かばんづくりのプロに聞く!ニューノーマル時代のかばんの選び方

新型コロナウイルス感染症により、大きく変わった暮らし方。テレワークの増加やプライベートの使い方が変わり、これまで使っていたかばんがしっくりこないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、ライターの戸田千文さんが、糸島市にアトリエを構える「かばんのプロ」、合同会社SIMCLEAR代表の石川亮さんに、ニューノーマル時代のかばん選びのポイントを教えてもらいました。

目次

糸島市のアトリエでヒット商品を生み出すかばんのプロ

高機能でいつでも使いたくなる、頑丈だからずっと使える。流行ではなく、長く愛用されるかばん作りに取り組むのが、糸島市にある合同会社SIMCLEARの代表、石川亮さんです。

2019年にSIMCLEARを立ち上げるまでは、10年以上、世界各地を飛び回り、輸入バッグのバイヤーとして活躍していた石川さん。理想的なデザインや使いやすさを求め、ついに自分で開発したかばん「TSUNAGU BAG 2in1」をはじめ、数々のヒット作を生み出している筋金入りのかばんのプロです。

そんな石川さんに教えてもらったのが、ニューノーマル時代のかばんの選び方。コロナ禍で生活様式や価値観が変わった今の時代だからこそのかばんのコツをご紹介します。

テレワーク向けかばんは、ガジェット類が整理できる収納力が大事

まずはコロナ禍で増えたテレワークにぴったりのかばん選びについてです。働く場所はオフィスだけではなく、自宅やコワーキングスペース、さらに旅先でのワーケーションと実に広がりを見せています。

テレワークの機会が増えたことを好意的に捉える方も多い一方、「ノートパソコンや会社の資料を持ち帰るためにかばんはパンパン。手に持つのも疲れる」なんて声も…。そんなお悩みを解決してくれるかばんの特徴を教えてください。

石川さん:「テレワークが増えたことで、運動不足を解消や密を避けるために出社日は電車移動をやめて徒歩やバスで通勤しているという声を聞くようになりました。

そうなると増えるのがデジタルガジェットを持ち歩く機会です。そこでおすすめなのが、収納力があるリュックやショルダーバッグ。さらに、電子機器を持ち運ぶことを考えれば、耐久性や撥水性を備えているのがベストです。

僕の愛用品の中から、テレワーク向けの商品を選ぶならこの3つ。

まずはサンフランシスコに拠点を持つTIMBUK2(ティムバックツー)のショルダーバック(写真左)。小分けできるポケットがたくさんあるため、コード類の整理収納にも困りません。

写真右は、当社の新商品「SLEEVE」。
https://www.simclear.com/tsunagubag-sleeve.html
厚さ15mm、重さ400gのコンパクトさで、パソコンの収納はもちろん、複数のポケットにUSBポートまでついた機能性抜群のバッグインバッグです。防水性能にもこだわっていて、単体でショルダーバッグやハンドルバッグ、クラッチバッグとしても使用できます。

まだ販売前のものですが、2021年10月29日まで挑戦しているクラウドファンディングで支援いただければ、いち早くお届けすることができますよ。

■薄型PCには最薄級バッグを!メインでも活躍する+3WAY|ツナグバッグ スリーブ はこちら
https://www.makuake.com/project/simclear_sleeve/

とはいえ、まずは一つメインとなるかばんをという方は写真中央にある、当社の人気商品「TSUNAGU BAG 2in1」が一押しです。
https://www.simclear.com/tsunagubag-2in1.html

16インチのノートパソコン、7.9インチのタブレット、A4サイズの書類がしっかり入るリュックで、小分けのポケットも十分。メインの収納部分には、任意の暗証番号をセットできるダイヤルキーがあり防犯機能も高めています。

さらに前面のポケットは取り外せて、ポシェットとしても利用できます。コロナ禍前に開発した商品ですが、今の時代にぴったりの機能性を持ち合わせたかばんです。」

コンパクトなのにたっぷり入る丈夫な出張かばん

テレワークの機会が増えたとはいえ、出張が多いビジネスパーソンも珍しくはありません。特に多いのは、2〜3日程度の出張。スーツにシューズ、資料にデジタルツールと荷物も多くなりがちですが、できるだけ身軽に動きたいという思いもあります。そんなわがままな願いを叶えてくれる出張バッグはあるのでしょうか。

石川さん:「僕は、飛行機を使って海外に行くことが多かったのですが、機内に持ち込めるサイズであることがかばんを選ぶ条件のひとつでした。特に海外では空港のカウンターで預けた荷物を紛失されるロストバケージに遭う機会もあるんです。それに荷物の受け取りは時間がかかるので、特にビジネスシーンではコンパクトにまとまるかばんが活躍。収納力はありながらも、軽く、そしてタフなものを選んでいます。

「LEX DRAY(レックスドレイ、写真右)」のリュックは、4年ほど前にアメリカで購入したもの。ちょっと重たいのですが、とにかく丈夫で収納力に優れているので、デジタル機器をたくさん詰め込められるところが気に入っています。最近は、大雨といった有事の際の避難バッグとして活躍中です。

左は、自社セレクト品の「3WAYバッグ」。ハンドルが2カ所についているので、横持ち、縦持ちの両方が可能な上、リュックとしても使用できます。チャックを開閉することでマチ幅が調整できるエキスパンド機能が付いているので、行きはコンパクトに、帰りはマチを広げてお土産を詰めて持ち帰るなんて使い方もできるんです。

スーツやビジネスシューズを荷物として持っていくなら、当社の「TRAVELLER」もぜひ試してもらいたいです。一見、大きめのボストンバッグですが、リュックとして使用できます。さらに、こちらのかばんは180度開く作りとなっていて、スーツケースとしても使用可能。

スーツやパンツはハンガーごと収納でき、シューズやベルト、ネクタイも入ります。出張だけでなく、冠婚葬祭のシーンにもぴったり。もちろん、飛行機の機内に持ち運べるサイズです。」

アクティブな予定にも応えてくれるプライベートバッグ

もちろん仕事だけでなく、プライベートも充実させたいもの。感染症を機にアウトドアシーンが増えたという方に向けて、おすすめのかばんを知りたいです。

石川さん:「僕自身、キャンプや釣り、公園など、オフの日は子どもと一緒にアクティブに動くことが多いんです。そんな時の持ち物は貴重品にスマホやタブレットくらいなので、身軽に動けることが一番。

アップルストアで見つけた「INCASE(インケース、写真左)」は、カメラバックですがオフの日のショルダーバッグとして活躍しています。

荷物は身軽にとはいえ、スマホだけでなくタブレットを持っておきたいという方は僕だけではないはず。こちらのショルダーは、9.7インチのタブレットが収まるサイズです。ミラーレス一眼カメラも入るので、カメラを持ってお出かけしたいという人にもぴったりです。

また、体に負担をかけにくいウエストバッグをプライベート用に使っている人もいると思います。でも、ペットボトルといったちょっと重たいものを入れて動くと、かばんが跳ねて動きづらいということがありますよね。

当社のウエストバッグ「RUNNER(写真右)」は、両サイドについたベルトを締めることで、かばんが体から離れないように工夫したもの。ジョギングやサイクリングシーンにおすすめです。

プライベートにもビジネスにも万能な一つなら「TSUNAGU BAG 2in1S」

利用シーンに合わせ、実に多彩なかばんを紹介してくれた石川さん。あれこれ考えながら選ぶのはもちろん楽しいのですが、いっきにすべてをそろえるのは大変です。「とにかく一つ、今の時代に使える万能なかばんを持っておきたい!」なんて思いがチラリ。そんな人にぜひ手に取ってもらいたいのが、「TSUNAGU BAG 2in1S」。テレワークのおすすめバッグとして紹介した「TSUNAGU BAG 2in1」の機能性はそのまま、よりカジュアルに使えるシリーズです。

石川さん:「「TSUNAGU BAG 2in1」は、収納力はもちろん、精密機器を守る撥水性、防犯性にすぐれ、スーツケースにも固定できるなど、ビジネスシーンにぴったりのかばんです。もちろん機能性の高さからプライベートシーンにもおすすめしていたのですが、「プライベートで使うには少し堅いデザイン」「ママバッグとして使えるデザインがあればうれしい」といった声がありました。

そこで登場したのが、「TSUNAGU BAG 2in1S」です。撥水性・耐久性はやや劣りますが、その分、軽い生地を採用。女性に人気のやわらかな色を取り入れ、カラーバリエーションも増やしました。」

実際に背負ってみると、想像以上の軽さ。人間工学デザインのS字ショルダーと、2cmの厚さがある背面クッションのおかげなんだとか。

筆者は身長が150cmと平均よりかなり小柄な体型ですが、ショルダー部分のチェストベルトを細かく調整でき、長く余ってしまったベルトを収納できる結束バンドパーツまで付いているので、快適に長時間使用できそうです。

取り外しできるポシェットも、財布やスマホ、タブレットに衛生用品までしっかり入る十分なサイズ。旅先や出張先なら本体のリュックは宿やロッカーに預けて、ポシェットだけでお出かけできます。

そんな機能性抜群のリュックが誕生するきっかけは、石川さんの過去の体験にありました。

石川さん:「僕は以前、妻と一緒に千葉で暮らし、都内にある会社に勤めていたんです。そこで起きたのが東日本大震災。僕は職場の近くで、妻は自宅で被災しました。

当時、妻は臨月を迎えていたので、一刻も早く自宅に帰りたかったのですが、交通機関が停止。仕方なく、千葉まで歩いて帰ることにしたんです。

スーツに革靴、ショルダーなしのブリーフケースを持って6時間かけて歩きました。ブリーフケースは重たいし、ペットボトルで水を買ってもバッグに入れることはできないし。
そこで、フリーハンドで動ける快適なビジネスリュックがほしいと思ったんです。

でも、自分が考えるものはなかなか見つからなくて。
その後、転勤を機に福岡に移住しましたが、独立を決めて今に至ります。

独立当初は、AmazonやYahoo!ショップといったモール型ECサイトで、自分で仕入れたかばんを販売していましたが、軌道に乗せることができず。最後に、残った資金で自分が作りたかったかばんを作ろうと決めて、出来上がったのが「TSUNAGU BAG」シリーズです。」

理想のかばん開発のプロセスをクラウドファンディングで公開

TSUNAGU BAGは、2in1をはじめ、いずれもクラウドファンディングで支援者を募り商品開発を行っています。どれも、予想を大きく超えて目標を達成していますが、その要因は何だったのでしょうか。

石川さん:「まず、商品が実体験に基づいたほかにないものだったというのが大きいと思います。流行を追った一過性のものではなく、使いやすさを追求し、日本だけでなく海外でも通用するクオリティにまで仕上げたんです。

また、仕入れた商品を販売し失敗したことで、自分が求める販売方法は安さが大きな売りになるモール型ECサイトではないとも感じたんです。

クラウドファンディングは僕が「実行者」で、支援してくれる方は「応援者」という関係。今、世に出てない製品を開発するプロセスを、応援者の方と共有できることは、クラウドファンディングの醍醐味であり、大きなメリットだと思います。

クラウドファンディングを利用することで、応援者の方からは新商品開発のヒントになる声もたくさんいただくことができました。

これまでは、オンラインでの販売がメインで、商品を手に取って見ていただく場がありませんでしたが、「実物を見て購入したい」という声に答えて、12月にショールーム(糸島市篠原東1-1-43)をオープンする予定です。長く使える愛用品として、ぜひ多くの方に手に取っていただきたいですね。」

「消耗品ではなく、長く使えるサステナブルなかばんを作ることで、環境に優しいブランドを育てていきたい」と話す石原さん。普遍的な価値が詰まったかばんで、アフターコロナの新しい日常を充実させていきましょう。

文=戸田千文




※この記事内容は公開日時点での情報です。

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