福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第36回福岡キミスイ本】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。36回目は「本のあるところ ajiro」(福岡市中央区)店長の坂脇由里絵さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の7冊を紹介します。

目次

装幀・装画家、出版社が福岡にゆかり 韓国女性6作家の短編集

「私のおばあちゃんへ」 ユン・ソンヒ、ペク・スリン、カン・ファギル、ソン・ボミ、チェ・ウンミ、ソン・ウォンピョン著 橋本智保 訳

「本のあるところ ajiro」の坂脇由里絵さんに聞きました

―今回は「本のあるところ ajiro」に来ました。こんにちは!

 こんにちは! 当店は福岡市の出版社・書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)が運営するブックカフェです。詩歌と海外文学に特化した品ぞろえをしています。

「私のおばあちゃんへ」 ユン・ソンヒ、ペク・スリン、カン・ファギル、ソン・ボミ、チェ・ウンミ、ソン・ウォンピョン著 橋本智保 訳

―坂脇さんおすすめの福岡ゆかりの本を教えてください。

 書肆侃侃房から2021年9月に発行された「私のおばあちゃんへ」を紹介します。韓国の6人の女性作家ユン・ソンヒ、ペク・スリン、カン・ファギル、ソン・ボミ、チェ・ウンミ、ソン・ウォンピョンさんの作品が収まったアンソロジーです。

 装画は田中千智さん、装幀(そうてい)は成原亜美さんで、どちらも福岡在住なんです。表紙のほか、作品ごとの扉絵も田中さんの描き下ろし。それぞれの作品に合った絵が添えられていてイメージがかきたてられます。

装画は田中千智さん、装幀は成原亜美さん

―目を引く表紙ですね。

 韓国の本はデザイン性が高く、印象的な表紙が多いんです。この本も、表紙の女の子の目線が裏表紙のおばあちゃんへ続いていて、物語性のある表紙だと思います。

どんな内容ですか。

 「老い」がテーマになっています。おばあちゃん自身が語り手となった作品もあれば、孫の目線で語られる作品もあります。SF、ラブロマンス、家族ドラマなど表現の仕方はそれぞれ。6人の作家は30、40代で韓国現代文学において中心的な活躍をしているメンバーです。

中でも坂脇さんが好きな作品は。

 ペク・スリンさんの「黒糖キャンディー」ですね。亡くなったおばあちゃんの日記を読んだ孫が、おばあちゃんの人生を想像して書いた話です。生きることのもの悲しさ、果てしなさを感じる作品だと思います。いずれ人は死んでいくし、好きな人とはいつかは別れる。生きることって別れの連続だなと。将来自分がおばあちゃんになる予習のような感じもしました。

少部数発行の同人誌など、商業流通にのらない本も取り扱っています

この本をどんな人にすすめたいですか。

 韓国文学に興味がある人には、入り口として読みやすいと思います。読み物としても面白いですし、自分の人生に何かヒントが欲しい人など、人生の相談相手を求めている人にもいいかもしれません。

店内は落ち着ける静かな空間。いい本との出合いが待っています

―もっと韓国の文学に触れてみたくなりました。ありがとうございました。
続けて話題の7冊を紹介します。

「更年期障害だと思ってたら重病だった話」【中央公論新社】

村井理子/著 1,540円(税込み)

中央公論新社

 何もかも「更年期障害」で片づけようとしていた私に下された診断は、「心臓弁膜症」―。仕事も家事もなにからなにまで背負ってきた47歳、突然の闘病生活…。人生の大展開を余儀なくされた村井さんがたてた目標は、「ひとりで入院し、ひとりで歩いて、元気に退院する」こと。共感必至のWeb人気連載、待望の書籍化!

「コロナとワクチンの全貌」【小学館】

小林よしのり、井上正康/著 907円(税込み)

小学館

 コロナ禍の中、ワクチン接種が進められていますが、はたしてそれで全て解決するのでしょうか? ベストセラー「コロナ論」「コロナ脳」の著者で漫画家の小林よしのり氏と、大阪市立大学名誉教授(分子病態学)の井上正康氏が、コロナとワクチンの全貌を語り尽くします。テレビ、新聞、ネットではなく、書籍だからこそ伝えられる内容満載!

「火星に住むつもりです」【光文社】

村木風海/著 1,650円(税込み)

光文社

 世界を変える30歳未満の日本人として「Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) 30 UNDER 30 JAPAN(サーティー アンダー サーティー ジャパン)2019 サイエンス部門」を受賞するなど注目を浴びている著者は現役東大生。CO₂の有効活用に取り組み、地球温暖化を防ぐために奮闘中です。彼の最大なる目標はCO₂を活用した火星探訪で、本書ではこれまでの取り組みをつづっています。

「すぐ寝る、よく寝る赤ちゃんの本」【青春出版社】

ねんねママ(和氣春花)/著 1,540円(税込み)

青春出版社

 赤ちゃんの寝かしつけで困っているママ・パパは必読! よかれと思ってやっていることが、逆効果になっているかもしません。本書では、なかなか寝ない子が「すぐ寝る」「よく寝る」ようになる秘訣(ひけつ)を紹介! 赤ちゃんがどんどん寝たくなる習慣や工夫が満載です。

「漢方的おうち健診 顔をみるだけで不調と養生法がわかる」【学研】

櫻井大典/著 1,540円(税込み)

学研

 顔色や肌の状態で「今日は調子がいい、悪い」と感じている人は多いと思いますが、それが体調だけではなく隠れた不調・病気や体質までわかるサインだと知っている人は少ないのではないでしょうか、と本書。SNSで人気の漢方家がわかりやすく教える「おうち健診」と「ゆるゆる養生」で、体もこころもラクに!

「増補改訂版 親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ」【双葉社】

鳥居りんこ/著 1,485円(税込み)

双葉社

 介護を明るく乗り切るための超初心者必携バイブルを、最新情報満載の増補改訂版でお届け。「福祉は自己申告。やったひとだけトクするしくみ」「待ってるだけでは何も始まらないのが介護サービス」を合言葉に、介護認定の上手な取り方や、特養ホームに入所させる奥の手など、「使える」実践テクをとことん伝授します。

「○×写真でわかる おいしい野菜の生育と診断」【農文協】

高橋広樹/著 2,420円

農文協

 豊富な写真と手頃な道具で野菜の生育診断。果菜・葉茎菜・根菜27品目の生育状態や収穫物の良し悪しが179枚のカラー写真で一目瞭然。誰でも低硝酸で品質のよい野菜(=おいしくて栄養価が高い)を栽培できる、と本書。土壌分析、施肥設計、生体分析の専門家が家庭菜園の初心者でもわかるよう丁寧に説明。

 いかがでしたか。秋の夜長に本を開いてみてください。次回もお楽しみに。

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