子どもが小学校へ入学すれば、子育ても一段落。「自分の時間が増えて、もっと仕事ができる!」と心待ちにしていませんか? でも実際にその時期が来てみると…。いわゆる「小1の壁」が待ち受けていました。
学童選びに学用品の準備…入学前から大忙し!
わが家は共働き夫婦。息子は0歳から保育園に通っていて、毎日の登園は早く、迎えは延長保育の時間ギリギリまでお世話になっていました。
小学校へ入って学童へ通えば、朝の送迎がなくなるし、今よりも時間に余裕ができるはず! と期待に胸を膨らませていました。 でもそれは簡単なことではなく、わが家も「小1の壁」にぶつかったのです。
働くママにとって小学校の準備は、学童選びからスタートします。
息子が通う小学校には公設の学童がなく、学区内に私立やNPO法人の学童が複数存在しています。希望する学童へ個別に申し込むシステムなので、人気の学童では前年の秋~冬の初めには新1年生の受け付けを締め切ります。
まるで保活のような状態です。 そこで私は8月の後半から、何度も半休を取って学童を見学して回り、やっと入所を決めることができました。「入学準備で忙しいのは今だけ!」と思って頑張っていたのですが、この頃の私は、まだ先があることに気付いていませんでした。
年が明けると、小学校で使う物の準備がスタートします。学用品をそろえ、その全てに息子の名前シールを貼る。この作業がとにかく手間。 休日には学校指定品を探し、夜に名前付け作業。なんと保育園4年間相当数の名前シールを消費しました。 この時期は保育園でも卒業に向けた行事がたくさんあります。卒園式やアルバムの準備も大詰め。仕事も期末に近づきハードになる中、あっという間に卒園の時期になってしまいました。
息子にとっても卒園、小学校入学前と大事な時期だったのに、息子と一緒にゆっくり過ごした記憶がありません。
あとは入学式を迎えるだけ…では終わらなかった
新1年生としての生活は、新年度すぐに始まりました。つまり4月1日、学童への初登所が小学生デビューです。息子は新しい環境に戸惑い、私も慣れない弁当作りに四苦八苦。それでも「小学校への登校が始まれば、時間に余裕が生まれるはず! あとひと踏ん張り!」と必死に気持ちを奮い立たせて頑張っていました。
そして無事に入学式を迎えて小学校への登校が始まり、2週間くらいは落ち着いて生活できていました。あとは、息子が小学校生活に慣れてくれれば…。
しかし、「宿題」という新たな試練に直面したのです。
息子が学童で済ませた宿題を、丸付けするのは親。丸付けがこんなに大変だったとは知りませんでした。丸付けして、間違えた部分を子どもに教えるまでがセットだったんですね。
私の勤務時間は変わらないので、仕事を終えて学童に迎えに行き、帰宅するとすでに午後7時。ここから宿題の丸付けをスタートします。息子は食事も寝る時間も遅くなり、翌朝起きられない。疲れが抜けないためか、学校でも眠たくなってしまうという事態が起きてしまいました。
息子との時間を確保するために、転職を決意
頑張っている息子の話をたくさん聞いてあげたい、バタバタせずにゆっくり向き合いたい! という気持ちはあるのに、時間に余裕がなくて、できない毎日。
このままでは良くないな、という気持ちが日ごとに強くなりました。家族にとって大切なものは何か、改めて考え直し、私は会社を辞める決断をし、フリーランスの仕事を始めることに。収入は不安定ですが、仕事量のコントロールができることを優先した結果でした。
今では早めに学童に迎えに行けるので、落ち着いて息子と向き合う時間ができました。息子の睡眠時間もしっかり確保でき、学校で眠たくなることも減ったようです。
保育園年長の夏から始まった「小1の壁」。私には、以前の仕事との両立は難しく、変化が必要でした。周囲には同じような状況で困っているママも少なくありません。「小1の壁」について、もっと情報や解決策が広がるといいなと思います。 (ファンファン福岡公式ライター/くつな)