「選手を野球に集中させたい」ホークス・西田広報インタビュー

 2020年シーズンで現役を引退し、翌21年シーズンからチーム広報として選手とファン、メディアをつなぐことに尽力している西田哲朗球団広報。シーズンを終え、広報の仕事についてや今年のチームについてインタビューしました。 ※撮影時のみマスクを外しています。

—西田さん的今季広報活動のMVPは。

 やっぱり松田(宣浩)さん。見ている人に元気を与えてくれるように話してくれるというか、野球をやっている時とインタビュー時のテンションをそろえてくれるのはすごいなと。メディア慣れしているのももちろんあるとは思いますが、見ている人を意識して、楽しんでもらおうと思っているのが伝わってきます。
 でも若手の子たちも1年でものすごく変わったなとも思います。これは以前自分のコラム(球団公式HPで不定期連載中)でも書いたことなのですが、インタビューを通して発言していくことで、自分の考え方を再認識するきっかけになる。若手選手は取材数も少ないので1回ごとに勉強です。終わった後にこうだったよ、と伝えることもあります。そうして次に取材を受けた時、前より少ししゃべられるようになっているので、見ていて成長が面白いなと思います。
 リチャード選手は特に、インタビューを受けて注目を浴びると結果も出ているような気がします。なので、オフの期間も取材を受けてもらって気持ちを切らさないようにするのも広報の仕事なのかなと思います。
 若い選手は取材の依頼が来るとすごく喜んでくれるんですよ(笑)。終わった後に「あっという間に終わったなあ」とか「インタビュー楽しかった」って言ってもらえるとこちらもうれしいです。

—西田さん自身、現役時は広報の方からそういったサポートを?

 そうですね。でも当時は「広報の仕事って何なんやろ」って思っていました(笑)。実際やってみて分かったことも多いです。例えば契約更改の場などでも今思い返せばさまざまなことをレクチャーしてもらっていたな、と思うのですが、そもそもそういう場をセッティングするのが大変だったんだなと(笑)。

—広報の仕事をする上で気を付けていることは。

 選手に野球に集中させてあげたいというのが一番です。メディアに出ている選手の姿は本当に一部の姿ですし、もっと知ってほしいからこそ、取材はバンバン受けてほしいとは思いますが、それが負担になって野球がおろそかになってしまってはいけない。
 取材の調整などをしている時、僕は選手を1分でも待たせたくない。毎日3~4万人のお客さんが見ている中で、週に6日も試合をするのはやっぱりメンタルの負担も大きくて、たった1分でもストレスになってしまってはいけないので、その辺は気を付けています。
 選手のコンディションや練習状況を見て、選手に納得してもらってからメディア対応をしてもらっています。そこは自分が元選手だったからこそ、気持ちも分かりやすい。とにかく選手ファーストで、その気持ちだけはブレないようにしていますし、もしブレることがあればそれは辞める時でしょうね(笑)。

—オフシーズンのスケジュールは。

 各収録や取材、契約更改や球団行事に合わせて動いています。選手に付いていない時も事務作業などで事務所に出たり、広報室内での打ち合わせだったり。1月の自主トレ地の調整など含め、常に先のことを考えて動いています。
 ただ僕、パソコン作業が遅くて(笑)。事務所でカタカタってみんなの早いタイピング音を聞いていたら嫌になってしまって(笑)、家の方がはかどるなと思ったので、家で作業していることも多いです。
 シーズン中は、選手より早く来て遅く帰る感じなのですが、その合間で毎日走るようにしていました。元々太りやすい体質なのもあって現役の時より(体重を)落とさないといけないなと思って走っていたのですが、工藤前監督からも「汗を流さないと血中年齢っていうのが上がっていって、考える能力とかが低下していくから続けなさい」って声を掛けていただいて。
 確かに走っているときにいろいろ考えるし、ひらめくことも多い。工藤前監督はメカニック的なことも含めものすごく勉強されている方でした。引退後もそうやって声を掛けてもらうことが多かったです。

—広報職に就くにあたって勉強などは?

 前広報から教わって、という感じです。コロナ禍での就任だったので、オンラインのやり方なども模索しながら。でもこういう機会がなければオンラインでの取材など経験することもなかったと思うので、選択肢が増えたことは良かったなと思います。テレビ収録用にはzoomの画面だけでは綺麗に撮れないので、デジカメで別途撮影するなど、試行錯誤しました。手間は惜しまないように。
 コラムの文章なども、書く作業は正直全然好きじゃなかったんですが、個人のインスタグラムを更新するくらいの感覚で書いています。ただただ選手が頑張っているのを伝えたいという一心です。すごさを知ってほしいと思って書いていると僕の言葉になってしまう時があるので(笑)、そこは一応広報として気を付けながらですね(笑)。

—この1年で一番うれしかったことは。

 松田さんの300号本塁打の時、「一緒にパネル持って撮ろう!」と言っていただいたことと、工藤監督の最後の試合です。ZOZOマリンスタジアムでの試合で、小雨も降っていたのですが、孫(正義オーナー)さんが来ていて、集合写真を撮りました。その時の撮影を任されたのが僕だったのですが、めちゃくちゃ良く撮れたっていうのが個人的にはすごくうれしかったですね! さらにその写真を選手がみんな個人のインスタグラムで使ってくれていたのもうれしかったです。なかなかコロナ禍の影響でオフィシャルのカメラマンもグラウンドに入れないことも多い中、自分の撮影した写真がそういうふうに使われて、うれしかったです。

—カメラについても勉強した?

 特別練習などはしなかったです。元々芸術的なのは得意で、学生時代、大阪府の美術展に作品が飾られたりしたこともありました。図工とかも好きで。
 撮っていて選手のかっこいい顔やいい画角で撮影できた時は満足しています。心掛けているのは、グラウンド目線であること。お客さんが撮れない位置、距離で撮影するようにしています。なのであまり立って撮影することもなくて、しゃがんで近くから撮っています。公式のインスタグラムなどに載っている写真は主に僕と加藤和子さん(球団オフィシャルリポーター)が撮影したものなのですが、僕の写真は比較的下からのアップが多いかもしれないです。

撮影:西田広報
撮影:西田広報

—現在ハマっていることは。

 ちょっと前まではオンライン飲みでいろんな職業の方と話すことだったのですが、秋季キャンプから外食の制限が緩和されたので、1人でカウンター飲みに行くことかな。なので、今ハマっていることは1人でワイン…いや、1人で赤ワインにしておいてください(笑)。赤ワインの方がかっこいいですもんね(笑)。

—今後広報としてやってみたいこと。

 インタビューをうまくなりたいと思っています。前もって勉強して、質問も準備していくのですが、いざその場で話すと難しい。加藤和子さんが本当にそのへんうまくて、勉強になります。そういうインタビューができるようになったら、もっと仕事の幅も広がるのかなと思いますね。

もっと知りたい! 西田広報プロフィル

本人直筆

身長/体重:180センチ/80キロ(現役時代から5キロ落としました!)
血液型:O型
選手からの呼び名: てつ、てつさん、てっちゃん。呼び方はあまり変わっていないかなと思います。
趣味:難しいですね…お酒好きなのですが、趣味というと…。ドライブとかは、おしり痛くなるので好きじゃないし、買い物もまったくしなくなったし。趣味はサウナかな。爽快感があります。
嫌いな食べ物:ジンギスカン。においに結構敏感で、生き物の「もん…」としたにおいがダメ。納豆とかは大丈夫なんですよ!
好きな食べ物:矛盾がちょっと生じるんですけど魚と肉です(笑)。

あわせて読みたい
「来季こそ必ず」ホークス・甲斐拓也選手インタビュー 今季全143試合出場を果たし、東京五輪でも“胴上げ捕手”として日本の金メダル獲得に大きく貢献した甲斐拓也選手。シーズンを振り返っての感想や投手陣との接し方、洋服へのこだわりなど、リモートで取材しました。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

目次
閉じる