2022年のiDeCo法改正とは? 注目すべき3つの変更点を解説

 2022年の法改正でiDeCoの加入対象が拡大されます。具体的には、加入可能年齢の引き上げ、企業型確定拠出年金との併用条件の緩和等が実施されます。今回はiDeCoの基礎を振り返りつつ、法改正のポイントをファイナンシャルプランナーの川畑が解説します。

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iDeCoとは個人で作る年金! 少額から始められる長期投資

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 iDeCoとは、自分で決めた額の掛金を長期運用し、老後の資産を形成する制度です。掛金は月々5,000円から拠出が可能。公的年金にプラスして個人で準備できる年金です。

 iDeCoの特徴は、税制上の優遇があること。掛金は全額が所得控除の対象で、運用益は全額非課税です。運用した資産は、一括で受け取る場合は退職所得控除、年金方式で受け取る場合は公的年金等控除の対象となります。

 iDeCoの加入者は、2021年10月の時点で約220万人を突破しています。(※”iDeCo 公式サイト https://www.ideco-koushiki.jp/library/status/ ”参照)

2022年のiDeCo法改正で注目すべき3つの変更点

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 iDeCoの法改正は、高齢期の経済基盤をより安定するために行われます。2022年の法改正で特に注目したい3つの改正点は次の通りです。

1. 受給開始年齢の選択肢拡大
2. 企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)とiDeCoの加入対象年齢の拡大
3. 企業型DCとiDeCoの併用条件緩和  iDeCoの加入対象者が拡大され、これまで加入できなかった人も場合によっては加入可能となるケースがあります。

受給開始の上限年齢が70歳から75歳に(2022年4月1日~)

 現状、iDeCoで積み立てた資産は、60歳から70歳になるまでの間に受給する仕組みになっています。

 その上限が75歳までに引き上げられ、受給を開始する時期の選択肢が広げられることになりました。iDeCoの加入可能年齢も引き上げられることに伴い、より長期の運用が可能になります。

 ただし、長期的な運用はその分多くの手数料がかかることになります。また、公的年金のように受給開始の時期を遅らせた分だけ受給額が増加することもありません。

 適切な受給開始の時期は、個人の経済状況や今までの運用成果によって判断する必要があります。

加入対象年齢が60歳未満から65歳未満に(2022年5月1日~)

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 iDeCoの加入対象年齢が60歳未満から65歳未満までに引き上げられます。60歳以上であっても、国民年金の被保険者であれば加入可能となります。

 例えば、60歳を迎えても会社勤めしている人や、国民年金の任意加入被保険者となっている人が対象です。

 ただし、公的年金を65歳前から繰り上げ受給している人は対象外です。

企業型DCとiDeCoの併用条件が緩和(2022年10月1日~)

 企業型DCとは、簡単に言えば企業版iDeCoです。iDeCoの場合、掛金は個人で拠出しなければいけません。それが、企業型DCになると会社が掛金を拠出してくれます。

 一方、運用面ではどの商品に投資するのか、iDeCoと同じく自分で決めることができます。この運用成績によって、将来受け取る退職金や年金の金額が変わります。

 現状、企業型DCとiDeCoの併用には、iDeCoの加入を許可する規約を企業が定め、事業主掛金の上限を引き下げることが条件です。しかし、法改正でこれらが不要になります。事業主掛金を控除した残りの掛金の範囲内に収まれば、iDeCoにも加入できます。

 具体的には、以下の3つの条件を全て満たす必要があります。
1. 企業型DCの掛金が5万5,000円以内である
2. iDeCoの掛金が2万円以内である
3. 1.と2.を満たした上で、両者の合計金額が5万5,000円以内である

 企業型DCとiDeCoにはそれぞれ掛金の限度額がありますが、その範囲内に収まっていることに加えて、合計額が5万5,000円以内になることが条件となります。
 注意点として、企業型DCに加入している場合は、マッチング拠出とiDeCoのどちらか一方しか選べません。

2022年のiDeCo法改正で対象者は広がるが適用範囲には注意

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 2022年のiDeCo法改正によって、今まで加入できなかった人も検討する余地ができます。法改正によって、老後の生活を安定させるための選択肢が広がるのは喜ばしいことです。

 一方で、法改正が適用されないケースがある点には注意が必要です。先ほど紹介した掛金の範囲をオーバーしてしまう場合や、事業主掛金が各月拠出になっていない場合はiDeCoとの併用はできません。

企業型DCとiDeCoを併用したい場合は、掛金がどういう設定になっているのか勤務先にも確認しておく必要があります。法改正の内容に注意しつつ、iDeCoがより便利で老後の資産形成がしやすくなることを期待したいですね。

(ファンファン福岡公式ライター/川畑彩花)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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