女性は月経やライフステージによる女性ホルモンの変動によって、体調の変化や不調など健康にさまざまな影響があります。そしてそれは、初潮時から閉経までと長いお付合いになります。WOMAP編集部では、女性のこころとからだの健康について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。第1回目は「女性ホルモン」についてです。36歳で出産を経験した、編集部Hのケースを例にしてお話します。
出産後、特につらかった不調やイライラ。婦人科で「産後うつ」と言われ…
私は高校生から今でも、ひどい生理痛に悩まされ続けています。痛みはもちろんですが、不調を周りの人に伝えられなかったり、パートナーに伝えてもなかなか理解してもらえなかったり、仕事でのプレゼンや外せない飲み会と重なり、それをこなさないといけないなど精神的にもつらい思いをしてきました。
30代に入るとPMS(月経前症候群)の症状も出てきて、生理前に頭痛、腰痛、眠気、だるさまであるようになりました。さらに、些細なことで家族に怒ってしまったり、仕事でイライラしたりと1カ月の半分は何かしらの不調を感じています。
出産後は特に、女性ホルモンの不調からか、体がだるくてやる気が出ず気分が沈む、イライラして家族に当たってしまい自己嫌悪。布団から出られない日が増え、いろいろなことが過剰に心配になり、家族や友人に相談しても「考え過ぎ」と言われ、次第に孤独になっていきました。
第一子ということもあり、「子どもには私しかいない」という責任感に加え、素直に人に頼ることもできず、頑張るほど心と体がついていかない状態に。スマホを開けば、幸せそうな家族ばかり目に入る。「私、全然幸せじゃない…」と理想と現実のギャップに今まで感じたことがない絶望を感じながら、日々過ごしていました。
産後半年くらいした頃、たまたま、福岡市からの検診クーポンが届いたので子宮がん検診に行き婦人科で相談したら、「ホルモンバランスの乱れからくる、うつの症状では」と言われました。自分では全く自覚がなかったため、ハッとしたのを覚えています。そして「今のままではまずい」と思いたち、子どもを家族に見てもらう時間を作って気分転換をしようと、朝から太陽の日を浴びてランニングをしたり、つらいときは家事を休んだり、少しでも時間を作って友達と出掛けたりと、自分がご機嫌に過ごせるように家族に協力してもらいながら克服していきました。
体のバイオリズムを知り、セルフチェックや気軽に相談を
女性ホルモンの分泌は、産前産後だけではなく、1カ月の中でも変化があり、さらに更年期には急激に減少することによる不調が広く知られています。経験から痛感したのは「自分の体のメカニズムを知っておくこと」「病院に気軽に相談できると知ること」「1人で抱え込まず孤独にならないこと」だと思います。
症状には個人差があり、置かれている環境、ストレス、性格的な要因も影響するでしょう。不調などの症状に無縁の人もいるといいます。いずれにしても、女性ホルモンの変化で起こりうる症状について、女性をはじめ、男性にも関心を持ってほしいと思っています。
女性の就業率が高まる中、家庭だけに限らず、職場でもプレゼンティズムが低下し、体調が悪いのに無理をして業務することで、結果として生産性が低下している状態を招く事態も考えられます。女性だけの問題ではなく、社会全体として取り組んでいくべき課題ではないでしょうか。
自分の体のバイオリズムを知っておくと、いざというときの対策がとれますよね。そんなときに相談できる婦人科を見つけておくことや、セルフチェックやチャットで相談できるオンラインサービスTRULYなど、いろいろ選択肢があることを覚えていてほしいです。
原因不明の体調不良が続くときは、そのままにせずこの話を思い出してください。何もせずに心も体もどんどん悪くなってからでは遅いですから。