福岡のラーメンブロガー、ラーメン大好きガーソーさんの福岡ラーメンレポート。令和維新会特集4店目は、宗像市で地域に根付いたラーメン店「麺や道」。 幻らー麺、極らー麺の二本柱に加え、バジルらー麺や闘魂らー麺、そして道の二郎ラーメンと揃った「麺や道」は、どのような経緯を経てオープンし、兄弟でどのようにして人気店となったのか、令和維新会の加盟によりどんな変化があったのかを、ラーメンとプロレスのお陰で人生が変わったという大将の太田徹さんに取材しました。
「麺や道」オープンまでの道
昔は女にモテたい!しか考えていなかった
「麺や道」の大将、太田徹さん。 2020年時点で34歳と、ラーメン屋の大将としては比較的若い太田さんは、いつもニコニコされていて体格がよく、ノリが良くてプロレス好きな明るい方ですが、その経歴は異色の一言。 ほとんど不登校だったという高校卒業後、公務員ビジネス専門学校を経て自衛隊に入隊。 1年で辞めて5年間パチプロで過ごし、次に警察官に。 が、これも1年で辞めてバーテンダーになるも、また1年で辞めてしまいます。 太田さんは当時はヒーローになりたいとか、女にモテたいとか、それだけしか考えてなかったと言います。 自衛隊とか警察とか、誰かを守る存在=ヒーローになりたかったし、その結果モテるんじゃないか、バーテンダー=なんかカッコイイからモテそうとか、そんなことしか考えていなかったそうです。 これは学生の時からだったそうで、中学で柔道やプロレス、高校でキックボクシングをかじったのも、強くなりたい、かっこよくなりたい=女にモテたいが根本にあったそうです。 でも、それだけではどの仕事も続けられなかったし、そんな自分は社会不適合者なんだと思ったという太田さん。 バーテンダーは向いてないと思ったけど、飲食自体は好きだったから続けられるかもしれないし、いずれ自分の店を出せたらと、修業も兼ねて肉屋さんで働き出します。 肉屋さんが2年続いた頃、当時多店舗展開をしていた豚骨ラーメン店「がんこもん」のフランチャイズでやらないかと誘われてラーメン業界に。 それから一年後、「がんこもん」宗像店が閉店するのを買い取り、「麺や道」を開業したのが2016年12月。 自分自身を社会不適合者と思っていた太田さんは、自分自身で商売をするしか生きていく道は無い!と、目の前のチャンスに飛びついたのだそうです。
オープンしてから軌道に乗るまで
オープンして1年はものすごく苦しかった
自分のお店を開いた太田さん。 元々自分が店長をしていたがんこもん宗像店を買い取ったので、付いてくれているお客様もいるし、何とかなるだろうと思っていたそうですが、看板を変えてオープンしたものの、最初の1年は赤字続きでいつ廃業しても不思議ではない状態が続きます。 それまで出していたラーメンから自分のラーメンをとスープの取り方も変え、麺も変えて営業を開始したのですが、味が安定せず、お客様もなかなかリピーターにならないという日々。 独立前に付き合っていた女性と結婚してお店を手伝ってもらったけど、売上も立たないしで不仲になってしまい、離婚することにもなったそうです。
好きなプロレスに励まされ、ひたすらラーメンに向き合った結果
弟さんに手伝ってもらうことになり、とにかくラーメンのことだけを考えることにしたという太田さん。 毎日ひたすらラーメンに向き合い、基本のラーメンを改良していく内に、少しずつお客様が定着し、そうしていく内にいわゆるクリア豚骨(当時はその呼び方はまだありませんでした)の幻らー麺が出来上がって、知名度も上がっていきました。 オープンしてからの苦しい中での心の支えは、中学生の頃から好きだったプロレス、特に新日本プロレスを体を張って支えて復活させたエース、棚橋選手だったそうで、棚橋選手が王座を奪還したのが嬉し過ぎて、王座奪還セールをお店でやってしまうほど。 これをきっかけに棚橋選手をよく知る方とつながることが出来、棚橋選手とご一緒する機会に恵まれ、写真を撮ったり、サインTシャツを頂いたりもしたそうです。 この頃から、棚橋選手の100年に1人の逸材という決め台詞をもじって、ラーメン界の100年に1人の逸材ですと口にするようになったとのこと。 こうして、ヒーローになりたい、女にモテたいと思いつつもどんな仕事も長続きしなかった太田さんは、ラーメンに出会い、プロレスに支えられて日々ラーメンのことだけを考えている内に、来てくれるお客様のお陰で何とか生活出来るようになり、気付けば宗像で名前がよく出るラーメン屋さんになっていたそうです。
ラーメンに出会って、プロレスに支えてもらって、人生が変わった
その後、令和維新会に加盟し、様々なラーメン屋さんとの交流を経て、オープン当初に比べて今のラーメンは更に自信を持って提供出来る仕上がりになったとのこと。 まだまだ改良していきますという太田さんは、ラーメンに出会って、ラーメンに向き合ったお陰で人生が変わり、今はお陰様で公私共に充実している、だからいつでもリスペクトと感謝の気持ちを忘れず、地元のお客様を大切にしていきたいと思っているそうです。 それと同時に、せっかく令和維新会を通じて色々なラーメン屋さんと交流出来るようになったので、令和維新会の仲間と一緒に、福岡のラーメン業界自体を盛り上げる一助となりたい、好きなプロレスにもいずれもっと関われるようになれればと、ニコニコしながら語って頂きました。
麺や道の現在の営業の取り組み
一時休業を経て現在は営業再開されています
コロナ対策をしっかり行うこと、またテイクアウト商品であるおうち二郎を販売することで、地域の方にご利用して頂きやすい体制を作ることを念頭に、日々の営業をしっかり行っているそうです。 少し前にYouTubeのチャンネル「博多ラーメン兄弟」も開設され、弟さんと2人でこんな時だからこそ、地域密着でより頑張っていこうと思っているとのこと。 尚、車で追突されて療養の為、1ヵ月半ほどお休みを与儀なくされていたのですが、2020年8月4日より営業再開されています。
幻らー麺、極らー麺、バジルらー麺の説明
幻らー麺
極らー麺
バジルらー麺
糸島雷山豚餃子
まとめ
今回はラーメン屋さんになった話を聞いたつもりが、ラーメンとプロレスに救われた話でした。 「女にモテたい」しか考えていなかったという「麺や道」の大将が、ラーメンに出会ってラーメンに向き合い、苦しい時に好きなプロレスに支えてもらったことで、公私共にうまくいくようになり、これからもリスペクトと感謝を気持ちを持って地域に貢献していきたいという成長のストーリーは、個人的に応援したくなりましたね。 それぞれのラーメンもよく考えられていて人気なのも頷けますし、今後も地域の方に愛されるお店であり続けたいと語る「麺や道」の太田大将はカッコよかったです。 次回は令和維新会特集5店目、那珂川市の「ナカムラボ」を取材します。