犬の管理栄養士の村田幸音です。誰でも簡単にはじめられる犬の手作りごはんの基本をご紹介します。愛犬に「手作りごはんをつくってあげたい」と考えている飼い主さんは多いと思います。でも「カロリー計算が大変そう」「栄養バランスが心配」といった不安もありますよね。犬の手作りごはんは、基本さえ押さえればとてもカンタン。愛犬が喜ぶ顔を思い浮かべながら、気軽にはじめてみましょう!
犬の手作りごはんの基本
基本の構成
主食(ごはんやうどんの炭水化物)+タンパク源・脂質源(肉や魚など)+ビタミン・ミネラル源(野菜など) です。
基本の比率
60%(肉や魚)30%(野菜など)10%(炭水化物)の比率で調理します。厳密に計らなくても大丈夫です!
基本の調理方法
煮る・焼く・蒸すなど加熱します。
生肉を使うレシピもありますが、犬ごはん初心者は加熱調理を基本にすると安心です。
味付けはなしでOK
犬の手作りごはんに、人間の食事のような味付けは不要です。愛犬には素材そのものの味を楽しんでもらいましょう。
ちゃちゃっとおじやの作り方
【材料】
・ごはん
・鶏ムネ肉
・キャベツ
・にんじん
・いんげん
【作り方】
(1)鶏ムネ肉は一口大に、野菜は細かくカットします。
にんじんは皮をむかなくてもOKです。鶏の皮はつけたままでもいいですが、カロリーが気になる犬の場合は取りのぞいてあげましょう。
(2) 鍋に用意した材料をすべて入れ、材料がかぶる程度の水を注いで火にかけます。
(3) 15分程度煮込めば完成です!犬は熱いものを食べるのが苦手なので、よく冷ましてからあげてくださいね。
犬は食材を丸のみして食べるのですが、野菜の消化は得意ではありません。はじめて手作りごはんを食べる場合は、野菜はできるだけ細かくカットしましょう。フードプロセッサーを使うと楽です。
鶏ムネ肉は、繊維に沿ってカットすると噛みごたえがでるので、愛犬の満足感が高まります。シニア犬など柔らかくしてあげたい時は、繊維に逆らってカットするとよいでしょう。
ちゃちゃっとおじやの応用は自由
手作りごはんの基本さえおさえておけば、ベースのおじやをアレンジするだけで愛犬ごはんのメニューは無限大に広がります。たとえば、トマトの水煮の缶詰をつかってリゾットにすることもできます。
また、ごはんをパスタやうどんに変えてもいいでしょう。野菜や肉も、その日に冷蔵庫にあるものでOKです。
犬が食べてはいけないNG食材
自由度が高い犬の手作りごはんですが、ひとつだけ絶対に注意しなければいけないことがあります。それは人間には問題のない食材でも、犬にとっては有害なものがあるということ。手作りごはんをつくる時には、犬にとって危険なNG食材をしっかり把握しておきましょう。
ネギ類
玉ねぎや長ネギのほか、ニラなどもネギ類なので注意してください。ネギの成分は加熱しても壊れず煮汁に溶け出すため、ネギを入れ煮出したものはネギそのものを取り出してもNGです。
加工食品
ハムやソーセージなどの加工品は塩分が強く、添加物も多く使われています。
貝類
犬のおやつに入っていることもある貝類ですが、毒性のあるものも多くあるため、手作りごはん初心者は避けた方がよい食材です。
ぶどう
急性腎不全を引き起こす危険性があります。生のぶどうだけでなく、干しぶどうもNGです。
アボカド
アボカドについては意見がわかれていますが、与えない方が安心です。
チョコレート
チョコレート中毒は命にかかわります。ココアもNGです。
キシリトール
低血糖、肝不全を引き起こす可能性があります。
カフェイン・アルコール
中毒症状で命にかかわることがあります。
気軽に愛犬の手作りごはんを楽しみましょう
愛犬用に別のメニューを用意しなくても、人間用の献立を途中で取り分けてアレンジするのも手軽でオススメです。
わが家がよく作るのは、人間用のみそ汁やシチューなどを作る時に、味付け前に取り分ける方法(シチューの時は玉ねぎを入れる前に!)。
美味しそうに同じメニューを食べている姿を見ると「あぁ、家族なんだなぁ」としみじみします。
愛犬の手作りごはん、ぜひ気軽に挑戦してくださいね!
(ファンファン福岡公式ライター/村田幸音)