現在9歳の娘がまだ2歳の頃。妻と娘が2人でスーパーへ行くと、娘は毎回かくれんぼをして、妻を困らせていました。夫婦である解決策を見つけると、妻の負担は軽減されました。当時のことを娘に話すと、当時の思いを聞かせてくれました。父親ライターがお話します。
どこにでも隠れてしまう娘に振り回されるショッピング
当時、まだ2歳の娘を1人で留守番させるわけにはいず、妻は、娘を連れてスーパーへ行きました。すると娘は決まって店内を走り出し、かくれんぼを始めるのです。
妻がしっかり手を握っていても、一瞬の隙を狙って、まるで逃亡するかのように駆け出し、隠れてしまいます。陳列棚の裏のわずかな隙間にも隠れるので、ちょっと通路をのぞいただけでは、どこにいるのか分かりません。妻は買い物をしながら、娘の姿を1列ずつ歩き回って探しました。
ジで会計をしている間や品物を袋に詰めている間も、油断できません。少しでも妻にすきがあると、またかくれんぼを始めるからです。
妻は娘と買い物へ行くたびに「何で、こんなに探さないといけないのよ!」と、いつもいら立っていました。
そしてある週末、家族で買い物に行った時に、私は初めてその現場を目の当たりにしました。
スーパーに着くやいなや、あっという間に姿を消す娘。慌てて探しに行くと、陳列棚の間で体を縮こまらせて隠れている娘を発見! 娘は「よく見つけたな!」と言わんばかりに、こちらを見て得意げにニヤッと笑いました。私はその顔を見て、思わず声を上げて笑ってしまいました。
私は「いつもこうやって隠れているんだな」と状況を把握すると同時に、「何とかしないとダメだ」と思いました。
かくれんぼを卒業した娘の意外な本音とは
夫婦で「娘のかくれんぼを何とかしよう!」と、いろいろ意見を出し合いました。手つなぎは失敗しているし、週に何度も食品を買いに行く必要がありましたが、私は仕事が休みの週末しか同行できません。迷子ひもの購入も検討しましたが、何だかかわいそうに思い、諦めました。
そこで苦肉の策で考えたのが、「音が鳴る靴を履かせる」でした。音が鳴る靴を履いていれば、娘の姿が見えなくなっても、音を頼りに見つけやすくなります。
実際に、音が鳴る靴を娘に履かせると、スーパーでも簡単に見つけられるようになり、妻は「買い物がラクになった!」と大喜びしました。
結局、娘が3歳になるまでスーパーでのかくれんぼブームは続きました。無事に落ち着いた時は、心からホッとしました。
当時のことを今の娘に話してみると、
「びっくりさせたかったのと、構ってほしかった!」という本音が聞けました。私は娘の前では「そんなに構ってほしかったか!」と笑いながらも、心の中で「気付いてあげられなくて、ごめんね」とつぶやいたのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/【けんちゃん】)