太鼓芸能集団「鼓童」創立40周年ツアー 福岡へ! メンバー・中込さんインタビュー

 新潟県佐渡市を拠点に日本各地、世界各国で活躍するプロ和太鼓集団「鼓童」。11月19日(金)に福岡市民会館大ホール(福岡市中央区)で「創立40周年ツアー 第三弾 鼓童ワン・アース・ツアー2021〜童(わらべ)」が開催されます。久しぶりのツアー公演に先立ち、メンバーの中込健太さんが福岡を訪れました。公演についてやコロナ禍での過ごし方などインタビューしてきました! ※撮影時のみマスクを外しています。

―久しぶりのツアー公演になりますね。

 そうですね。昨年はやはり(コロナ禍で)ツアーができない状況だったので…。今年、「鼓(つづみ)」という作品で国内を何カ所か回ったり、東京での公演は行なったりしていましたが、九州を訪れるのは久しぶりです。以前博多座で坂東玉三郎さんとご一緒させていただいた思い出もあります。九州はご飯がおいしいですし、昔はみんなでよく食事に行って、店の方と友人になることもあったので、ようやく来れてうれしいです。

―今回のツアーのテーマは。

 今回は「童(わらべ)」というタイトルで、前作が「鼓(つづみ)」。「鼓」と「童」は、二つで一つの作品と考えていて、前回の「鼓」は、太鼓の音にフォーカスし楽器そのものの良さを表現した作品でした。
 今回の「童」は、子どものように純真無垢(むく)に太鼓に向き合っていきたいという思いが込められた作品です。メンバーも演奏時は、子どものように楽しんで太鼓に向き合っています。世界中の楽器を取り入れたにぎやかで幅広い楽曲になっていますし、踊りも取り入れてあるので彩り豊かな演目になっていると思いますよ。
 バリの竹の鍵盤をたたくような楽器をはじめ、日本の琴、南米のスチールパンなど音自体にいろんな要素が入っている異国情緒ただよう楽曲や、「THE和太鼓」な醍醐味(だいごみ)を味わっていただける曲まで、バリエーション豊富に用意しています!

―中込さんが太鼓を始めたきっかけは?

 小学校の音楽の授業で初めて太鼓をたたくことを習って、その時に「鼓童」の映像も見せてもらったんです。「そういうグループがあるんだ」という認識を得たのがその時始めてで。そうしたら、高校生の時、僕の住む町に「鼓童」が来て、パンフレットに研修生募集と書いてあったので、高校を卒業後に佐渡へ渡りました。今も毎年研修生は募集していて、福岡や九州からのメンバーもいますよ。
 年齢層も20~70代と幅広く、今年で40周年を迎えるので、創設時のメンバーは70代ですね。今回の作品は、今一番多い20代のメンバーを中心に構成しています。

©岡本隆史

―和太鼓はものすごく体力が必要そうに見えます。

 確かに体力は必要ですね…。でも、年齢を重ねていって出る味わいみたいなものがあるので、体力があればいいというものでもないんですよね。そこがスポーツとは違い、幅広い世代が活動できているところなのかなと思います。筋肉や体力は、もちろんトレーニングも必要ですが、太鼓をたたいているうちについてくるので!
 僕の担当は「大太鼓」なのですが、体全身でたたかないと音がそもそも鳴らないので、下半身を鍛えて、全身でたたく練習をしています。

―「鼓童」で演奏される楽曲の構成などを教えてください。

 大体5~6分、長くて10分前後の尺で作っています。楽曲制作に関してはいろんなやり方があって、大体は自分たちで作っていますが、0から組み立てて作る曲と、各地の郷土芸能を組み合わせて作る曲のパターンがあります。外部の音楽家に依頼して作ってもらうこともあります。
 和太鼓だからといって和風の音楽ばかりではなく、太鼓の良さを生かしつつ、現代音楽と融合させていっているのが特徴ですね。
 最近自分は、ミニマルミュージックや、ノイズミュージックにハマっていて、ちょっとアンダーグラウンドな、あまりみんなが聞かないような曲ばかり聞いていますが、それが作曲に生きてきているのかなとも思います。

―普段のスケジュールは

 佐渡にいる時は、自分たちの練習場「鼓童村」があって、そこで練習しています。事務所と稽古場、工房を兼ねているのですが、朝9時にはみんなで集合して、体操と掃除を済ませ、9時半くらいからはずっと練習です。曲ごとに分かれて練習した後、通し稽古しています。
 ひとつの舞台をつくっていくときは、基本毎日これですね。土・日曜がお休みです。大体夜の10時くらいまではずっと練習していますね。

©岡本隆史

―コロナで一番影響を受けたことは。

 活動のメインは公演なので、ライブができないということがやはり一番の打撃でした。一年中ほとんど旅をしていたのですが、まず移動ができない。
 さらに僕たちは離島で生活しているため、医療が脆弱な場所で自分たちが移動することでウイルスを持ち込んでしまってはいけないというプレッシャーがすごくありました。今でも毎回出入りする時は検査しています。
 コロナ禍で自分たちができることは、佐渡にこもって音源を撮りためることだったので、ひたすら曲を作っていました。あとはYouTubeでラジオみたいなものも始めました。普段、公演の際は言葉を発する機会などなかなかないので、自分たちをもっと知ってもらうために、と思って。

―こういう世の中で感じること、音楽でできることは。

 僕が感じたのは、太鼓っていうのは1人でたたけない。僕がやっている大太鼓はまず持ち運ぶことすら困難で、それには一緒に運んでくれる人や台に載せて演奏場所を整えてくれる人が必要なんです。大太鼓、本当に重たくて、載せる時は10人がかりなんですよ。みこしを担ぐみたいにして「せーの」で担がないと無理なんです。
 そして、演奏を受け入れてくれる人がいないと成立しない。とにかく人の力を必要とするものなのだなと思いました。そういう意味で人のつながりというものをすごく感じていて、そのつながりを背負って舞台に上がっているんだなと、思っています。

―海外での公演も多かった。

 毎年海外で1~3月にヨーロッパとアメリカの周辺を隔年で行っていました。昨年2月はそれこそヨーロッパにいて、そのさなかにわーってコロナが広がった。途中でツアーを中断して帰国しました。
 海外での公演も、基本的には国内と同じですが、国によって反応が全然違っておもしろいです。同じ国でも地域によって違いがあるんですが、劇場に来るお客さんは静かにコンサートを楽しむように見てくれているんですね。
 ただパヴェーラっていう、貧民街みたいなところでやった時は、同じ演目なのにお客さんがみんな踊っていて(笑)。演奏する場所、見に来る人の雰囲気で公演自体が全く変わるのがおもしろいなと思いました。

―1公演につき何曲くらい演奏を?

 12,13曲くらい演奏しています。テーマになっている演目とその時に合わせて新曲を用意しているのですが、僕はもう、覚えるのが大変になってきてしまいました(笑)。今回の公演も新曲が多くて大変でした。

―読者にメッセージを。

 生の太鼓の音は、音源で聞くのとは全然違うので、ぜひ会場へ足を運んでほしいと思います。コロナ禍でなかなかそういった場所へ足を運びづらいと思う人もいるかもしれませんが、元々芸能は疫病退散や、人の幸せを祈って演じられてきたものなので、見たらすごく元気が出るんじゃないかなと思います。ぜひ、生の音を聞きに来てください。
 今回はU-25チケットも準備しているので、若い方たちにも気軽な気持ちで聞きに来てほしいと思います。学校で部活ができなかったり、どこにも行けなかったり、行事ができなかったりする子どもたちが多くて、それが本当にかわいそうだなと思っていて…。そういう方たちの楽しみになれればと思います。難しい舞台ではないので、本当に気軽に足を運んでみてください!

創立40周年ツアー 第三弾 鼓童ワン・アース・ツアー2021〜童(わらべ)

日時:11月19日(金)18:30開演
場所:福岡市民会館 大ホール(福岡市中央区天神5-1-23)
料金:一般6,000円、U-25 2,500円
問い合わせ:キョードー西日本
電話:0570-09-2424(11:00~17:00、日・祝休)

チケットぴあ Tel. 0570-02-9999【Pコード:201-328】 http://pia.jp/
ローソンチケット【Lコード:83750】 http://l-tike.com/
イープラス http://eplus.jp/
鼓童チケットサービス https://piagettii.e-get.jp/kodo/pt/
店頭販売:LAWSON、ミニストップ、セブン-イレブン、FamilyMart

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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