福岡市を拠点に活動する楽曲派アイドルグループ「HelloYouth (ハローユース) 」は10月、長崎市を皮切りに九州6県(大分県除く)の県都を巡る九州ツアー「PARADE(パレード)」(計12公演)を実施しました。ツアーには7月にデビューした2期生・矢野亜月さんも参加。7人体制のHelloYouthの本格披露としても注目されました。10月24日、福岡市中央区のライブハウス、DRUM Be-1で開催された同ツアーのファイナル公演の第2部では、2022年2月23日(水・祝)に初のフルアルバムが発売されると発表されました。益々の飛躍が期待される新体制でのファイナル公演第2部の様子やメンバーのインタビューなどをレポートします。
新たなステージへの扉開く
HelloYouthのライブは「楽しく前向き」なパワーがストレートに客席に届くことが特徴です。今回も、コミカルな振りが楽しい「スクーターガール」を1曲目に選び、全開モードでスタート。観客のボルテージが上がる中、人気の夏曲3曲を続け、会場との一体感を一気に築きました。
途中、MCやツアーの回顧、メンバーが意見を出し合って考えたスペシャルメドレーやメンバーの小芝居の映像をはさみながら、コロナ禍での苦悩や葛藤、そして決意を込めた「僕らの唄(うた)」、今回のツアーのテーマ曲「PARADE」など16曲を披露。ダブルアンコールも含めて一気に駆け抜けました。注目の矢野亜月さんも10曲に参加し、「7人のHelloYouth」を強く印象付けました。
今回のツアーでは福岡以外の5県10公演のプロデュースをメンバーが担当しました。「ほかのメンバーの公演では、自分では思いつかない企画案も多く、自分の視野を広げなきゃ、と感じました」(大島向葵さん)、「意見を出し合いながらライブを作り上げる過程に関わったことで『次のライブはもっといいものを!』という欲が出てきました」(花城玲奈さん)など、新しい経験に刺激を受けた様子。
また、「改めてグループのパフォーマンスを見直し、自分自身も更に向上させたい」(藤咲まりなさん)、「常に最高のステージを創り上げることを今まで以上に心掛けるようになりました」(田仲笑茉さん)、「亜月の成長を支えながらも、新しい力に負けないように頑張りたい」(大葉みらいさん)、「新たにスタートする気持ちで頑張ろうという気持ちが芽生えました」(平松聖菜さん)など「先輩」6人もモチベーションを高めるツアーになったようです。
今回のツアーで初めて本格的にパフォーマンスを披露した矢野亜月さんは、HelloYouth加入前は歌とダンスは未経験。加入後、レッスンを続けていますが、「先輩たちにまだまだ追いつけていません。基礎をしっかりできるようにしたい」と課題を上げながらも「ツアーを通じてHelloYouthがより好きになり、頑張りたいという気持ちも強くなりました」と手応えを感じていました。
「ナナイロユース」さらなる輝きを
振り返ると、2018年7月にデビューしたHello Youthは当初、7人体制でした。ところが半年後、ツアー中にメインボーカルが離脱し、その後、復帰することなく脱退。グループは突然、大黒柱を失います。
大島向葵さんは、かつて取材に対し「目の前が真っ暗になったようでした。次のライブはできるのか、グループがどうなるのか、活動を続けられるのか…不安で押しつぶされそうでした」と当時の心境を語っています。念願のデビューを果たして間もない時期だっただけに、ほかのメンバーの心中も察するに余りあります。
ただ結果論ですが、脱退劇はHelloYouthを成長させました。ぽっかり開いた大きな穴を埋めるために、残された6人は個々の能力を一生懸命伸ばすために奮闘せざるを得ず、同時に危機意識の共有は強い一体感を育みました。
7月18日に福岡市で開かれた3周年記念ライブ「popping session」では6人体制の集大成を披露しました。強い一体感、会場を包み込む圧倒的な熱量のステージング、客席に届く強く前向きなメッセージ…。あの日の6人は、間違いなく、HelloYouthの一つの「完成形」でした。
デビュー直後に発表された曲に「ナナイロユース」があります。
念願のデビューが叶い、夢への扉が開いた7人の決意や覚悟を「僕が決めた、信じたこの道を、強く思い切って、ただ走って行くんだ、転んだって構わない」などと歌い上げています。
長らく6人で歌ってきましたが、矢野亜月さんの加入でHelloYouthは再び「ナナイロ」になりました。
今はよちよち歩きの矢野亜月さんが先輩たちの手を借りながら成長し、7人が一体となった時に起きる化学反応は「6人のHelloYouth」を超える強い輝きを放つでしょう。その萌芽を感じたツアーファイナルでした。
HelloYouthが紡ぐ無限のストーリーの第2章からも、目が離せそうにありません。