ある日、保育園に長男をお迎えに行くと、園でも有名な “困ったちゃん” 親子と遭遇。散々つきまとわれたあげく、夜7時半に、これからわが家で遊びたいと駄々をこねはじめ…。非常識親子から逃げ切ることはできるのでしょうか!?
“困ったちゃん” 親子からロックオンされた!
長男が幼い頃、私はフルタイムで働いていたため、自宅近くの保育園に長男を預け、夜7時にお迎えに行くのが日課でした。
その日は少し早く着いて、1つ年下のY君親子と一緒になりました。わがままなY君と、常識が通じないY君ママは、保育園で誰もが知る “困ったちゃん” 親子。パパはいつも帰りが遅く土日も不在がちとかで、週末1人でY君の面倒をみるママは時間を持て余し、一緒に過ごしてくれる親子を探しては猛アタックしてくるのでした。
とはいえ、夕方の保育園は家路を急ぐ親子ばかり。共働き家庭にとっては、週末も家族で過ごす貴重な時間です。保育園ママたちは、Y君親子と少し距離を置いていました。
ところがこの日、私はついに標的となってしまったのです!
ついてくる、ついてくる!
私とY君ママは面識もなかったのに、お調子者で年下から慕われていた長男Aの母親だと知ると、急に馴れ馴れしく話しかけてきました。嫌な予感がしたので慌てて先に園を出ると、Y君ママが
「待って~、A君ママ~!」と猛ダッシュで追いかけてくるではありませんか。
これは面倒だぞ…。
私は通りがかった焼き芋屋さんに向かい
「お芋買うから、またね~」と手を振りました。ところが、Y君ママは
「えっ? Yも食べたいよねっ!」とY君の腕を引っ張ってくると
「こんなに高いの?」と文句をつけながら、渋々1本だけ購入…。
もう無理!
そう思った私は
「スーパーに寄るから、またね!」と再び引き離しますが
「私も行く~!」と買い物もしないのに諦めずついてくるY君ママ。
その執念深さに観念し、仕方なく一緒に帰ることにしました。Y君の家は、わが家の100mほど先。家まで我慢すれば大丈夫なはずでした。
夜7時半の攻防戦
Y君ママの一方的なおしゃべりに辟易しながら、やっと自宅前に。するとY君が
「A君ちでもっと遊びたい!」と言い出しました。
えっ!? と驚く私。時間はすでに7時半。
「もう遅いよ。また保育園でね」と言っても
「A君ちに行く!」と諦めません。
どうにかして! とY君ママを見ると…
「私は大丈夫」とニコニコしているではありませんか!
嘘でしょ!? ココ叱るところだよね?
私は彼女の非常識さにドン引きしながら
「もうパパが帰ってくるから、夕飯作らないと」と説得します。すると今度は
「ママはいいけど、A君ママがダメなんだって」と私のせいにする始末…。私はめまいがしてきました。
とにかく今日は諦めさせないと! と思い
「また今度、お休みの日にでも…」と言ったその時です。Y君ママは目を輝かせて
「本当ですか!? じゃあ今週末?」と食いついてくるではありませんか! その獲物を捕らえたような目つきに恐れおののきながら必死で
「今週は予定が…」と断りました。
「また今度」を取り付け満足したY君ママは、ようやくY君の手を引いて帰っていったのでした。
もしかしたら、これはY君親子の罠だったのかもしれません。それからというもの、私はお迎え時間に細心の注意を払い、Y君親子を敬遠。1カ月もすると、ターゲットは他の親子に移っていました。
子どもを通じたお付き合い、ストレスをためないためには、程よい距離感が必要だと感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / 繭子)