【写真に撮りたい】インスタグラマーと巡る「福岡のパブリックアート5選」

いまや多くの都市にもモニュメントや彫刻はありますが、福岡には世界の巨匠や新進気鋭のアーティストによるアート作品がさらりと点在しています。今回はインスタグラマーのsayuriさんと一緒にパブリックアートを巡り、見方がガラリと変わる切り取り方もあわせてライターの帆足 千恵さんが紹介します!

目次

無料で楽しめるパブリックアートとは?

公園や広場などの屋外や公共空間に設置される芸術作品など「パブリックアート」の定義はさまざまありますが、ここでは「誰でも無料で入ることができる開かれた空間にあるアート作品」としたいと思います。

日本では1970年代ころ高度経済成長を背景にアートとまちづくりを結びつけた動きがスタートしました。1990年、福岡では天神の商業施設や公共空間に50数組の現代美術の作品が展示された「ミュージアム・シティ・天神」が全国から注目を浴びました。

私自身は、「シティ情報ふくおか」の記者として取材などで関わりましたが、国内外の有名な作家の作品が、デパートの中にマネキンの横にあったり、ポンと屋外に置かれた風景に、福岡にあふれるパワーを感じ、興奮したものでした。

パブリックアートはあまりにも日常の風景に溶け込んでしまい、その魅力に気づいていない人も多いかもしれません。まったくアートに興味がない人には、目にもとまっていないかも。

そこで今回は、福岡らしいストーリーを持った世界の巨匠や注目アーティストの作品5選を紹介します。これを機会に、独特な空間の雰囲気とをぜひ楽しんでほしいと思います。

インスタグラマーのsayuriさんがユニークに表現していますので。まずは写真映えするスポットとして訪ねてみてはいかがでしょう。
@sk.sayuri https://www.instagram.com/sk.sayuri/?hl=ja

世界の巨匠と注目のアーティスト作品5選

福岡にある「世界の巨匠」の作品3つと、底抜けに楽しい「新進気鋭の注目アーティスト」の作品2つをご紹介します。思わず一緒に写真を撮りたくなるパブリックアートです。

1.2021年誕生!「ウィンド・スカルプチャー(SG)II」インカ・ショニバレCBE@福岡市美術館

インカ ・ショニバレCBE《ウィンド・スカルプチャー(SG)Ⅱ》2021年 ©
Yinka Shonibare CBE, 2021. Courtesy of James Cohan Gallery, New York

福岡市が2019年に市政施行130周年を記念して、福岡市中央区・大濠公園の福岡市美術館に設置された作品です。2021年7月に設置されたばかりで知らない方も多いかもしれません。

高島福岡市長のメッセージを寄せたプレートには、「古来より海を越えた交流を象徴する船、(中略)布が風にはためく形は、風を読み、風を受け、帆を張って、福岡市が次のステージへ向けて前進するイメージと重なる」と記されています。

そう、うねりを持った布がしなやかに舞い上がるような美しさで、爽快な気分になります。遠くから近くで、いろんな角度からじっくりとみてください。

作者のインカ・ショニバレCBEは、世界で人気を博する英国のアーティスト。「アフリカンプリント」と呼ばれる布を用いた作品を各地で発表しています。一見、華やかで美しいのですが、その背景には、歴史と多様な文化の交流、政治的なテーマが潜んでいます。

福岡市美術館から作品制作を依頼し、当館が40年をかけて培った「布」のコレクションから、この作品にも使われています。どれだけでも深く楽しめるアートです。

■インスタグラマー撮影point

まさかのアート作品を下から撮影するという発想!インスタグラマーならではですね。この角度は見つけることができませんでした。アートの壮大さも引き立ちます。

sayuriさんいわく「下からのアングルは、コーヒーなどのアイテムを使用して撮影すると気になるアゴも隠せたりします(笑)」とのことです。大濠公園をバックに撮影するのもおすすめ!

【福岡市美術館】
■TEL: 092-714-6051
■住: 福岡市中央区大濠公園1-6 (1F 大濠公園側)
詳細はこちら https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection_highlight/15721/

2.草間彌生が初めて手がけた屋外彫刻「南瓜」@福岡市美術館

草間彌生《南瓜》1994年

世界で最も人気を集める日本のアーティストといっても過言ではない草間彌生氏。アートに詳しくない方でも、印象的な南瓜、水玉の作品を観たことがあるのでは。

実は、1994年に、先述した「ミュージアム・シティ・天神 ’94 Fukuoka, Japan」で、草間氏が初めて制作した野外彫刻作品なのです。その当時は、福岡市中央区天神の銀行の前に設置されました。

一度観たら忘れられない、黄色の南瓜と様々な大きさの水玉。その時の私はものすごく衝撃を受け、呆然としていたのを覚えています。

1996年に福岡市美術館のコレクションとなり、2階の広場に設置されています。「福岡城さくら祭り」の時には、福岡城址で桜の下に置かれたときも素敵でした。この南瓜の空間は自然だけど、特別です。

■インスタグラマー撮影point

普通であれば、南瓜の横に立って手と足を大きく開いてカメラ目線で撮影しそうなところ、sayuriさんは座って撮影。座ることで、南瓜の作品も大きさも伝わり、存在感を放っています。

sayuriさんいわく「この南瓜を背景に座ると、周囲に溶け込みながらも作品の存在感も際立ちます。」とのこ。夕暮れだったので、なんだか神秘的な雰囲気満点ですね。くれぐれも作品には触らないように注意して。

【福岡市美術館】
■TEL: 092-714-6051
■住: 福岡市中央区大濠公園1-6 (2F広場)
詳細はこちら https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection_highlight/2656/

3.ビデオアート先駆者「Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix」ナム・ジュン・パイク@キャナルシティ博多

1996年にキャナルシティ博多がスタートしたときのインパクトの中に、私にとってはこの作品があることのワクワクが含まれています。今でこそ映像がアート作品になることは多いのですが、当時はまだレア。

ビデオアートの先駆者であるナム・ジュン・パイクが、縦約5m、横約10mという巨大な作品を手がけ、しかも日本で最大というキャッチだけでもセンセーショナルなトピックでした。(そして今でも彼の作品としては日本で最大です)

180台ものブラウン管テレビがズラリと並び、その一台一台からミュージシャンや日本の象徴的な文化などが映し出されています。圧倒的な迫力なのです。福岡、キャナルシティ博多を訪れた韓国人旅行者も、よくここで写真を撮影していましたね。

経年によってブラウン管テレビなどが故障したため、2019年から放映を停止していましたが、修理の期間を経て、2021年8月に復活。ただし、1日3回放映時間が決まっているので事前にチェックして堪能しましょう。

■インスタグラマー撮影point

>>インスタのリール動画はこちら

普通であれば、ビデオアート全体を写すことに集中しそうなところ、ビデオアートを壁紙のように切り取り撮影。こちらは1階、2階、3階から見ることができ、いろんな角度で楽しめます。

sayuriさんいわく「この作品のすごいところは、一画面一画面が計算しつくされたアート。自分の背景でアップにすることでアートの魅力をより引き立たせることができます。」とのことです。おすすめは、2階から。間近に観ることができます。

【キャナルシティ博多】
■TEL: 092-282-2525 (情報サービスセンター/10:00~21:00)
■住: 福岡市博多区住吉1-2 (クリスタルキャニオン南側壁面)
■時間: 12:00~13:00、15:00~16:00、18:00~19:00の1日3回
詳細はこちら https://canalcity.co.jp/news/event/2349

4.福岡ならではのモチーフもいっぱい「最良のものはすでにある」ブー・ホァ(卜樺)@福岡アジア美術館

ブー・ホァ(卜樺)《最良のものはすでにある》

福岡市地下鉄・空港線、中洲川端駅直結のビルの7・8階にある福岡アジア美術館をご存知でしょうか。

現在「アジアの現代美術」は世界のトレンドになっていますが、福岡市は2019年に40周年を迎えた福岡市美術館において開館当初より収集されたアジア近現代美術のコレクションやアジアのアーティストとのネットワークを活用し、アジアの近現代美術を専門とした世界で唯一の美術館となる「福岡アジア美術館」を1999年に開館しました。

縦約4m、横約11mの巨大壁画は、美術館への誘いとして目印となる作品をと、2018年に設置されました。

作者の分身であるおさげ髪の少女「リトル・ホァ」が軽やかに躍動し、太陽や海、動物たちなどの自然とともにラーメンや明太子など福岡の名物グルメ、博多祇園山笠や福岡タワーなどの観光名所も色鮮やかに表現されています。

原画を制作したのは中国のデジタル・アーティスト、ブー・ホァ(卜樺)さん。彼女がコンピュータで描いた原画をもとに福岡のアーティストや美術学生たちが1ヶ月の期間をかけて現地で制作、完成させました。

当時の完成お披露目会では、ブー・ホァさんは「福岡のエネルギー、楽しくなる気持ちを感じてほしい」とコメント。

この壁画をモチーフとしたかわいいマグカップや手ぬぐいなども販売されていますので、7・8階の福岡アジア美術館へもぜひ足を運んでください。

■インスタグラマー撮影point

>>インスタのリール動画はこちら

普通であれば、壁一面に広がるアートを遠くから画面に入るように必死なりそうですが、sayuriさんは、自分もアートの一部になり溶け込むように撮影。インスタのリール動画は圧巻ですね。

sayuriさんいわく「この作品の可愛さを伝えるのは、横長の作品を生かし、自分も一緒に歩いて撮影する動画が一番!」とのことです。まずは、福岡アジア美術館のビルの中へ一歩入ってみましょう。福岡の見どころもわかります。

【福岡アジア美術館】
■TEL: 092-263-1100
■住: 福岡市博多区下川端町3-1 (1Fエントランス)
■時間: ビルが閉まる夜間はクローズ
詳細はこちら https://faam.city.fukuoka.lg.jp/

5.猫の視線とフォルムが楽しい「SHIP’S CAT」ヤノベケンジ@WeBase 博多

福岡市博多区店屋町にある「WeBase 博多」はコミュニティホステルとして2017年にオープン。鎌倉や京都など日本に5つありますが、そのアイコンとなっているのが「SHIP’S CAT」。

現代美術作家として国内外で活躍するヤノベケンジ氏とのコラボレーションにより制作されました。大航海時代に「旅の守り神」として世界中を旅してきた猫がモチーフ。

このホステルに集まる、未来ある若者や旅人の旅を後押しするための「出発」「希望」「誕生」といった意味が込められているそうです。

このホステルがある店屋町は、博多の古いまちなみや歴史が残る博多旧市街にあり、そんな伝統とアートが自然に調和している感じも楽しいです。

ここではぜひ外からだけではなくて、中に入ってのフォルムやイラストもみてください。スタッフの方に声をかけていただければ大丈夫とのこと。嬉しいですね。

宿泊はもちろんおすすめですが、コワーキングスペースやワーケーションのプランもあり、短時間の利用もできます。

■インスタグラマー撮影point

普通であれば、猫の全体像を撮影しそうなところ、あえて猫の目の前に立つことで、作品の大きさを伝えることができています。

sayuriさんいわく「この作品のポイントは、中に入るとお尻がちゃんとあるところです。せっかくきたら、お尻まで撮影したいです。恥ずかしがらずに自分も猫になった気になってお尻をプリっとして撮影を(笑)」とのことです。

こちらの猫ちゃんは、地元の小学生が「ニャーピー」と名付けてくれたそう。名前を呼んで撮影してみてください!

【WeBase 博多】
■TEL: 092-292-2322
■住: 福岡市博多区店屋町5-9
■時間: 外観は24時間撮影可能、中に入っての撮影は7:30~23:00
詳細はこちら https://we-base.jp/hakata/?lang=ja

「街の成長」を体現する福岡アートは面白い!

いつかみなさんに紹介したいと思っていたトピックスがこのパブリックアート。福岡の昔からの交流の歴史や、新しい多様なものを取り入れて成長するDNAを「まちを彩るアート」が体現していると思うからです。

観光名所や風景はみるだけでなく、背景やストーリーがわかるとなおさら面白い!気に入ったものは深掘りしながら、福岡のまちをクルージングしてみてください。

@sk.sayuriでは、今回のsayuriさんの撮影画像をもっと見ることができます。

文=帆足 千恵

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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