妊娠すると、思いも寄らない出来事に遭遇することがあります。特に身の毛がよだつ思いをしたのが、妻が第2子を妊娠している時でした。当時の様子を父親ライターが紹介します。
妊娠をきっかけに、妻の貧血が判明
13年前、妻が第1子を妊娠した時、妊婦検診で貧血の症状があると分かりました。
先生から
「お母さんが貧血だと赤ちゃんも貧血になる」と言われた妻は、貧血改善を始めました。先生の指導のもと、鉄分が豊富なホウレン草やひじきを食べたり、鉄剤を飲んだりしました。
たまに立ちくらみや、貧血の人によくあるという「氷を食べる」こともありましたが、無事に出産を終え、赤ちゃんも貧血になりませんでした。母子ともに元気でいてくれて、本当にうれしかったです。
しばらくすると妻の貧血は自然と解消しました。先生の話では
「妊娠中は赤ちゃんに栄養を取られるため、貧血症状が強く出やすい」とのこと。それを聞いて安心しました。
しかし2年後、第2子の妊娠中に再び、貧血がぶり返しました。前回と比べると、立ちくらみの症状が強く、回数も多いようで、氷を食べる量も倍増していました。 そんな第2子妊娠中の、とある検診日。私も一緒に病院に行くと、ゾッとする出来事が起きました。
目の前で起こった光景が、今でも忘れられないトラウマに
その日の検査が一通り終わり、結果を聞くために待合室にいた時のことです。名前を呼ばれた妻が椅子から立ち上がり、歩き出そうとした矢先、突然、頭から後ろに倒れ込もうとしたのです!
私は、とっさに
「危ない!」と叫び、後ろから両手で妻を支えました。どうにか間に合って、妻は頭をぶつけることなく、ケガもありませんでした。
助産師さんから
「椅子に寝かせてください」と言われ、私は動揺で手が震えながらも、その通りにしました。意識がもうろうとしている妻を見守りながら、私は不安な気持ちでいっぱいに。
「なぜ妻が意識もうろうになっているのか?」「妻やおなかの赤ちゃんは無事なのか?」と、私の頭の中はぐるぐると考えが巡りました。
やはり貧血が原因でしたが、翌日、妻に倒れた時のことを聞いても
「覚えていない」という答え。また最近も、その話をしてみましたが
「そんなことあったっけ?」と、妻の記憶からは完全に消えているようでした。
今でも妻は調子が悪い時は、鉄剤を飲むことがあります。その姿を見るたびに、私は当時のことがフラッシュバックし、胸が苦しくなります。
(ファンファン福岡公式ライター/ けんちゃん)