犬の管理栄養士・村田幸音です。自分で食事を選べない犬たちが健康で元気に暮らしてゆけるように、犬ごはんのアドバイスや飼い主さんのつくれる簡単なレシピをご紹介しています。市販のおやつもいいけれど、特別な日には栄養たっぷりの手作りおやつを作ってみてはいかがでしょう?
たった3ステップでできるスイートポテトの作り方
手作りおやつのメリットは、新鮮な材料でつくった無添加のおいしいおやつをあげられること。食材を自分で選べば、アレルギーのある愛犬にも安心してあげられます。「でも手作りおやつって難しそう…」という飼い主さんのために、今回はたった3つのステップで作れる「絶品・愛犬のためのスイートポテト」をご紹介します。
今日のレシピは、愛犬が笑顔になること間違いなしの絶品スイーツ。とても簡単なので、はじめて愛犬の手作りおやつに挑戦するという飼い主さんにもオススメです。
【材料】
・さつまいも……小さめサイズ1本
・豆乳(無調整)……大さじ1.5
・卵黄……1個分
【作り方】
(1)加熱したさつまいもをボウルに入れて潰します
加熱方法は、茹でても蒸しても、レンジでチンでもOKです
(2)のこりの材料をすべて入れ、ムラなくなめらかになるまで混ぜ合わせます
(3)成形して、オーブントースターで焼き色がつくまで軽く焼いたらできあがり!
WANポイントアドバイス
・さつまいものアクは食べても犬の体に害はありませんが、気になる人はカットしたさつまいもを15分ほど水にさらせばアクが抜けます。しっかり水分を拭き取ってから調理してくださいね。
・焼く時に、卵黄(分量外)を表面にぬれば、キレイな焼き色がついて、本格的なスイートポテトぽくなります
・大きめのさつまいもを使う場合は、カットして150g程度を目安にしてください
・皮はむいてもむかなくてもOKですが、むいた方が色がキレイに仕上がります
・潰し具合はお好みで! 成型しやすければOKです。荒く潰してゴロゴロ感を楽しんでもよいですし、フードプロセッサーを使えば滑らかな仕上がりになります。
※面倒な時には、冷凍のダイスカットさつまいもを使うとさらに簡単につくれます
アレンジも自由自在
愛犬にあわせてサイズが調整できるのも手作りおやつのメリットです。今回は肉球型と、小型犬用の一口サイズのスイートポテトを作りました。
材料のアレンジも自由自在。たとえば、豆乳をヨーグルトに変えたり、犬用ミルクに変えてもいいですね。
ちなみに、犬は牛乳に含まれる乳糖の分解が苦手です。ごく少量なら問題がない場合がほとんどですが、おなかの弱い子は下痢をすることがあるため、使用しない方がよいでしょう。
さつまいもをかぼちゃに変えてもOKです。水分量が変わるので、混ぜながら調整してくださいね。
材料を混ぜる時に半分にし、片方だけはちみつや砂糖、溶かしバターなどを入れると飼い主さん用のスイートポテトになります。愛犬と一緒に同じメニューを楽しんでくださいね。
さつまいもの栄養効果
自然の甘さが強いさつまいもは、犬も大好きな食材です。栄養価も高く、なんとNASAが準完全栄養食として研究しているほど。
(※サツマイモのバイオテクノロジー:気候変動に直面した世界の食料と栄養の安全確保|https://link.springer.com/article/10.1007/s00299-019-02468-0)
食物繊維
さつまいもに含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維がメイン。便のカサを増やし、腸の運動を活発にしてくれます。便秘気味だったり、腸内環境が不安定な犬にピッタリの食材です。
ビタミン
さつまいもには各種ビタミンとミネラルがたっぷり。
酸化を防いで老化防止効果が期待できるビタミンEや、被毛の健康にかかせないビタミンB、骨や関節の健康に必要なコラーゲン生成に必須のビタミンCも入っています。
犬はビタミンCを体内でつくれますが、年齢を重ねるうちにその機能は低下し、シニア犬はビタミンが不足しがち。おいしい手作りおやつで補えるといいですよね。
通常、ビタミンCは水溶性のため加熱すると壊れてしまいますが、さつまいもの場合は糊化したでんぷんで覆われているため、ビタミンCが壊れにくいのが特徴です。
腎臓や心臓に疾患のある犬は獣医師に確認してから
さつまいもに多く含まれるカリウムは、体内の水分量を調整して尿と共に塩分(ナトリウム)を排出してくれます。しかし、腎臓機能の落ちている犬は、カリウムの排出がスムーズにいかなくなっています。
腎臓や心臓に不安のある犬にさつまいもを与える場合は、事前に獣医師さんへ確認しましょう。
おやつは適正量を守ってあげよう!
さつまいもは栄養価も高いですが、カロリーも高いため、あげすぎには注意しましょう。犬に与えるおやつの量は、1日の総カロリーの10〜20%以内といわれています。
今回のスイートポテトなら、小型犬なら小さなお団子2つ程度、大型犬なら小さめのおにぎり1つ分程度を目安にしてください。
個体差や体重によって適量は変わりますので、便の様子などをみながら愛犬にとっての適量を見つけてあげましょう。
(ファンファン福岡公式ライター/村田幸音)