年に1度のクリスマス。子ども達にとっては、サンタさんが素敵なプレゼントを届けてくれる、待ちに待った特別な日です。クリスマスの日が近づくにつれ、子ども達の期待感、ドキドキ感もアップしてきます。そして12月24日のクリスマスイブの夜。ドキドキして全く寝れない子どもを前に、親はどうする?!
待ちに待った12月24日 クリスマスイブの夜
私の姉には2人の息子がおり、長男のSくんが小学4年生の時のクリスマスの話です。
小学4、5年生頃になると、「サンタさんって本当にいるのかな?」「どうやっておうちに入って来れるんだろう?」とサンタさんに対して疑問を抱き始めることがあります。
しかしS君は全く疑問を抱くことなく、サンタさんはいると完全に信じていました。プレゼントを楽しみに「今年もお願いしたプレゼントが届くかな♪」とワクワクして、クリスマスをひたすら楽しみにしていました。
そしてクリスマスイブの夜。子ども達はクリスマスパーティーを楽しんだ後、ベットに入りました。姉夫婦も子ども部屋の電気を消し
「早く寝ないと、サンタさんが来ないよ~」と声を掛け、1階のリビングに下りました。
S君、寝れずに階段を下りてきた!
姉が「子ども達はもう寝たかな~」と思っていた23時過ぎ、S君が2階の子ども部屋から下りてきました。
「ねえねえ、僕サンタさんに手紙を書いたんだけど、お返事くれるよね?」とS君は不安そうに尋ねました。
姉は
「大丈夫、きっとお返事くれるよ。そんなことより、早く寝ないとサンタさん来ないよ」と、微笑んで声を掛けました。S君は安心した様子で、階段を上っていきました。
その後、「さすがにS君はもう寝た頃だろう」と姉が思った深夜0時前。またS君が階段を下りてきました!
「サンタさん、日本語わかるのかな? お返事は英語だよね、きっと!」S君は全く眠気を感じさせない顔で質問します。
さすがに姉もイラつき始めました。
「うんうん、英語で返事がくると思うよ。そんなことより、早く寝ないと本当にサンタさん来てくれないよ!」と姉の声も大きくなります。それもそのはず、サンタさんは英語でお返事を書かなければならないのですから! S君は慌てて階段を駆け上り、部屋に戻りました。
もう限界! S君を寝かすためにとった方法は…
時計も深夜1時を過ぎました。姉も「さあ、そろそろ…」と思ったその時、再びS君が今にも泣きそうな顔で階段を駆け下りてきたのです!
「お母さん、もうドキドキして全然寝れないよう~!!」
困った姉は「もう、こうなったら!」と、キッチンに向かい、砂糖でコーティングされた白いラムネと、コップ1杯の水を手に取り、S君に言いました。
「これはね… 睡眠薬っていって、眠れない時に飲むお薬なの。これを飲んだら絶対寝れるから!」
S君は
「うん」と言って、ごくっと睡眠薬(ラムネですが…)を飲み込み、ほっとした表情でゆっくり階段を上がっていきました。
25日クリスマスの朝、S君が起きると、枕元にはサンタさんにお願いしたブロックのおもちゃが届いていました! 置いていた靴下の中には、サンタさんから見事な筆記体で書かれた英語のお手紙も入っていたそうです。S君は大興奮! 大喜びしました。
その朝、姉の旦那さんはというと、寝不足でご出勤されたとか…。姉にとって、この年のクリスマスは大変でしたが、面白い、良い思い出となっているそうです。
(ファンファン福岡公式ライター / やすさき きょうこ)