義母はスタイルの良いオシャレな女性です。スリムであることが自慢で、自身の体重53kgは女性の理想体重だと信じて疑わず、嫁の私にいつもそうアドバイス。そんな自己中な義母に私がしたプチ復讐劇をご紹介しましょう。
体重53kgに執着する義母
私が義母に出会った当時、彼女はまだ50代。その頃の義母はとても若々しい女性でした。ピンクのジャケットを羽織り、真っ赤なマニュキュアとルージュを愛用するというオシャレさん。田舎でトンボを追っかけ回しながら育った私よりも、義母のほうが数段オシャレに気を遣っていましたし、体重53kgという自分のスタイルには絶対的自信を持っていたようで…。
ある時、義母から
「あなた体重何kgなの?」という質問をスパーンと投げかけられました。メジャーリーガー並みのド直球攻撃をいきなり食らった私。今なら
「それってモラハラですよ~」なんて笑って返すこともできますが、当時はまだまだ素直な青二才。
「えっとお、55kgです」と正直に答えてしまいました。
すると義母は勝ち誇ったような表情で
「ちょっと多いわねえ… 私53kgなんだけどすごいでしょ? 53kgが健康的で一番いいのよ。あなたも53kgになりなさい」と言いました。当時、体重と身長の比率で健康度を計るBMI指数では私は標準体重の範囲内。でも私は
「はあ… どうもすみません」とつい謝ってしまうと義母はとっても嬉しそうな笑顔を浮かべるのでした。
親戚の高身長の女性にも同じ質問をしていたので、義母はとにかく女性の理想体重は53kg! という信念の持ち主のようです。その根拠は一体どこから? 謎の理論ですが、義理の母に意見する勇気は当時の私にはありません。
この質問は、私が妊娠しようが出産後だろうが構うことなく、時折かつ継続的に投げかけられ、正直私もウンザリ気味… もはや聞き流していましたが、自分より体重がある嫁に義母はとっても満足そう。
嫁が自分よりヤセた!
そうこうするうちに産後なかなか体重が元に戻らなかった私は、ついに一念発起してダイエットを開始! 当時大流行していた鬼軍曹が激を飛ばすキャンプ式エクササイズDVDにどハマリ… あっという間に体重が50kgになりました。
そんなある時、義母がいぶかし気に私を眺めまわしながら
「あなた今体重何㎏なの?」と聞いてきたのです。私は
「エクササイズしまして… 今50kgなんです」と答えました。すると義母は
「ちょっとあなた痩せすぎよ! 53kgに戻しなさい! 53kgが一番健康にいいのよ!」と突然怒り出しました。
50kgだろうが55kgだろうが、そんな目くじらたててどうこう言うものなのでしょうか…? と問いかけたいところですが、言ったところで義母の53kg絶対神話は崩れそうにもありません。私は引きつった顔で
「はあ…」と答えることしかできませんでした。
その後…
それから体重のことを聞かれることはなくなりました。嫁よりも自分の体重が多かったことがそんなに彼女のプライドを傷つけてしまったのでしょうか?
正直、女性に体重を質問すること自体があまり品の良いこととは思えないのですが… きっと義母は
「お義母さん! 53kgなんてすごい! スタイルいいですね~」って褒めてほしかったんでしょうね。気が利かない嫁ですみません。でも私は、気が利く嫁でいるよりも人間性の方がよっぽど大事かなって思います。人に対して失礼な態度を取ると自分に返ってくる。これが義母の信念から私が学んだことです。
(ファンファン福岡公式ライター/日野原 花)