不妊治療における様々な検査。どんなもの?費用や痛みは?

精神的に限界を感じて不妊治療を約1年休んでいる間に、新しくできるようになった検査や、これまでやったことのなかった検査も受けてみる事になりました。不妊治療において医療技術は年々進んでいます。今回は私も受けた検査についていくつかご紹介していきたいと思います。

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日々進化する不妊治療の技術と検査

ここではなるべく簡単に検査の説明をするので、詳しく知りたい方は専門のサイトをご覧いただければと思います。 

子宮鏡検査 
胃カメラのような内視鏡カメラを挿入し、子宮内宮を目視で問題がないか確認する検査。 
10分程度で終わりました。個人差はあるようですが、私は痛みもほとんどなかったです。この検査は保険適用になり3000円程度の検査費用でした。 

ERA(エラ) 
ERAは受精卵が着床可能なタイミングを調べる検査です。“着床の窓”とも呼ばれていますが、胚移植が行われるタイミングと、着床しやすいタイミングがズレている場合があり、自分のベストなタイミングで移植すると妊娠率があがるというデータもあるそうです。ホルモンを補充し、適切なタイミングで子宮内膜を採取して検査します。私は生理痛のような痛みがありました。 

・EMMA(エマ) 
EMMAは子宮内の乳酸菌を調べる検査。最近の研究で妊娠にはラクトバチルスと呼ばれる善玉菌が重要な役割を果たしているとわかってきたそうです。 

・ALICE(アリス) 
ALICEは不妊の原因となる起因菌の有無を調べる検査です。 

ERAの検査に追加でEMMA、ALICEの検査が可能です。費用はこれらの検査の組み合わせやクリニックにもよりますが15~20万円くらいのところが多いようです。 

・夫婦の染色体異常検査 
流産を繰り返す場合、夫婦のどちらかに先天性の染色体異常があることを疑って検査をすることがあります。血液検査です。検査結果は、異状があった場合、どちらに異常があったかを聞くことも聞かないことも選択できます。費用はそれぞれ1万円程度。

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・着床前胚染色体数検査 
受精卵を胚と呼ばれる状態まで培養し、その組織の一部を採取して、受精卵の染色体に異常がないかを検査するものです。この検査によって、あらかじめ染色体に異常のある受精卵を排除することができるので、着床率を上げたり、繰り返す胚移植の失敗や、流産による身体的・精神的なダメージを軽減することができます。流産になった胎児の染色体を調べると、その約70%が染色体異常が認められたという報告もあるそうです。 

ちなみに染色体異常の割合は女性の年齢でどんどん増えていきます。 

「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書 
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000015864.pdf

こちらのデータで年齢別の染色体異常のデータを見ると、高齢芸能人の妊娠や出産がニュースになる度に、まだまだいける!と勘違いしてしまいそうになりますが、いかに高齢で健康な子供を妊娠し出産できるかが奇跡なのかがわかります。これが現実なのですね。 

この検査については、命の選別につながるという意見もあるようですが、私のように、これまで何度も胚移植の失敗や流産を繰り返してきた人からすると、地獄に伸びてきた一本の救いの糸のようなものです。心も体も、何度も何度も辛い思いをしています。移植しても出産に結びつかない受精卵をあらかじめ排除することで、余計な苦しみを取り除くことができるのは、本当にありがたい。年齢や流産経験の回数など、最低限の条件があるのは仕方がないことですが、この検査を望む夫婦が広く受けれられるようになる事を望んでいます。 ちなみに検査費用は、受精卵をいくつ検査に出すかによって費用は大きく変わってきますが、私は数十万円かかりました。

検査は積極的にするべきか?

これらの検査はほとんどが自費の検査です。不妊治療を始める時に、これらの検査を全て受ける事ができれば、不妊の原因をすぐに見つける事ができて、妊娠まで最短時間でたどり着くことができるかもしれません。 

しかし、これらの検査をせずとも人工授精や1・2回目の胚移植で妊娠できる人も多いし、検査費用を捻出するのは容易ではありません。ですから、移植の回数を重ねる中で医師と相談し、上手くいかない場合はその原因を探るため、検査に挑むという方が多いのではないでしょうか。本当に検査を受けるタイミングが難しいのです。 

私も不妊治療をやめるという選択肢が有力になっている中で、あとから後悔することがないよう、念のために検査をしてみようと少しずつこれらの検査を取り入れてきました。検査して良かったと思えることも、無駄な検査費用を使っただけだったと思う事もあります。いずれにせよ、普通の夫婦生活では子宝に恵まれない夫婦にとって、医療の進歩というのはありがたく希望そのものです。 

不妊治療では比較的初期に行う検査も沢山ありますが、今回は比較的長く治療を続けている方が受ける事が多いであろう検査について書いてきました。治療の期間はできることなら短く、妊娠までたどり着けるのがベストですが、私のようになかなか結果がでない人もいます。不妊治療が保険診療の対象になることが決まっていますが、これらの自費検査と保険診療は混合診療にあたるということが問題点となっているそうです。不妊治療に取り組む夫婦にとって、必要な検査がスムーズにできるよう、制度が整う事を願うばかりです。

参考資料

https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡を拠点にフリーアナウンサー・タレントとしてテレビリポーター、イベントMC、ラジオパーソナリティ、コラム執筆など多方面で活躍中。健康管理士、食生活アドバイザー。自身の不妊治療の経験を通して、より多くの方に不妊治療に対する理解を深めて欲しいと発信している。

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