方言じゃないような博多方言~久留仁譲二の小市民だより~

 日曜日午後のFBS(福岡放送)の番組「福岡くん」を見ていたら、「博多の隠れ方言」ということで、「なるほどですね」という言葉が取り上げられていました。私もちょいちょい会話で使いますが、方言ぽくない感じです。だいぶ前に、「なるほどですねは福岡の人しか言わん」と聞いたことがありましたが、先日全国版のテレビ番組で福岡出身でもないどなたか(えらい先生だったような・・・)も使っていたような気がしたのですが、もしかしたらその方は他地区生まれ育ちでも親御さんが福岡の方でその影響を受けたのかもしれません。

 大分県出身で全国いくつかのまちに転勤した私が気になる博多の「隠れ方言」は、「あっている」です。答えが「合っている」とかの「あっている」ではありません。「今日は小雨やけど、小学校の運動会はあっている」とか「ペイペイドームで野球があっているから道が混んどる」とかの「あっている」です。

 気にも留めてなかったのですが、だいぶ前に大分人の父が「福岡の人はあっている、やら言うけど、他のとこでは言わん」というのを聞いてから注意しとります。確かに他の地域の人は使わない気がします。

 会社の先輩が公的な文書に「あっている」を使っていたので、「これは方言なんじゃないですか」と言ったら、「あっている、のどの部分に方言が入っとるや」と逆に問われて反論できませんでした。たしかに「いぼる」とか「しろしか」みたいな明らかな博多弁要素はありません。でもそれで言うと、「なるほどですね」も「なるほど」と「ですね」の標準語の組み合わせですから。

 新聞の記事でも、「あっている」を見かけます(例:〇〇さんの版画展示会が◇◇会館であっている)が、違和感を感じているのは私たち父子だけなんでしょうか。福岡は転勤族とか他の地方都市から進学や就職でやって来た人も多いですが、何と思ってるのか知りたいところです。

 ところで、タイトルには「博多」方言と書きましたが、普段私は福岡と博多を気にせずに使っています。東京とか大阪の人たちは「博多」ということが多いような気がしますが、ここ何年か「福岡」というまちの知名度が上がり変わってきました。昔はひどかった。2時間ドラマとかではしばしば「博多空港」に飛行機が着陸していました。JRが博多駅なので、混同したんでしょう。

 話は変わりますが、最近ラジオを聴いていたら、自己紹介で出身地を言うとき、「横浜」とか「神戸」とか「名古屋」と名乗る人には圧(自尊心という意味でしょうか)が感じられると言ってて、「九州ではそんなことない」みたいな話になってましたが、九州は県の名前と県庁所在地の名前が一致しているからじゃなですか。

 私からすれば、例えば「出身は愛知です」と言う人に、「愛知のどこですか?」と聞き返して、「名古屋です」と言われたら、「最初からそう言ってよ」と思います。神戸も横浜も仙台もおんなじことです。

 で、またまた話変わりますが、昔関東のデパートでアルバイトしたとき、そこの店員さんから「あなた大分出身なら、志布志のカワノさん知ってる?」と言われて仰天しました。九州を1万人くらいが暮らす島だと思ってたのでしょうか。育った家に車がなかったこともあり、その頃の私は志布志どころか鹿児島県にも長崎県にも足を踏み入れたことがありませんでした。そういえば、埼玉県に住むいとこたちも、じいさんばあさんの家に里帰りするときは、「九州に行く」と言ってました。ざくっとしてますね。バンコクやプーケットに旅行で行くときに、「アジアに行ってきます」とは言わないでしょう。

どうでもいいことを書き連ねてきましたが、今年は博多どんたくが来月の3日と4日開催される予定です。

生”なるほどですね”生”あっている”が聞きたい人は是非、博多のまちに足を運ばれてみて下さい。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

米国の本家と同い年のシニアブロガー。毎晩長いときは30分に及ぶ歯磨きを欠かさない。最近覚えたメルカリへの出品にはまっている。
17年乗った作業用の軽トラックをカッコいいカーキ色の新車に買い替えた。

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