息子が生後3カ月の時、私は毎日の寝不足に加え、慣れない育児に疲労困憊の日々でした。そんな時、義父が突然わが家へ遊びに来て衝撃の提案をしたのです。義父の言うことを受け入れ、息子を危険に晒してしまったことを反省した体験です。
いつも急にわが家へ来る義父
出産前は私たち夫婦が義実家へ行くことが多く、義両親がわが家へ来ることはほとんどありませんでした。しかし息子が生まれてからは義両親の孫フィーバーが炸裂! わが家へよく遊びに来るようになったのです。
義母は土日も働いているため、ほとんど義父が1人でわが家へ遊びに来ます。訪問する旨の連絡は早くて前日の夜、遅い時はなんと到着30分前です。
息子は当時、夜は2〜3時間ごとに起き、日中はトータル30分寝てくれたら良い方でした。義父の滞在時間は毎回30分から1時間ほどで、コーヒーを出すぐらいのおもてなししかしませんでしたが、毎日寝不足の私にとって2週間に1度突然遊びにくる義父は、正直負担だと感じていました。
突然、連れ出されたのは?
少しでも休みたい、今日は夫に息子を見てもらおうと思っていた土曜日。いつものように、急に義父が遊びに来ることになりました…。いつもなら部屋を片付け、自分の身なりも整えますが、その日は体力も気力も限界。私は部屋も片付けず、パジャマ姿のままで義父を迎えました。
義父は、部屋の様子と私のだらしない姿を見て、何を思ったのか
「気分転換に海に行くぞ! 部屋に籠ってたんじゃ体に悪い!」と急に言ってきたのです。2月のまだまだ凍るように寒い日でした。
断る理由を考えますが、義父は私の返事も聞かないうちに1人で車を取りに行ってしまいます。夫まで
「親父が気を利かせて言ってくれてることだから。車の中から少し海を見るだけだし行こう!」と言うのです!
夫は義父に逆らえないことや、自宅から海までは車で10分ほどの距離だったということもあり、義父の提案を仕方なく飲みました。
義父はとてもせっかちで、待たせると怒ります。そのため息子のおむつも変えず、着替えもさせず肌着のまま、私もパジャマのままで上着も忘れて、急いで義父が待つ車に乗り込みました。
ところが海に到着すると、義父は夫の着ていたダウンコートで息子を包み、当然のよう外へ連れ出してしまいました。私は人目も気にせず、パジャマ姿のまま急いで義父の後を追いかけます。
海辺に近づくと肌を刺すような強い海風が吹き荒れ、寒さで震え上がりました。結局、砂浜に足を取られながら、モヤモヤした気持ちで15分ほど散歩することになったのでした。気分転換どころではありません。
幸いにも息子は風邪をひきませんでしたが、生後3カ月で、まだ首も完全に座っていないのに、肌着のまま真冬の海へ連れて行ってしまったことをとても反省しました。
本当に私達のため?
その後、また義父に海へ連れ出されそうになったことがありました。嘘も方便と自分に言い聞かせ
「息子も私も、前回の散歩で風邪をひいてしまった。毎日寝不足で倒れそうなので家で休みたい」と思い切って伝えました。
義父はびっくりした様子で一瞬固まりましたが
「そうだよな、ごめんな」と謝ってくれ、その後は訪問頻度も減り、海に誘われることもなくなったのでした。
普段の義父は思いやりがあり、見習いたいところも沢山あります。しかしこの体験を反面教師に、相手の負担となる一方通行の想いになっていないか、考えることが大切だと感じました。そして思っていることはハッキリ伝えることが大切だ、とも思ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / くまよ)