チョビがやって来て2か月【サ日記】

 寒さに負けてる猫のサニです。

 暑い夏もいやだが、寒いのも苦手だ。どうしても活動が鈍くなる。寝てばかりいる。ま、元々寝てばかりだが。

 そんなおれ様の安眠を妨げる新参者、チョビがこの家にやってきてほぼ2か月が過ぎた。野良子猫だったあいつがどうなっているか近況をお伝えしよう。

 警戒心が強く別の部屋にこもってばかりだったチョビも最近は今の心地よさを知り味をしめたのか、ちょいちょいやって来て長々居ることも多くなってきた。

 おれの寝ぐらにわがもの顔で寝そべっている。

 なんか文句ありますか、てな顔で見ておる。

 こうやってくつろいだ様子だとずいぶん慣れてるように見えるが、飼い主には指一本ふれさせんぞ、という気概でまだ過ごしている。飼い猫にはまだほど遠い。

 おい狭いぞ。おれの寝てるとこには来んでいいっつうの。

 どこにいても俺を追っかけてやって来る。人間には慣れんでもおれにはこの家に入る前から相当なついてる。てかおれに弟子入りするためにここに来たようだ。「やさしいおじいちゃん」とでも思ってるようだが、おれは他猫には厳しいぞ。というよりわが道を行くタイプなので、まわりに興味がない。この表情でわかるだろう。

 やっぱ、ひとりで寝るよりラクはなかりけりじゃ。

 と思ってたら、ちゃっかり横で寝ていた。

 チョビも黙って寝てる分にはいいが、遊んでほしいのかうらみがましい目でこっちを見てたりする。

 少々のことでは目を覚まさないのがおれだ。いたずらしてもムダだ。

 「おじいちゃん肩でももんであげましょう」ってとこか。猫は肩などこらんが。

 ふう。若僧とうかちびっ子の相手は疲れる。

 チョビはエネルギーが余っているので、家の中だけでは満足できんようだ。

 どっから抜け出すのか3回ほど屋根に登って、さらに飛び降りて庭を駆け回っていた。

 外に出たいのはおれだっておんなじだが、家人や読者の方は「外は危険」と外出禁止だという。時々するっと抜けだして鼻を明かすのがストレス解消になっているが。

 警戒心の強いチョビを家に連れ戻すのに飼い主も一苦労。出たいやつはそのままにしとけばいいとおれは思うが。

 一度チョビと同時に脱走したときにやつを追い回したら、するすると木のてっぺんまで登っていった。すばしこい。

 おれにはもうちょっと出来ん芸当。無理すればやれんこともないが、疲れるばかりだ。

 チョビさんや、上がって来んでいいぞ。静かに眠らせておくれ。

 きょうはおしまい。バイバイにゃ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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