【信じられない上司】“昭和脳”ハラスメントから唯一得たものとは?

私は妊娠を機に仕事を辞めましたが、それまで働いていた職場には“ハラスメントの申し子”のような50代の男性上司がいました。男女関係なくパワハラやセクハラなどあらゆるハラスメントしてくるので、当然みんなの嫌われ者。そんな元上司が私にしてきた、信じられない言動の数々とは…。

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顔合わせれば嫌味や暴言を浴びせる元上司

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 「趣味はハラスメントなんですか?」と聞きたくなるほど、顔を合わせれば必ず嫌味や暴言を浴びせてくる元上司。自身は仕事をサボってばかりなのに、私がミスをすると
「やっぱりお前は仕事ができないダメなやつだな!」と怒鳴ったり、
「お前みたいなバカにでもわかりやすく説明すると…」と言ってきたりするのが常でした。

 「女は結婚したら仕事しなくてもいいからズルいよな〜」なんて言い始める始末。当時の職場の管理職層は、同じような“昭和的思考”の持ち主が多く、怒鳴る・けなすといった指導スタイルが当たり前。ハラスメントに対する意識も低く、上司の問題行動を指摘する人はいませんでした。 

私が昇格すると…

 そんな中、私は上司の押し付けてくる仕事を真面目にこなし続けました。「お前この仕事やっておけ」と渡される雑務や、タバコ休憩で軽く30分以上サボっている間の穴埋めや対応など、コツコツ毎日仕事をしているうちに、さらに上の上司たちから評価され、ついに昇格しました。

 私は素直にうれしかったですが、それに納得できなかったのが、当の元上司でした。
 「なんでちゃんと仕事している俺が評価されないで、てめぇみたいな無能が昇格するんだよ!」と激昂。その日以来、態度は悪化し、
 「うるせぇよ! さっさと仕事しろ!」と暴言がエスカレート。私への当たりがさらに強くなりました。

 昇進ではなく昇格で立場は変わらなかったにもかかわらず、ブチギレる上司。
 「もし私が昇進していたら…」と考えると、ぞっとしました。

胃痛の原因は

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 そんな生活が続くうちに、私はある日から胃に強い痛みを感じるようになりました。特に変わったものを食べた覚えはないのに、痛みが1週間続き、さすがに不安になって、昼休みに職場近くの内科へ。

 診察の結果は、「ストレス性胃炎」。医師に、
 「何か思い当たることはありますか?」と聞かれ、
 「ありすぎるくらい、あります!」と私は思わず勢いよく返してしまいました。医師に元上司の言動を話すと、
 「うわ… それはひどいですね」なんて同情される始末。胃酸を抑える薬を処方してもらいました。

 そして職場に戻ると、
 「お前どこ行ってたの?」と休憩中の外出が気になったようで、けげんそうな表情で問い詰めてくる元上司。

 「胃痛で病院に行ったら、ストレスが原因と言われました」とあえて本当のことを言うと、
 「ストレスか〜。ため込みすぎるのはよくねぇもんな。ちゃんと発散しろよ」と、まるで他人事のように返されました。その表情からは、自分の言動が私にどれだけのストレスを与えているのか、みじんも自覚していない様子が読み取れました。

妊娠して仕事を辞めると伝えると…

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 「このままでは心も体も壊れる」と思い始めていたころ、私は妊娠が判明! 退職の選択肢が現実的なものとして浮かんできました。

 恐る恐る妊娠を元上司に報告すると、
 「じゃあ退職届書かなくちゃだな~」と、私が辞めたいと言う前にそう言ってのけたのです。昔ながらの「妊娠=寿退社」という価値観の持ち主だったことを逆手にとり、妊娠7カ月で円満退職することができました。

 そして私の仕事最終日、元上司は、
 「今後お前は仕事しないかもしれないが、俺が教えたことはちゃんと覚えておけよ」という言葉を残し、定時前に早帰りをしたのでした。あの時、元上司から教えてもらったことは今でも忘れていません。

 「あんな人間にだけはなってはいけない!」それが、私の社会人生活で得た最大の学びでした。

(ファンファン福岡公式ライター/みみみみ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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