夫と結婚したのが31歳のとき。いつかは子どもが欲しいねと話していましたが、結婚直後はお互いの仕事やプライベートの関係で妊活をしないまま。結婚して2年がたち、生活も落ち着いていよいよ妊活のタイミングがきました。妊活を決めてから、すぐに不妊治療クリニックに予約をとることに…。
不妊治療は忍耐の連続!
不妊治療を始めた当時は34歳、あと1年で高齢出産の枠に入るので少し焦っていました。
特に「不妊」というワードに敏感ではなかったので、かなり気楽に通院生活をはじめました。
ネットで口コミをみながら探した不妊治療クリニックは大当たり! 通いやすく気持ちの良い先生に出会えて、早く妊娠しないかなとウキウキしながら通院をはじめました。
それでも不妊治療は辛く長い道のり。病院は朝早くからやっているので仕事前に行けたのは良かったですが、通勤は遠回りで電車の乗り換えも増えました。1カ月に数回、しかも不定期な出勤で気力も体力も削られていきました。さらに、排卵誘発剤の注射はすごく痛いし、いつ妊娠するかわからないから先の予定も立てられない。
何より、妊娠挑戦のあとに生理がきたときのガッカリ感。生理よ、来るな〜と毎日祈って、生理予定日を過ぎても生理がこなくて今度こそ妊娠!? と期待したら翌日にくる… なんてことも。
不妊治療はタイミング法から始まり、その後は人工授精。人工授精が5回失敗したところで、体外受精の検討へ。その時、初めて受診してから3年がたっていました。
夫に言われたのは…
前向きに不妊治療はしていたけれど、私の気持ちもどんどん不安定になって、夫に強い口調で接してしまうことも。ある日、意を決して夫に
「一度治療をストップしたい」と伝えました。夫も、私の不安定な様子をみて
「君にばかり負担をかけてごめんね。二人でも楽しいんだし、気負わずいこうよ」といってくれたことは今でも忘れません。
治療の中断を決意したあと、不妊治療を始めてから実は初めて何のタイミングも意識せずに性交渉をもちました。いつもはきっちりタイミングを図って先生に指示された日に行っていたので、なんだか気恥ずかしい不思議な感じだったのを覚えています。振り返ると、このときに妊娠していたのです!
治療をやめて1カ月も立たない頃、たまたま夫と食事をしていたらなんとなく胸がムカムカして…。いつもとは違うなとは思いましたが、夫には特に何も言わないまま。仕事に行く夫と別れた帰り道に、まさかねえと半分冗談な気持ちで、その足で薬局に行き妊娠検査薬を買って検査しました。
まさかの妊娠!
検査時間の1分も待たずにくっきりと陽性の反応が! トイレの中で何度も深呼吸して、仕事終わりの時間だった夫に電話しました。明るく軽く伝えるつもりが、言葉に詰まってしまって、ようやく出てきた第一声は
「できたよ」の一言。思わず涙声になったことに、自分でも驚きました。夫は最初は意味がわからないようで無言でしたが、ようやく気づいた後も
「え、何で?!」とおかしな返答。思わず笑ってしまいました。
その日のうちに病院に行きエコー検査を受けると、はっきりと受精卵が着床している姿が。そして妊娠の確定診断をもらいました。
振り返ると3年間は長く辛いこともありましたが、すべて忘れてしまうほど嬉しい妊娠。
「結局お役に立てなくてごめんね、本当におめでとう」と最後の診断で声をかけてくれた先生。不妊治療で生理周期が安定したからなのか、何が良かったのかはわかりませんが、諦めない大切さを感じました!
(ファンファン福岡公式ライター/落合歩)