わが家は3階建ての一軒家。娘は2歳ごろから階段で滑ったり、踏み外したりしてたまに転ぶことがありました。でも、大きなけがにはならず、泣いて終わる程度のことがほとんどでした。ところがある日、階段から落ちた6歳の娘が「腕が痛い!」と大泣き。そしてそのケガは、思っていたよりもずっと深刻なもので…。
自宅の階段から突然転げ落ちてきた娘

幼稚園が休日の昼間、洗濯物をしていると、近くにある階段から「ドカドカドカッ!」と激しい音。見ると、6歳の娘が2階の階段から転がり落ちてきていたのです。ちょうど階段下にいた私は反射的に娘をキャッチ! なんとか受け止めましたが、娘は大泣きしていました。
見たところ出血はなく、泣いているので意識もはっきりしています。
「大丈夫?」と声をかけると娘は「腕が痛い!」と大泣きしながら訴えてきます。落ちたばかりだから痛いんだろうと思い、少し様子を見ていましたが、娘はとにかく「右の腕が痛い!」と、いつまでたっても泣き止みません。それどころか、泣き声は増すばかり。ふと娘を見てみると、右腕が力なくだらんとしていたのです。私は一気に不安になりました。
診断結果は骨折! さらに「今すぐ手術が必要」と言われ…

これはただ事ではないと思い、午前の診察時間ギリギリだった近所の整形外科へ駆け込みました。医師が娘の右腕に触れた瞬間、「痛ーい!!」と絶叫。すぐにレントゲン撮影となりました。そこでも
「痛い! 触らないで!」と娘の泣き叫ぶ声が診察室に響き、私は胸が押しつぶされそうな思いをこらえるのに必死でした。
なんとかレントゲン撮影を終えると、
「骨折していますね。ひじにヒビが入っています」と医師。さらに、
「これはすぐに手術が必要な骨折です。うちのような小さな病院では対応できません。紹介状を書きますので、すぐに総合病院へ行ってください」と言われました。
わが子の初めての骨折、さらに手術…。私は一気に頭が真っ白になり、パニック状態。骨折経験がない私は「骨折だなんて、本当に大ごとになってしまった…」「娘は本当に治るの?」と怖くて仕方ありませんでした。
無事に手術完了、でも「もう二度と…」と誓った私

不安のなか、すぐに紹介してもらった総合病院へ。夫も仕事を早退して病院に駆けつけ、3人で医師から説明を受けました。その医師は「子どもは階段やソファから落ちて、よく骨折しちゃうんですよね」とあっさり。
「えっ!? 階段から落ちて骨折するのは、よくあることなんですか?」と驚く私に、医師は「子どもはまだ骨が柔らかいので、意外と簡単に折れてしまうんです。日常生活で骨折することはよくありますよ」と教えてくれました。“自宅の階段から落ちて骨折”なんて、私にとってはよっぽど珍しいことかと思っていたので、本当に驚きました。
手術は無事成功し、右腕を包帯でぐるぐる巻きにされて戻ってきた娘。全身麻酔をしていたため、「手術室に運ばれて注射をされたら眠たくなっちゃったんだよね~」と手術の記憶はあいまいで、意外とあっけらかんとしていました。その姿に少しホッとしながらも、包帯をした痛々しい姿の娘を見て、胸が締めつけられるような後悔の気持ちが込み上げてきました。
私のなかでは、骨折といえばスポーツ中のケガや交通事故など“特別なケガ”というイメージでした。でも、日常生活にも意外と大きな危険が潜んでいるのだと痛感しました。それ以来、娘には「階段の近くで遊ばない」「手すりを必ず持つ」と、注意するようよく伝えています。もう二度と同じような思いをさせないためにも、親として家庭内の安全対策を見直す大切さを実感しました。
(ファンファン福岡公式ライター / みみみみ)


