福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第40回福岡キミスイ本】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。40回目はランプライトブックスホテル福岡(福岡市中央区)の松尾晃子さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の7冊を紹介します。

目次

福岡など九州一帯のよりすぐりの喫茶店60カ所を紹介 

「九州喫茶案内」 小坂章子著

ランプライトブックスホテル福岡の松尾晃子さん

こんにちは! 2021年12月にオープンしたランプライトブックスホテル福岡に来ました。ホテルと書店の組み合わせがユニークです。

 当店は「本の世界を旅するホテル。」をコンセプトに、書店とカフェを併設しています。旅とミステリーのジャンルを中心とした4,000冊を取り扱っています。

カフェ、書店を兼ねるホテル1階。カフェ利用者は本を自由に読むことができる

―今回松尾さんが紹介するのはどんな本ですか。

 2020年12月に書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)から発行された「九州喫茶案内」(1,760円、税込み)です。著者は長崎県出身で福岡県在住のフリーライター小坂章子さん。小坂さんが回った九州一帯のよりすぐりの喫茶店60カ所が紹介されています。

 コーヒー店を営む人の思いやお店を開くことになった経緯など、人にフォーカスした内容です。お店で働く人が魅力的に描かれ、行ってみたいという気持ちになります。

「九州喫茶案内」 小坂章子著

―中でも気になる喫茶店はありますか。

 当ホテルの近所にあり、レトロな看板がすてきな「珈琲花坂(コーヒーはなさか)」(福岡市中央区)が気になっています。もうひとつは、「豆香洞(とうかどう)コーヒー」(福岡県大野城市)です。「コーヒーを愛する人とずっとつながっていたい」と思い、コーヒーを作る側にまわったという店主のエピソードが印象的でした。

本をゆっくり読むために設計された客室。宿泊者は1回2冊まで、何度でも書店の本を持ち込んで楽しめる

―それぞれのお店の物語を知ることができるのですね。

 人によってコーヒーの入れ方、焙煎(ばいせん)の仕方に違いがあって、一杯にみなさんの思いが込められているんだなと感じます。コーヒーの奥深さを知りました。

 インスタグラムにあるような“映える”お店というより、どちらかといえば“昭和レトロ”な喫茶店が紹介されています。コーヒー好きな人はもちろん、コーヒーが苦手な人でも、喫茶店で働く人に会いに行く気持ちで読んでもらえたらと思います。

通常時は書店、カフェともに24時間利用できて便利

―ありがとうございました。心引かれる喫茶店が見つかりそうです! 続いて話題の7冊を紹介します。

 

「はたらく内臓」【中央公論新社】

坂井建雄監修/1,650円(税込み)

中央公論新社

 「内臓は必ず壊れる運命にある。しかし、長持ちさせることはできる!」と本書。「はたらく内臓」の機能や、病気との関連性、不調のメカニズム、健康診断の疑問などを徹底解説。いまから始める、健康寿命を上手に延ばすためのイラスト図鑑。

「落花流水」【小学館】

鈴木るりか著/1,540円(税込み)

小学館

 中学2年生の作家デビュー以降、毎年1冊ペースで小説を上梓(じょうし)してきた著者が、現役受験生作家として放つ渾身(こんしん)の一作。ある朝、主人公・水咲が憧れる生物教師が手錠をかけられ警察に連行され、やがて水咲も別の事件に巻き込まれます。受験生のリアルな生き様、友情、初恋、絆。笑って泣ける、著者初の長編書き下ろし小説。

「僕のいたわり飯」【光文社】

麻生要一郎著/1,870円(税込み)

光文社

 家庭的な味わいのケータリング弁当を一度食べるととりこになると、著名人のファンが多い著者の最新刊。「おかめそば」や「余ったごはんでドリア」など1人でもおいしく食べられる料理や、もてなし用の一品など滋味あふれる51品を紹介。フードディレクターの野村友里さんや、人気漫画家よしながふみさんとの対談も収録。

「5つの物語で知る買い手の心理 圧倒的サイト戦略」【青春出版社】

大浦早紀子著/1,683円(税込み)

青春出版社

 「サイトを持つ・作る人に一度は読んでほしい本」。身近なようでいて難しく、悩みが尽きないネット集客・販売。本書は、お客さま視点で常に「伝わる」こと、「伝える」ことを大切にしている著者が、“姉が妹にサイトマーケティングを教える”という物語形式でサイト作りの普遍的法則を解説する意欲作。サイト作り・集客に悩むすべての人に贈ります。

「オートミール米化がっつりヘルシーレシピ」【学研】

これぞう著/1,430円(税込み)

学研

 著者は2年間で40㌔の減量に成功! 食物繊維が豊富で腸にも良く、血糖値も上がりにくいオートミールを米化、“がっつり食べても健康的にやせる”魅惑の料理を考案し大ヒットした「オートミール米化」シリーズ最新刊。定番のチャーハンやおにぎりからデザートまで、ラクうま、かつ食べ応えがあってへルシーな料理を紹介。

「本屋の堀ちゃん」【双葉社】

佐久間薫著/(税込み)

双葉社

 マイペースな堀ちゃんが、街の本屋でバイトを始めた。そこで見つけた、仕事の楽しみ―。日々入れ替わる本や変な同僚、個性派のお客さんたちとのお店をめぐるおかしな物語。現役書店員が描く「本屋あるある」マンガ「カバーいらないですよね」を改題したオール新作、ついに刊行!

「農家が教える 自然農法」【農文協】

農文協編/1,870円(税込み)

農文協

 肥料をやめたら? 農薬をやめたら? 耕すのをやめたら? 草を残し生かしたら? タネを買うのをやめたら? 5つの角度から迫る極意と実際。導入の勘どころや継続させるコツ、科学的な視点も含め丸ごと解説。肥料、植物ホルモンと病虫害の関係を知る木村秋則さんの自然栽培リンゴはなぜ病虫害を受けないか他を収録。

 いかがでしたか。春が近づく時季、いい本と出合えるといいですね。次回もお楽しみに。

あわせて読みたい
福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第39回福岡キミスイ本】  福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。39回目は金文堂大橋駅店(福岡市南区)店長の脇坂健一郎さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の7冊を紹介します。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次