睡眠第一だった私の元に生まれたのは、眠るのが苦手な赤ちゃんでした。寝付きが悪く、一旦寝ても夜中に何度も目を覚ましギャン泣きする日々。睡眠不足のため心身ともにとうとう限界を感じ、すがる気持ちで相談してみた結果…
眠るのが苦手?
産院ではじめての母子同室の夜。赤ちゃんがミルクを飲ませても、抱っこしても泣きやみません。
「どうしよう…」困り果てていると、助産師さんが来てくれました。
「あら、眠れないかな? ちょっと預かるね」助産師さんは若干ドヤ顔で赤ちゃんを連れて行きました。
ありがたく思いながら、ウトウトしていたところ、また助産師さんが…
「無理! 寝なかったわ!」と助産師さんはまだ泣いている赤ちゃんを差し出し苦笑い。「プロでも無理なの?」と唖然としてしまいました。
この子はなかなか寝ないのだと覚悟した私。しかし眠れない日々は想像以上に長く続きます。
生後3カ月を過ぎても1・2時間おきに泣き、その度に子守歌を口ずさみ、1時間以上抱っこでゆらゆら寝かしつける日々でした。
パジャマ姿のまま夜中の散歩に
生後半年になると、余計に夜泣きがひどくなるように… 夜中に突然、怖いものでも見たかのように顔を真っ赤にして泣くようになったのです。
私も限界で夫に代わってもらうと、赤ちゃんは逆に嬉しそうに声をあげ笑い寝るどころではなくなり…。夫も
「こんなに寝なくて、この子は眠くないのかな?」と寝不足顔で苦笑いしていました。
そんな中、夫が出張に。泣く赤ちゃんと夜中家にいると追い詰められ…。「このままじゃ、おかしくなる!」抱っこ紐をパジャマの上に装着し外へ飛び出しました。駅前まで歩くと、赤ちゃんはやっと気持ちよさそうにウトウト。街は照明で明るく、私の気もちも少しマシに。
そこへ居酒屋から出て来た人が「ん!?」驚いた顔で二度見してきて「そういえばパジャマのままだった…!」とそそくさ家に戻りました。
地雷のひとこと
”夜泣き程度で参っているなんて、弱い母親”と考え誰にも相談できませんでしたが、睡眠不足がたたり、
「顔色悪いよ?」とどこへ行っても心配されるように。このままではまずいと思い切って、保健センターへ電話しました。少し緊張しながらも
「夜泣きの解決策を知りたい」と伝えました。
電話口の女性は
「あ、私がお話聞きますね!」と明るい一言。子育てに関して詳しい方なのかも分かりませんが、一応、状況を話しました。すると、女性はまず
「うんうん、辛いよねぇ」と共感を示しました。
「共感はいいから、解決策を知りたい…」と思っていると、
「赤ちゃんだし仕方ないかもねぇ、これも今だけよ」の一言。優しい声でしたが、私にはその言葉は地雷でした。赤ちゃんが夜泣きをすることは百も承知。それでも“今”しんどくて、思い切って電話をしたのに…。それを伝える元気もなく
「ですね…」と静かに電話を切りました。
本当に必要なのは?
その後、睡眠の専門家を探しアドバイスを受けました。生活リズムや遮光、食事などに気を付け赤ちゃんは徐々に寝つきがよくなり、長く寝るように。本当に救われた気持ちでした。
辛い日々に欲しかったのは、安易な共感や「今だけよ」という励ましの言葉ではなく具体的なアドバイス。
今まさに夜泣きに悩んでいるママ・パパ。無責任な言葉に落ち込むこともあると思います。寝不足だと情報検索さえ大変だと思いますが、どうか赤ちゃんに合う具体的なアドバイスをくれる人、お世話を数時間でも代われる人を見つけて、少しでも休んでくださいね。
(ファンファン福岡公式ライター/片岡みや)