9歳の息子が流れ星に向かって唱えた、高尚な願い事にほっこり

 数年前の出来事です。新型コロナウイルスの影響で、小学校の夏休みはたったの2週間余り。9歳の息子と7歳の娘のために何か一つでも思い出を作ってあげたいと、3密を避けたプランを計画して、家族で1泊2日のプチ旅行をしました。

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夏休みの思い出作りに、コロナ疲れも吹っ飛ぶ川遊び

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 新型コロナウイルスによる自粛で、子どもたちは、せっかくの夏休みも家で過ごすことがほとんど。ゲームをしたり、テレビを見たりして1日が過ぎていきます。

 気が付けば、夏休みも残り1週間。宿題のドリルや自由研究などは順調に進めているものの、「夏休みの思い出(絵日記)」は空白のままでした。 「今年の夏休み、何一つ楽しい思い出がないのも寂しいわ」と思った私は、夫に相談。できるだけ人との接触がないようにプランを練り上げ、県内の有名な川遊びスポットの近くにあるコテージに1泊することにしました。

 コテージは、自宅から車で2時間の山の中にあり、標高は500mほど。到着すると、澄んだ空気を一気に吸い込み、一面の緑を眺めました。それだけでも心身ともに癒やされます。

 川遊びスポットへ行ってみると、遊んでいたのは2家族くらいでした。これなら、しっかり距離を取れます。川の流れは緩やかで水深も浅いため、安全に遊べそうです。子どもたちは
 「わあ! 水がきれい!」と歓声を上げ、すぐに水着に着替えました。

 川に入ると
 「冷たくて気持ちいい!」と、楽しそうな声が響き渡ります。この日のために購入したゴムボートを浮かべると
 「キャー! 楽しいー!」と、さらにハイテンションに! そんな姿に、私も夫も笑顔が止まりません。  心底楽しそうに遊ぶ子どもたちを見たのは、何カ月振りでしょうか。何かと自粛が叫ばれる中、思い切って遊びに来て良かったと思いました。

ペルセウス座流星群に願ったことは…

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 午後9時頃になると、辺りは真っ暗。同じくこの日のために購入していた天体望遠鏡で、天体観測を始めました。ちょうど「ペルセウス座流星群」の活動がピークを迎えると予想された日だったので、息子は期待に胸を膨らませながら、天体望遠鏡をのぞいて星が流れるのを待っていました。

 しばらくして、息子が
 「わっ! 星が流れた!」と言ったので、私は空を見上げました。すると、流れ落ちる星が肉眼でもハッキリ見え、私も年がいもなく興奮してしまいました。

 そして、子ども2人がこんなことを言ったのです。
 「流れ星って、願い事がかなうんだよね?」
 「そうだよ、みんなで願い事をしよう!」 2人は手を合わせて目をつむり、願い事を唱え始めました。娘は
 「ピアノが上手になりますように!」と大きな声で言っています。

 息子は、何やらボソボソ…。よく耳を傾けてみると
 「コロナ禍が早く終わって、いつも通りの生活ができますように」。願っていたのは、新型コロナウイルスの終息でした。

 それは今、全世界が一番願っていることでしょう。世界規模で高尚な内容に、思わず夫婦で拍手。「きっとお星さまが、かなえてくれるよ」と、息子の頭を優しくなでました。

(ファンファン福岡公式ライター/伊藤優香)

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