは)30%ぐらいの段階だななどと分かると思います。ただ、この中の1人が私の予想を超える化け方をして、撮っていて「よし!」となった。めちゃくちゃ興奮しました。

「ひろみちゃんのレコーディングには鳥肌が立った」(中村さん)

「よく練られた脚本と上原ひろみさんのジャズピアノの激しいセッションが迫力」

―音楽を担当された上原ひろみさんの印象は。

中村 音楽については、まず監督から「ピアノ1本のジャズで」という希望がありました。上原ひろみちゃんは(DREAMS COME TRUEの)吉田美和の友達なんですよ。最初はひろみちゃんにやってもらうつもりは全くなくて、「映画を作るんだけど、ジャズピアノで誰かいい人知らない?」と相談したら、「私、やるよ」と。僕は逆に「いやいや、いいよ」と言いそうになっちゃったけど(笑)、やっぱり堤監督とバトルできるのはひろみちゃんしかいない。よく練られた脚本と激しいジャムセッションがこの映画を作り上げたと思っています。

 (上原さんが弾く劇中の曲は)ほとんどが1発録音で、ほぼピアノ1本で映画と対決したという記念碑的な作品です。

中村 レコーディングのときは鳥肌が立ちました。ひろみちゃんは脚本を読み込んでいて、決してセリフを邪魔しない音域とタイミングで演奏していた。俳優が5人いたような感じでした。

「音楽や演劇が盛んな福岡の皆さんにぜひ見てほしい作品です」

―映画を楽しみにしている人へメッセージを。

 今年70歳になりますが、おじいさんだからって引っ込みたくない。これからもハートに火をつけて頑張っていきたい。その思いをくみ取ってくれた中村さんに応援してもらえて本当によかった。そしてそんな気持ちを皆さんにお届けしたいので、よろしくお願いします。

中村 音楽や演劇が盛んで、たくさんのスターを生んだ福岡によく似合う映画だと思います。女性4人の一つのやり取りを切り取るだけでものすごく面白い。その脚本をまとめた監督の手腕に感動しています。音も最高のクオリティーですし、主題歌は吉田美和が歌詩を書いていますので、そちらも楽しんでいただきたいです。

4/11に「渋谷 ドリカム シアター」オープン! 全国映画館でも公開

新オープンする「渋谷 ドリカム シアター」で上映! ©DCTentertainment

 ★本作公開に合わせ、東京・渋谷に「渋谷 ドリカム シアター supported by Page30」が4月11日(金)にオープン。本作の常設上映をはじめ、音楽、演劇、ダンスなどさまざまなイベントが予定されています。開催期間は6月1日(日)まで。詳しくは公式サイトから。

〈ストーリー〉
演劇で 映画? 芝居それともドキュメント?
「これが最後のチャンス」と集まった女性たちの濃密な4日間
 中央に円形ステージがある空間に集められたのは、役者として「これが最後のチャンス」という4人の女性。スマホや時計を取り上げられた彼女たちには30ページの台本が用意されていた。配役未定、演出家不在の状況で始まる舞台本番までの4日間。閉鎖的な空間で4人だけの濃密な稽古を重ねるうちに、それぞれが抱える事情や人間としての本質が暴かれていく。

©DCTentertainment

映画「Page30」  ※4月11日(金)渋谷 ドリカム シアター他 全国映画館で公開
原案・監督:堤幸彦
主演:唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、MAAKIII
音楽:上原ひろみ 、中村正人

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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