福岡県うきは市の「森林セラピー基地」は自然の中で五感を開放し、心と体を整える癒やしのスポット。川のせせらぎや森の香り、優しい風に包まれながら、深呼吸したくなるひとときが待っています。

“森林セラピー基地”とは? 科学が証明する森の力

福岡県うきは市には「森林セラピー基地」の認定を受けた森林があります。「森林セラピー基地」とは森林や自然環境などが人にもたらす癒やし効果が科学的に証明された地域です。

森林セラピーロードは地図を片手に歩いても、「うきは市癒しの旅先案内人協会」のガイドと一緒に歩いても楽しめます。

今回は同協会の日野千草さんと黃盈姿(ホァン イン ズ)さん(愛称・ずずさん)に「巨瀬(こせ)の源流の散歩道」(2.2km)を案内してもらいました。
日野さんはもともと森林セラピーのお客さんでした。毎月のように通っていたため協会から誘いを受けてガイドになったといいます。台湾出身のずずさんは、かつて地域おこし協力隊としてうきは市で活動した経歴の持ち主です。2人の和やかな案内で癒やしの旅へ出発!

まず耳に心地よいのが川のせせらぎ。川沿いに道が続いているのがうきは市森林セラピーロードの特徴だといいます。

背の高い杉の木が日差しをやわらげ、ひんやりとした空気に包まれています。

足元には杉の落ち葉や小石。さまざまな感触が足の裏から伝わります。
五感で感じる森の魅力

「森林セラピーは“見る、聞く、かぐ、味わう、触れる”の五感を使って癒やしを求めていきます」とずずさん。

道すがら無数の植物が出迎えます。目に優しいグリーンにほっとしながら、触ったり、香りをかいだり。珍しい品種や子どもの頃に見た記憶を呼び起こすような種類にも出会いました。

印象に残ったのは立派な出立ちの「シュロ」。伝統的なほうきなどに使われる植物です。生活の中で、植物の恩恵を受けていることに改めて思い至ります。
さらに、チョウ、蜂、トンボなどの昆虫にも出会えます。歩きながら探してみてください。

透き通った川の水や木の幹にも触れてみました。

そっと手を添えて、木のぬくもりと呼吸を感じてみても◎。

川べりに腰かけて耳を澄ましました。せせらぎを聞いていると自然と心が落ち着きます。手を耳の後ろに当てると、より音に集中できました。川のそばで深呼吸をする時間も設けてくれます。

やまびこが響くポイントもありました。みんなで声を合わせて「やっほっ!」と絶叫。こだまが返ってきて、爽快な体験ができます。
森に寝転び、空を見上げて自然と一体に

森の中で寝転んだことはありますか? あおむけになる体験が特に人気です。心静かに目を閉じればまるで森の一部になった感覚に。目を開けると、揺らめく木々、木漏れ日の美しさが目に飛び込んできます。

数分間横たわった後のティータイムでは、ほぐれた体にお茶が染み渡っていくのを感じました。

道中、何度も何度も深呼吸をして、きれいなエネルギーで充電された気分です。「日常生活に戻っても、森を思い出して深呼吸をするだけでも約1カ月は効果がある」と教わりました。
「また来たい!」と素直に思えた体験でした。

森林セラピー体験メニュー
■森の案内人と歩く森林セラピー
コース つづら棚田の散歩道、巨瀬の源流の散歩道
料金 ガイド1人につき5,000円(税込み)。1~5人まで対応可能
所要時間 約2時間
■森林セラピー+森のティータイム付きプラン
料金 1人につき3,500円(税込み)。最少催行人数2人
所要時間 約2.5時間
スケジュール 10:00~12:30または13:00~15:30
※詳細は公式サイトで確認を
うきは市癒しの旅先案内人協会
問い合わせ 080-2714-6065


