家族で焼肉食べ放題店に行き、楽しい夕飯の時間を過ごしていました。ところが食後のデザートを食べた直後から突然息子の様子が急変し、苦しみだしたのです。一体何が起きたのか! 救急病院に運ばれてわかった驚きの原因とは?
楽しい焼肉食べ放題

まだ三男が生まれる前、4人家族だった頃のことです。
とある日の夕方、5歳の長男と2歳の二男を連れて家族4人で焼肉の食べ放題に行きました。ご飯にスープ、カルビや豚トロなどもりもりと食べる子どもたちと、楽しいひと時を過ごしていました。
その焼肉店はデザートバイキングも人気で、食後のデザートにスイーツやジェラートなども家族皆で美味しくいただきました。
突然、様子がおかしくなった二男

二男が選んできたジェラート。一口食べるとその直後から首を横に振って「いらない」とジェスチャーをし始めました。もうお腹いっぱいなのかな? と帰宅準備をし始めていると二男はそれから1分もしないうちに喉をかきむしり始めました。
何か詰まらせたかな? と口の中を確認するも特におかしなところはありません。でも急に無口になって、二男は喉を押さえます。
「どこか痛いの?」と聞くとかすれた声で
「のどがからい」と言います。なんだろう? と思いながらも、苦しんでいる様子はなかったので車に乗って自宅に向かいました。
車内で急変
お店を出てから5分も経たないうちに、二男がせき込み始めました。犬のような、オットセイのような声でケンケンとせき込む二男。さらに嘔吐まで! 夫が車を脇に寄せ、私は#8000(小児救急電話相談)に電話をかけました。すると電話口で応対してくれた方から
「デザートには何が入っていましたか?」との問いかけが。
デザートに何が…? 思い返しましたが、バイキングスタイルなので何が入っていたか分かりません。夫がその場で焼肉店に最後に二男が口にしたデザートを問い合わせてくれました。
回答を待つ間も二男はせき込みと喉のかすれ・腹痛・嘔吐などの症状が出続けます。
「ミックスナッツのアイスだって!」夫の声に、電話越しの担当者の声がピリリと尖りました。
「アナフィラキシーの可能性が高いです。今すぐ救急車を要請するか、救急病院に行ってください! すぐに!」その声で全身に鳥肌が立ち、ただごとではない気配を感じました。
救急病院へ

救急車を待つよりも小児救急が近い場所にいましたので、二男を連れて駆け込みました。医師は状況の確認もそこそこに、二男の太ももに注射を打ちました。説明はそれからです。どうやら何かしらのアレルギーが原因のアナフィラキシーだろうとのこと。打ったのはアドレナリン注射と言って、強いアレルギー発作の際に使われるものだそうです。
通常、アレルギー反応は発疹や皮膚が腫れたりするような症状が出て見た目でも分かりやすいのですが、二男の場合は発疹は一つも見られませんでした。しかし、アレルギー反応出現の仕方として喉が腫れること・最悪の場合は呼吸困難にまで陥る恐れがあるそうです。
あまりの出来事に理解が追い付かず、手の震えが止まりませんでした。日付が変わる頃まで様子を見て、悪化の兆しもなかったので帰宅することとなりました。
翌日アレルギー専門医に行き経緯を説明した後、血液検査を実施。その結果「くるみアレルギー」だということが判明しました。しかもクラスは最大。小さじ1/3程度摂取しただけでアナフィラキシーが起こるほど重度なものだったのです。
二男にはアレルギー反応を抑えるための注射が処方されました。もしも間違えて食べてしまった場合に備え、常に持ち歩かなくてはならない【命を守るためのお守り】です。
十分に気を付けて
二男には「お友達からお菓子などをもらってはいけないよ」と指導していますが、目の前で友達がお菓子交換をしているのを眺めている二男の姿を見ると、とても胸が痛みます。
鶏卵や木の実類などの食物アレルギーをはじめ、身近な生活の中でアレルギーに関する問題は誰にでも起こり得ます。決して他人事ではなく、自分の家族がいつ・どのように発症するかわかりません。
今回の二男の経験も通して、いつか医療の発展によってアレルギーが無くなる未来がくることを切に願っています。
どうか皆さんも十分に気を付けてください。
(ファンファン福岡公式ライター/本田すのう)


