不仲だった夫とようやく離婚が成立し、新生活をはじめようと、心機一転気持ちを切り替えている中、心配なのは息子の心でした。明るく振舞っているわが子ですが、本当は悲しかったり辛いのかもしれない。と思い、離婚は正しかったのだろうか? と悩む日々。そんな時、息子に驚くべきことを言われたのです。
家庭不和
子どもを産んでから、わが家は長年夫婦仲が悪く、離婚は常に私の頭の中にありました。それでも決心できなかったのは、不仲でも両親揃っていた方が、息子のために良いと思っていたからです。
そんな決心が揺らいだのは、当時8歳だった息子に
「なんでパパとママは毎日けんかするの? 嫌いなのになんで一緒にいるの?」と、学校から帰っておやつを食べている時に言われたことでした。
当時インドネシアに住んでいたわが家。インドネシアは家族愛が強く、学校のイベントにも両親揃って参加、仲の良い夫婦が多いという印象でした。そんな環境で育った息子ですから、周りの家族を見て自分の両親の関係性に疑問をもつのも不思議ではありません。
離婚を決めた一言
息子は、悲しそうに聞くのでもなく、ただふと思ったから聞いてみた、という様子でした。ふいに質問され、驚きながらも、息子の意見を聞くチャンスかもしれないと
「ママとパパ、意見が合わないから喧嘩しちゃうんだよね。離れて別々に暮らしたいんだけどどう思う?」と聞くと
「それで仲良しになれるのならいいと思う!」という返事が。
その言葉が後押しとなり「離れ離れで暮らしても、あなたとママ・パパの関係は何も変わらない」という事をしっかりと伝え、離婚に至ることになりました。
離婚後の新生活
もともと、家庭内別居のような状態だったので、離婚の話はスムーズに進み、私が近所に新しい家を借りて住むことに。親権は私が持ちましたが、子の監護は完全に折半ということで合意しました。
息子は、お互いの家を行き来する形となります。今日はパパの家、明日はママの家と曜日によって変わるので、教科書を忘れてしまったり、運転手が違う家に迎えにいってしまったり… とうまくいかないことも多く、負担になっているのではないかと心配していました。
そんな時、学校で先生との面談がありました。
学校での面談
離婚して、住まいを別にしている事は連絡済みだったのですが、先生に
「何か心配事はありますが?」と聞かれたので
「離婚について、息子がどう思っているのかわからず心配です」と答えたところ
「息子さんは『僕は家が2個になるんだ! うれしい!』とまるで妹や弟が増えるかのように喜んでいましたよ」とのこと。そんなことを言っていたとは正直とても驚きました。
家に戻り、息子にそのことを話すと
「そうだよ! 今はママもパパも怒ってないから、2人とも毎日が楽しそう。だから僕も楽しい!」 と、ニコニコと言ったのです。
最初は気を遣ってそんなこと言っているのかな? とも思ったのですが、わが家は離婚後、他人同士になったことで、お互いに気遣いができるようになり、反対に仲が良くなりました。以前は私に押し付けていたイベントに元夫も顔を出すようになり、離婚しているものの、見た目は夫婦と変わらない関係性に戻ったんです。
子どもの感受性を高める時期に離婚したことを後悔するときもありましたが、息子がそう言ってくれてホッとしたことを覚えています。
離婚は子どものためにならないと、無理に我慢をしている不仲の夫婦がいたら、このようなケースもあると参考にしてもらえれば幸いです。
(ファンファン福岡公式ライター / Maiko)