0.1歩先を常に歩き続け、飲食店の新しいあり方を作ってきた福岡冷泉町の人気店「香家グループ」オーナー森元氏に話を聞いてきた。<PR>

 福岡の冷泉町に「香家」と「そのへん」の2店舗お店を構えている「香家グループ」オーナー森元氏に、時代に合わせて変化をしてきた飲食店経営についてお伺いしました。

目次

佐賀の自然豊かな街で学生時代まで過ごした

 佐賀県鹿島市で生まれ専門学校まで佐賀県に住んでいました。
 高校は親の勧めもあって工業高校に進学しました。その後、佐賀にある調理師専門学校に進んだ後、福岡に出てきて8年間の下積み生活を経て28歳の時に香家一号店を博多駅前にオープンしました。現在は福岡の冷泉町に「香家」と「そのへん」の2店舗を経営しています。

工業高校を卒業後、迷わず料理人の道を目指した

 中学生の時から料理に興味があり、知り合いの飲食店の手伝いなどしていました。そして、高校生になった時には週4、5日は飲食店でアルバイトをするようになり、その時にはすっかり料理の魅力に取り憑かれていました。工業高校に通ってたんですが、卒業後は迷わず調理師専門学校に進学しました。一般的な調理師専門学校は2年間通った後に免許を取得できるんですが、僕が通った学校は1年で免許を取得することができました。それくらい早く現場で働きたかったんです。 ただ、卒業後は今しかできないと思い1年間ふらっと九州1周の旅に出かけてたんですけどね笑

8年間の下積み生活を経て28歳で自分の店を持つ事ができた

 専門学校卒業後、1年間の旅を経て福岡に出てきました。とりあえず色んな飲食店を経験したくてチェーン展開している店で3社ほど働きました。料理が好きで料理人にはなりたかったんですが、特に和食が良いとか洋食が良いとか拘りはなかったので、飲食店経営を間近で見ることができるチェーンを選びました。
 その次に働いた福岡の今泉にあるダイニングバーが独立のきっかけとなりました。そこのオーナーとは働く前から知り合いで、自分がいつか独立したいって事も知っており、その上で誘ってもらいました。そして3年ほど働いた頃に、ふと当時のオーナーから自分の店を出さないか?と話をもらいました。それが独立するきっかけだったんですが、あの時オーナーに独立の話をもらってなかったら、もしかしたら今まだ独立はしてなかったかもしれませんね。

順風満帆とは言えないスタートだったが、何とか軌道に乗ってきた3年目

 最初の1年間は本当に大変でした。今でこそ人気店の代名詞にもなっている炉端焼きスタイルですが、当時ではまだ珍しかったので、最初はなかなか受け入れてもらえませんでした。それでもお客様の特性や反応を見ながら焼き鳥を出したり、博多駅周辺ということでオフィスビルが多く大人数での宴会需要もあり、飲み放題付きのコース料理を充実させるなどして、2年目以降は徐々に売り上げも安定してきました。3年目からはスタッフも定着し順調に成長しており、何となくこの頃から2店舗目を意識していました。

任せられる仲間ができたからこそ、決断できた店舗展開

 博多駅前店も4年目を迎える頃には、僕が現場に立たなくても店が回る状態になっていました。この時に「もうこの店は自分がいなくても大丈夫、やっていける!」と確信し、2店舗目を出す決意をしました。やっぱり飲食店は1店舗だけでやっていくのは、なかなか難しく店舗展開は必須だと思っていました。それは20代前半にチェーン店で働いていたからこそ、そのように思ったんだと思います。ただ、いざ2店舗目を出そうと思っても、なかなか良い物件がなく約2年間探し続け、今の冷泉店に巡り合ったんです。2014年に2店舗目である冷泉店をオープンしたんですが、当時は今ほど周りに飲食店もなく、博多駅前に比べてどちらかといえば個人経営のこじんまりした店が多かったんです。ただ、周りを見渡せばオフィスビルもありサラリーマンも多いし、ファミリー層もいる、徒歩圏内には中洲もあり絶対に需要はあると思いました。あと、4階建て物件の一棟貸という事にもとても惹かれて、内覧後に即決しました。博多駅前店は現場を切り盛りしてくれていた者に店長を任せ冷泉店の立ち上げを行いました。

2店舗目も苦難の日々が待ち受けていた

 最初の2年くらいは、なかなか売り上げも安定せずに大変でした。オープン前の目論見であるサラリーマン層は既に行きつけの店があり、なかなか新参者の店には足を運んでくれませんでした。また、うちは個室もあるので中洲の同伴やアフターの需要も見込んでたんですが、こちらもなかなか来てもらえず本当に厳しい日々が続きました。博多駅前店が順調だった為、グループとしては黒字だったんですが、僕が店長を務めている店が足を引っ張る形となり、その当時は本当に辛かったですね。そして、1年半を過ぎた頃から徐々に常連さんも増え、深夜3時までやっていたのもあり、中洲のお客様も増え、また4階には40名収容できる部屋もあった為、サラリーマンの大人数宴会としても使ってもらえるようになり、経営は少しずつ安定してきました。

自分の経営者としての甘さが招いた、博多駅前店の閉店

 当時は僕もほとんど博多駅前店には行かず、店舗運営は全て店長に任せていました。 ただ、突然その店長から退職届が出されたんです。何となく予感はしていたものの、特にケアする事もせずに、大丈夫だろうと楽観視していた僕の経営者としての甘さが招いた結果だと思います。退職を告げられてからは何度も話し合いをしましたが、彼の意志は固く引き止めることはできませんでした。当時は冷泉店を軌道に乗せることに邁進していた事もあり、スタッフ教育も疎かにしており、博多駅前店を任せられるスタッフがいませんでした。冷泉店もやっとで軌道に乗ってきたところなので、僕自身が現場から離れることができるわけもなく、2016年に6年続けた博多駅前店を閉めることにしました。

店舗展開は諦め、1店舗に集中すると決めた

 博多駅前店の閉店を迎える頃には、冷泉店の方は売り上げも順調に伸びていました。正直、この時はもう店舗展開は懲り懲りだと思っていましたので、冷泉店の売り上げをもっと伸ばす為の施策を考え実行していました。当時、飲食店の集客は基本的にホットペッパーなどの集客媒体への広告出稿でした。もちろん、うちでも最初から広告は出稿していました。ただ、いつかこの集客方法も限界が来るのではと直感的に感じていました。そこで当時、福岡では集客方法としてそこまで浸透していなかったSNSにも力を入れました。また、今でこそ当たり前の様にGoogleマップで店探しをしていますが、あの当時は全くと言って良いほどGoogleマップは使われていない中、Googleマップ上の店舗情報をキチンと整える事にも注力しました。こう言うことはやり始めてすぐは、なかなか効果がでないんです。ただ、時代の変化で消費者の行動が変わる瞬間など、潮目が変わると効果を発揮し始めるんです。こんな事を言うと、先見の明があるみたいに聞こえますが、正直たまたま当たっただけなんですけどね笑
 おかげさまで広告出稿を減らした今でもインターネット経由で集客できており、あの時信じてやり続けて良かったなと実感しています。

新規事業である宅配(仕出し)事業にチャレンジ

 博多駅前店も冷泉店もランチをやっていなかったので、店が稼働しているのは夕方以降だけでした。稼働していない時間も家賃が発生しているのに勿体無いなってずっと思っていたんですが、何となくランチ営業をする気にはなれなかったんです。そんな時、とある人から仕出しの話を聞きました。博多駅周辺はオフィスビルが多く立ち並び、1日中会議がある日など会社側が弁当を用意する事が結構あるんです。また、学会など日本全国から人が集まる事も多く、仕出しの需要も結構ありました。2018年にこの事業を始めましたが、初めから順調で日中の店舗を有効活用でき、より経営が安定してきました。そして、この時から宅配やテイクアウトなどは、今後伸びていく領域だと思い自分なりに研究を重ねてきました。

コロナ自粛で考える時間が増え、その先がぼんやり見え始めた

 この2年近く我々飲食業界にとって、本当に厳しい状況が続きました。「何で飲食店ばっかり規制の対象になるんだ!」という悔しい思いを抱えながらも、多くの飲食店は歯を食いしばりながらやっていると思います。僕は一度飲食業界自体のパワーバランスが崩れ、ゼロリセットされるんじゃないかとコロナ当初から感じていました。そして今は慌てずしっかりと現状を把握し、これからの飲食業界について、あれこれ思考を巡らせていたのです。また、幸いにも宅配やテイクアウトなどの需要が高まり、以前から力を入れていた事もあり、そこまで影響を受けずに済みました。そしてこの期間にゆっくり考える時間が増え、これからの飲食店の在り方がぼんやりと見え始めました。それと同時に蓋をしていたはずの店舗展開の思いがじんわり込み上げてきたんです。

もう一度店舗展開の夢に賭けてみたいと思った

 博多駅前店をオープンした時から一緒に働いてくれている僕の右腕(じゅんぺい)がいるんです。彼が「いつか自分の店を持ちたい」と話しているのがずっと頭にありました。そんな時、隣の店舗の2階部分がテナント募集するので、入らないかという話が来たんです。それは2020年の秋頃、まだコロナがどうなるか全く予想も付かない先行きが不透明すぎる時期でした。店舗営業ができない分、時間ができた事もあり、何となく「新店舗作るとしたらどうするだろう?」と考えていると、今まで蓋をしていた反動なのか次から次にアイディアが出てくるんです。そのアイディアを元にじゅんぺいと話し合いを繰り返し、気付けば頭の中で新店舗が完成していたんです。そこで、再度じゅんぺいに「新店舗やってみたいか」と聞いたところ、「チャレンジしたいです」と目を輝かせて言うんです。その姿はまるで、28歳の時に当時のオーナーにチャンスをもらった自分自身のようでした。
 そして、コロナ真っ只中の2021年3月に新店舗をオープンさせました。おかげさまでこういう時期にも関わらずオープン以来順調で、当初の予想よりも多くのお客様に来て頂いています。

現状に満足することなく、常に変化する事で未来を作っていく

 2022年3月に8年間続けてきた冷泉店をリニューアルしました。元々一階はカウンター席のみでゆったりと寛ぎながら食事とお酒を楽しんでもらうスタイルでした。ただ、コロナにより生活様式は一変したと思います。今まで通りゆっくり食事を楽しみたい人に加えて、やはりまだ長時間滞在する事や密閉された空間に抵抗のある人が、今後も居続けると思っています。リニューアルに際し、サクッと食事ができる立ち飲みスタイルに変え、道路に面した壁は全開できる窓に変えて、風通しの良い空間にしました。そう、新しい飲食店のあり方への挑戦です。この決断の答え合わせはまだまだ先になるでしょう。ただ、常に時代の0.1歩先を見ながら状況に応じて変化していくスタイルを変えなければ、どうにかなると思っています。今までがそうだった様に。まだ、オープンして1ヶ月くらいですが、ありがたいことに多くのお客様に楽しんで頂いています。
 昼の15時から開けているので、早い時間ふらっと飲みにいきたい方など気軽にお越しください。

店舗情報

<ROBATA 香家>
住所:〒812-0039 福岡県福岡市博多区冷泉町8-19
時間:15:00-24:00
定休日:不定休
電話番号:092-260-8756
※詳しい舗情報は公式サイトから確認ください。

<中洲川端駅近くの和食処 小料理屋 そのへん>
住所:〒812-0039 福岡県福岡市博多区冷泉町8-21 2F
時間:【月〜土曜日,祝前日】11:00~15:00, 17:00~25:00
【日曜日,祝日】11:00~15:00, 17:00~25:00
定休日:不定休
電話番号:092-261-2322
※詳しい舗情報は公式サイトから確認ください。

提供:香家グループ

著者情報

福岡のベンチャー企業「ラシン株式会社」が運営しています。福岡の中小企業、個人事業主さんの紹介を行なっています。

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