全国で最初に桜が開花したので、さくらねこを紹介しよう【サ日記】

 全国一番乗りで、福岡の桜が開花したそうだ。あんまり早いと入学式とか始まる4月まで持たないんじゃないかと心配にはなるが。

 それはそれとして、うちのまわりには「さくらねこ」と呼ばれる猫がけっこういる。去勢とか避妊手術をした猫の耳を少し、桜の花びらの形のように切って、「この猫さんは地域のみなさんで可愛がってあげてね」という目印になるのだ。

 これまでにもこのサ日記に上げてきたが、あらためておさらいでうちのご近所さくらねこの面々を紹介するとしよう。

 まずは、「クロママ」と呼ばれるおかあさん猫だ。

 クロママは最初単独で来ていたが、去年の秋くらいから子猫を二匹引き連れてあらわれるようになった。

 こいつら二匹もさくらねこになったぞ。

 右耳を切ってる方。だいぶ大きくなってきて、クロママと見分けがつきにくい。

 こっちが左耳が桜の方。なんか家に入りたそうな顔してる。

 これは耳を切られる前。どっちがどっちかわからんぞ。

 まるまるしておる。この鉢の水はうまいのか。

 ん、三匹いるが一匹はクロママではなく、おれの天敵のクマじゃないか。

 子猫を引き連れて歩く右の猫もクマではないか。しっぽの様子までよく似ている。クマがこいつらのおとうさんなのか。

 驚いたことに、そのクマまでさくらねこになっていた。うちの飼い主が聞いたところによると、昨年の暮れのことだそうだ。この荒っぽいやつが少しは大人しくなるのだろうか。

 さくらねこになる以前のクマ。猫とは思えん面構えだ。なにしろ顔がでかい。

 最近登場回数少なめだが、この「コゲチャ」も左側が桜耳だ。

 人の家の庭に来てはニャアニャア騒ぐ礼儀知らずが多い中で、このコゲチャは無口だ。あまり大声を出さない。

 いつも静かにたたずんでいる。穏やかな性格が好かれて、あちこちでエサをもらっているのか中々福々しい姿をしている。

 そして、おれの押しかけ弟子のチョビもさくらねこの端くれだ。

 野良だったやつがだいぶ家猫らしくなってきた。家で飼うのであれば桜耳にしなくても良いのだが、病院に連れて行った飼い主が「もしかしたら全然慣れなくて、また外に返すことになるかもしれん」と、耳を桜にしてもらった。

 飼い主のいる部屋でもリラックスして眠るようになった。無防備に肉球も見せておる。

 とはいえ、おれみたいにこんなふうに膝に抱っこされるにはまだ時間がかかりそうだ。

 一方、チョビのおかあさんは今も両耳そのまんまだ。

 陽が当たって気持ちが良いのか、この箱の上に乗る猫続出だ。

 前にいるのはクマだ。チョビのおかあさんは温和な性格なのか、他の猫が来ても争わずに静かに過ごす。

 実は、うちのチョビ以外はだいたい近所の決まった方が善意で手出しで外猫を捕まえて病院に連れて行き、去勢、不妊手術を施しているのだが、このチョビママのことは知らないようだ。

 耳を切る前、うちに来る前のチョビだ。あたたかそうな部屋の中の様子をうらやましく見ていたのだろう。

 最近のチョビは厚かましい。箱はもう1個あるから、そっちに行けばいいのにわざわざ入ってくる。

 「狭いじゃないか!」おれの癇癪が破裂する。

 きょうだいげんかの真似事なのか戦いを仕掛けてくるが、十年早い。

 食欲旺盛でおれのえさまで横取りしようとるするが、ちゅ~るは順番だ。おれが先だぞ。

 なんか食い入るように見ている。

 テレビに映っている猫たちだ。チョビは子どもだから、中に本物の猫がいるものと思ってるようだ。時々台に上がり込んで猫を探したりする。

 ようやく暴れ疲れたか。静かにしてる分にはおれも怒らんからダイジョブだ。

 じゃあ、おれも疲れたから、得意のアンモナイトのポーズで先に眠らせていただくぞ。チョビもじゃませずに早く寝ろよ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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