上司のグチを本人に送ってしまった! 恐怖のメール転送事件 身も凍る結末とは?

 元同僚との仕事メール。それは内情を知る者同士の気楽なものでした。上司のグチをこぼしてしまうほどに…。その結果、私は血の気が引くようなとんでもない失敗をしてしまったのです。

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A部長は真面目な人

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 私は、会社で什器管理の担当をしています。ある日、複合機に「部品交換準備」のメッセージが出ましたが、古くて部品がないことが分かりました。そこで複合機を新しくすることをA部長に相談。起案指示をもらいました。

 A部長は50代の男性。常に冷静沈着で“規則が服着て歩いている” と社内で揶揄されるほど真面目な人です。

 相見積りをとった業者の担当者の中には、元同僚もいました。数年前OA機器の会社に転職した彼のことを思い出し、声をかけたのです。彼の提案は的確で、新機能追加の見積りでしたが金額も抑えることが出来ました。
 私自身も金額や新機能の必要性を調べ上げ、結果的に彼の業者で起案することに。起案書も自信が持てる出来ばえとなりました。

A部長への確認と起案

 A部長には事前に何度か相談していましたが
 「判断は任せる。起案直前に説明だけして」と言われていました。
 起案時も
 「5分で済ませて」と言われ、内容を流し見。
 「いいよ」と一言で済んだので、そのまま書類を提出しました。

 ところが1週間たっても音沙汰がありません。いくらなんでも長すぎると、何人かの回議者に聞くと
 「起案自体見てない」という返事!

 A部長に確認すると
 「追加機能の必要性に疑問」と一言。表情を変えずバサリと言い切る様子に、私は気を失いそうになりました…。

 しかし、いつまでも衝撃を受けていられません。時間が経ったため、いつ複合機が止まってもおかしくないからです。A部長は
 「元同僚から直接説明を聞く」と言うので、大至急元同僚を呼びました。説明が終わると、部長は
 「ふーん。わかった」とあっさり了解! 起案はそのまま即日可決したのでした。

気の緩みと送信メール

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 無事に複合機の入れ替えが完了した時は、言葉にならないほど安堵しました。
 その後、元同僚に感謝のメールを送りました。その時、つい「A部長の後出しじゃんけんに、寿命が縮んだ」と追伸を書きました。

 それから数日後、A部長から
 「元同僚のメールアドレスを教えて」と声をかけられました。タイミング悪く出掛ける直前で、私がまごついていると
 「送信済メールを転送すればいい」と言われ、よく内容を見ないまま転送しました。

 ミスに気が付いたのは、帰社する途中。
 ふと「私、何のメールを転送した?」と思った次の瞬間、全身の毛穴が開くような恐怖が襲いました。会社に戻って確認すると、転送したのはあの追伸が書かれたメール!

 その日は生きた心地がしませんでしたが、A部長は何も言わず、3カ月経つ頃には私も忘れていました。

事件は納会の日に起きた!

 毎年、納会の食事はA部長が選んで私が手配します。その年は、寿司を同僚たちと並べていました。そこにA部長が現れ、突然
 「ピザがいいな。寿司やめたいな」と言いました。同僚が笑って
 「今更変えられませんよ!」と言うと、A部長が
 「また後出しじゃんけんって悪口言われちゃうね」と返したのです!

 A部長の口調はおどけながらも、凍った目をした笑顔に、あのメールが私の頭の中で弾けました。血の気が引き動けなくなり、何も知らない同僚との間で続く会話にも立ちすくむしかありませんでした。

 その後、A部長があの件を持ち出すことはありません。すぐ謝りに行けばよかったのかもしれませんが、とにかく私は逃げました。今でも背筋が凍る、私の失敗談です。

(ファンファン福岡公式ライター / aki)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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