「私の育児、間違ってる?」妻と母の板挟みで夫が踏んだ地雷とは?

わが家には子どもが4人います。3人目が生まれたばかりのころ、実母が手伝いに来てくれました。でも、妻にとっては「義母」である母の行動は、地雷の連続だったのです。そしてある晩、僕が何気なくかけたひと言が、妻の心の糸を切ってしまいました。

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助っ人・母の一言に顔が引きつる妻

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 当時、妻は3人目の出産を終えたばかり。1番上は小学生、2番目の子はまだ1歳。上の子の小学校もあるので、妻の実家への里帰りはせずに慣れた自宅での育児に挑んでいました。そんな妻を気づかい、僕の母が「何かあったら手伝うから」と泊りがけで来てくれたのです。

 母は家事をサッとこなし、料理もテキパキ。体力もあって頼もしく、上の2人の子が生まれた直後も手伝いに来てくれていたので、一見とてもありがたい存在でした。

 でも今回は少し違ったのです。到着早々のひと言が、すべての始まりでした。
 「3人も育ててるのに、まだ慣れていないのねぇ」言い方こそ柔らかったものの、妻の表情がピクリと引きつったのを僕は見逃しませんでした。

昭和式アドバイスの連打に、妻は…

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 その後も、母の“昭和スタイル”な育児アドバイスが止まりません。
 「母乳だけじゃ足りないでしょ?」
 「男の子なんて、一日くらいオムツ替え忘れても平気よ」

 僕は
 「まぁまぁ…」と苦笑いで受け流すしかありませんでした。しかし、妻の表情は日に日に曇っていき、目の下にはクマ。笑顔が消え、口数も減っていきました。それでも、妻は何も言いませんでした。ただ耐えていたんです。

夫としてかけた言葉が裏目に

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 ある晩、母が自室に戻ったあと、妻がぽつりと呟きました。
 「私の育児って… 間違ってるのかな」

 その小さな声には、積もり積もった不満や葛藤がにじんでいました。「母なりの助けだと思うよ」と言いかけて、やめました。それでは妻が抱えている思いには寄り添えない気がして、慎重に言葉を選んだつもりで口にしたのは…。

 「そんなことないよ。でも… あんまり気にしすぎじゃない?」妻は凍りついたようにこちらを向くと、その目からは我慢していた涙があふれました。

 「そっか。私が神経質なだけなんだね」そう言って、妻は背を向け布団に潜り込んでしまいました。

 翌朝、赤く目をはらした妻は僕に背を向けたまま、静かにこう言いました。
 「私、誰にも味方してもらえないんだね」
 返す言葉が見つかりませんでした。僕は“中立”でいるつもりだったのですが妻にとってそれは、「見捨てられた」と感じることだったのです。

「一緒に立つ」って、こういうことだった

 その夜、母に
 「妻も頑張ってるから、やり方を尊重して見守ってほしい」とやんわり伝えました。母は少し不満そうでしたが、
「そうね」とだけ言って、翌朝早めに帰っていきました。

 数日後、妻が私に言ってくれた言葉があります。
 「ありがとう。あなたが味方でいてくれて、やっと安心した」

 その時、ようやく気づいたんです。“中立”でいることが正解じゃなかったと。必要だったのは「妻と同じ側に立つこと」だったのです。育児は過酷で、想像以上に孤独なもの。アドバイスよりも、仲裁よりも、まずは妻の気持ちに寄り添うこと。それが僕にできる、いちばんの役割だと思っています。

(ファンファン福岡公式ライター / もっこすパパ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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