次男が通っていた幼稚園の卒園式。転勤族ということもあり、私は幼稚園のママ達とはあまり関わりがないまま迎えた卒園式でした。そこでたまたま隣の席になった初対面のママさん。どうやら慌てた様子…。卒園式での、思わぬ出来事です。
卒園式で隣の席になったのは
コロナ禍で迎えた卒園式。転勤族だったので、次男がその幼稚園に通ったのはわずか1年。しかもコロナ禍で、大きな行事もなく、私は幼稚園のママ達とは、送り迎えの時に顔見知りの人と会釈するくらいの関係でした。
卒園式の会場で隣の席になったママさんも息子と同じクラスではありましたが、はじめましての人。小さい赤ちゃんを抱っこしていて、たくさんの荷物を抱えていていました。「赤ちゃんがいると荷物も多くなるし、大変だよなぁ」と思いながら会釈をし、席につきました。
卒園式が始まると、隣のママさんがバックの中をあさって必死に何かを探しているようでした。赤ちゃんを抱っこしていたこともあり、大変そうに感じたので
「何かお手伝いしましょうか?」と声を掛けました。
すると申し訳なさそうに
「カメラを忘れてきてしまったようで… うちの子を撮ってもらえませんか?」と言われました!
一瞬、訳が分からなくなり固まりましたが
「あっ、次がうちの子です」と焦った様子のママさん。もういろいろと考えている時間はありませんでした。
「わかりました。任せてください!」気が付くと私は、卒園証書をもらうその子に向けて必死にシャッターをきっていました。
今、落ち着いて考えれば卒園式は写真屋さんも同席していて、写真販売もあるはず…。
でも、その時はそんなことは全く考えられませんでした。 子ども達にとっては人生で初めての節目になる、幼稚園生活最後の日。そんな日をしっかりと思い出に残してあげたいと思う気持ちはどの親も同じです。
写真を撮り終わった後、何度も
「ありがとうございます」と安心した様子でお礼を言うママさんを見て、わたしも心からホッとしたのを今でも覚えています。
写真を渡しに公園へ
後日写真を渡さなくてはならなかったので、卒園式の日は連絡先を交換して別れました。数日後、子ども達を遊ばせながら、公園で直接会って写真を渡すことになりました。
「本当にあの時はありがとうございます!」とお礼の品を持ってきてくれたママさん。
「落ち着いて考えたら、写真販売の業者の方もいたし、携帯もあったし…」確かに!
「でも、私もその時は必死で撮っていました」とその時の私たちの様子を振り返って2人で大笑いしました。
子ども同士も幼稚園で仲がよかったことが分かり、私たちの会話は弾みます。気が付けば公園で2時間半ほどおしゃべりをしていました。
出会いを大切に
お互いの子どもが通う小学校は違ったのですが、卒園式の出来事がきっかけで、そのママさんとは今でも時々連絡を取りあっています。
まだまだコロナ禍という事もあり、頻繁には会えませんが、予定を合わせて子ども達も一緒に公園で集合して遊んだりしている仲です。
まさか、偶然の出来事でこんな素敵な出会いが待っていたなんて! ママさんがカメラを忘れてくれてよかった。幼稚園最終日の卒園式で、まさかのママ友ができました。思わぬ出会いってあるのですね。
一期一会。これからもこの出会いを大切にしていきたいです。
(ファンファン福岡公式ライター / はすゆき)