【TIER】水引の歴史と文化を次世代に繋げる、水引デザイナーの想いに迫る。

福岡市公式インスタグラム連動企画「#fukuoka_people」。福岡で魅力的な活動をしているさまざまな方にフォーカスを当て、プロジェクトの内容をはじめ、活動の裏側や熱いメッセージを伺います。今回は、水引ブランド〈TIER(タイヤー)〉を主宰する長浦ちえさんにインタビュー! 水引の魅力を引き出すデザインを提案し、全国に数多くのファンを持つ水引デザイナー・長浦さんから、水引の本質的な意味や自身のチャレンジについて語ってもらいました。

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水引は人と人を繋げるコミュニケーションツール

私たちの暮らしの中で時折訪れる慶事と弔事。とりわけ祝儀袋や贈り物を手にするシーンでよく目にするのが、水引(飾り紐)。最近ではちょっとしたプレゼントやポチ袋、手紙などにも水引を添えたり、ポップな配色で今風のデザインにアレンジしたり、日常的に取り入れる人が増えています。

従来ある古典的なイメージだった水引を、現代のライフスタイルに合うように間口を広げた第一人者が、水引デザイナーの長浦ちえさん。デザイン面や用途だけでなく、水引が持つ本来の意味と本質的魅力も発信し続けるパイオニア的存在です。そんな長浦さんは、例えば若い世代など水引をあまり知らない人に対して、水引をどう紹介しているのでしょうか。

長浦ちえ(以下、長浦):「水引は、目に見えない『想い』を結びや色、造形などに表すものです。『日頃の感謝やお礼などを表す時に、生活の中で使っていただきたい』『ありがとう、おめでとうなど、人に対する気持ちを形にして伝えるコミュニケーションツールです』とお伝えしています」

開店祝いや記念日などに贈る「スタンド花輪」は、まさに贈る側も貰う側も心が弾むコミュニケーションツール! 同商品は2019年にグッドデザイン賞を受賞しました。

「当たり前」を見直すために、水引の根幹部分を知る

多彩な色使いやデザインで、多種多様なプロダクトや作品を発表してきた長浦さん。2013年に類書がない中で初となる水引のアレンジブックを出版し、「こんなに簡単に水引が作れるなんて!」「水引づくりが趣味になりました♪」など多くの声が寄せられ、大きな反響を得ました。

長浦:「実績ができたことで今では多くの水引本が出版されているので、そういう意味では少しは役に立てたのかなと思います。その反面、最近は表面的な可愛さなどばかりが追及されていることに危惧しています。水引に関して、現在謂われている諸説は色々あり、また地域や時代によって謂れなども様々ありますが、先ずは水引を少しずつ知ってもらうことができた今、次のステップとして改めて私なりに調べ、お伝えすることができたらと思っています」

赤白の水引が使われていることや、熨斗(のし)を添える慣習、お金を包む金封に関する折りの重なり方など、今では疑問すら抱かないような「当たり前」となってしまっていることも含め、長浦さんは今、一つひとつ掘り下げながら調べているそうです。

長浦:「そのような本質的なことを知ることで、堅苦しく思っていたことも大切なのだと気づくのではないかと思います。その気づきによって、相手に渡すときも自分なりの判断ができるようになり、贈り物に想いが入ることによって、日本の素晴らしい贈答文化が残っていくのではないでしょうか」

長浦さんが感じる、福岡市を拠点にする魅力とは?

ところで、もともと全国にファンを持ち、ポップアップショップや展示会などのラブコールが絶えない長浦さんが、福岡市を拠点に活動するメリットはどんなところにあるのでしょうか?

長浦:「大学進学以降は東京に住んでいましたが、ずっと東京に住み続けるイメージはなかったですね。生まれ育った福岡が落ち着きますし、心身ともに一番健康でいられる場所だなと感じます。安心して暮らせて、無理することなく気持ちよくいられる“ちょうどいい”環境が気に入っています」

水引を通して改めて伝えたいこと

お話の中で印象的だったのは、「水引は、見る人や手にする人の想いが込められることで初めて“完成品”になるんです」という言葉。水引づくりはもちろん、水引のルーツやその慣習の背景についても深く追究し続ける長浦さんに、インタビューの締めくくりとして今後の展望を尋ねてみました。

長浦:「水引を通して伝えられる日本の歴史や文化、日本人の考え方がたくさんあります。水引に従事する者として、次世代によりよい形で繋げていけたらいいなと思っています」

水引の魅力をモノだけでなく、本質的なところから伝えてくれる長浦さん。まもなく発行される著書でも、今まで知らなかった水引の歴史を通して、古来より日本人が築いてきた水引の文化や風習、大事な心得をたくさん教えてくれるはずです。また、TIERのお正月飾りにもぜひ注目を! 幸せや喜びへの願いを込めた水引のお正月飾りを取り入れて、豊かな気持ちで心を満たし新年を迎えましょう♪

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