「あっ! アレ買うの忘れた!」そんな時、旦那さんにおつかいを頼む奥様も多いでしょう。わが家では、忘れ物が多い私に代わり、夫がよくおつかいに行ってくれます。ところがどっこい、私の夫… おつかいレベルが低いのです。今回は、そんな夫のヘンテコおつかい日記をご紹介します。
よりによってなぜこれを?
ある日の夕方。夕飯をつくろうとするも、豆腐だけが足りません。そこで夫に「帰りに豆腐買ってこれる? キムチ鍋するから。木綿でも絹ごしでもいいよ」とLINEを入れました。
「オッケー」と返事がきたので、私は食材を切って待つことに。そして1時間ほどたった頃
「ただいまー」と、スーパーの袋を手にした夫が帰宅しました。
「おかえり〜! 豆腐あった?」と駆け寄ると
「あったよー。しかも見て! 3割引き!」と言って、得意げな顔で渡してきた豆腐を見てびっくり!
そこにあったのは、絹ごしでも木綿でもない… 「ゆし豆腐」だったのです。(ゆし豆腐とは、沖縄の郷土料理で、おぼろ豆腐のようなものです。ふわふわの豆腐とお汁が入った状態で販売されています。それを汁ごとそのまま器に移して、ネギを散らし、スープとして食します。)
少しの沈黙の後
「安いやつ買ってくれてありがとう。でもこれ、ゆし豆腐だけど…」と私が言うと、夫は慌ててパッケージを見直し
「ごめん… 値引きシールしか見ていなかった」とのこと。値引きシールを見て、迷わずその豆腐を選んだ姿が脳裏に浮かび、なんだか可笑しくなってきました。
買い直しに行くという夫でしたが、そのままゆし豆腐を鍋にいれてみることに。すると、ゆし豆腐にほんのりとついた塩気がキムチの辛味とマッチして、ものすごく美味しかったのです。この日のおつかいは「失敗だけど大成功」となりました。
おつかい再挑戦
また、ある日の夕方。スーパーから帰ってきた私は、夕飯のために購入した食材を冷蔵庫に入れていました。そこで、厚揚げ豆腐がないことに気付いたのです。今日のメニューはナス味噌炒め。わが家のナス味噌炒めに、厚揚げ豆腐は絶対に欠かせない、主役なみの脇役です。
またしても夫におつかいを頼むことに。前回のことがあったので、「厚揚げ豆腐ですよ。厚揚げ! 商品名みてね」と念を押してメッセージを送ると「大丈夫! 次は間違えない!」と返事がきたので、安心して待つことに。
それから程なくして夫が帰宅しました。なんの疑いもなく、受け取った袋から商品を取り出してみるも、厚揚げ豆腐がないではありませんか。
「あれ! 厚揚げ豆腐は?」と聞くと
「… あれ? 厚揚げ? これじゃないっけ」と言って夫が手に取ったのは、なんと油揚げ! もはや豆腐でもなく、“揚げ”しか合っていないぺったんこのそれに、私はあいた口が塞がりません。
呆れた私の顔をみて謝る夫。まるで子どもにおつかいを頼んでいる気分です。それでも、仕事終わりに買い物をしてくれたことに変わりはありません。
ため息が出そうなのをこらえて
「ありがとう」と伝え、この日は厚揚げ豆腐なしのナス味噌炒めを食べたのでした。
夫のおつかい修行は続く…
この2つのエピソードは、同棲時代のお話です。夫婦になった今も、夫がよくおつかいに行ってくれます。当時と違うことは、おつかいを頼む時に画像も添えるようになったこと。このおかげで、夫のおつかいは大分マシになりました。
とはいえ、カレールウを頼んだのに、レトルトカレーを買ってくるなどヘンテコなおつかいもしばしば…。夫のおつかい修行は今日も続くのです。
(ファンファン福岡公式ライター/きゆな なみ)