母は辛抱強い昭和の親 本性は毒親だった 私がした復讐とは?

 母は昭和という時代に翻弄された女性の1人。嫁として滅私奉公を強いられた母の精神は次第に病んでいき、子どもである私の心を蝕みました。恨み人生から抜け出せなかった母と、それを乗り越えようとする娘の物語です。

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昭和という時代に翻弄され、壊れていく母

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 私の母は長野の片田舎、長男である父の元に嫁ぎました。まだ昭和という時代、家に尽くす嫁が美徳とされた風潮の中、彼女は大変な苦労を重ねてきたのです。母は私を含む4人の子どもの世話に明け暮れながら、義父の介護を担い、少し気難しい義母の世話もこなしていました。

 親戚をもてなすことも母の役目。元々引っ込み思案な母は、自我が強い祖父母や親戚たちに翻弄され、だんだんと壊れていきました。親戚に笑顔で食事やお茶を出すものの、団らんには加わらず、1人ウツウツと台所で籠り続けるように。そのうち祖父母や親戚に対する愚痴や悪口を子どもにこぼし始めました。

 「おじいちゃんは口うるさくて厳しい」といった軽い愚痴や
 「おじさんは私のことを嫌っている」といった妄想系の悪口まで… 滝のようにとめどなく流れる悪口を聞きながら私たち姉弟は育ったのです。

 大きなストレスを抱えている母に私は甘えることはできず、当り前のように義父の介護や家の手伝いをこなしていました。今風の言葉でいうなら、ヤングケアラーと表現できる部分もあったのかも…。

 幼かった私は、母の悪口を聞くことが子どもの役目だと信じて疑わず、子は親の意に従うものと思い込んでしました。

恨みという毒の連鎖を断ち切るために

 そんな親子関係を象徴するエピソードが一つ。私は結婚後、最初の子を亡くしています。妊娠5カ月頃、胎児に障害が見つかり、生まれても育たないことがわかりました。そこで人工的に出産し、死産という処置を取ることに。

 5カ月とはいえ、もうすでに立派な胎児。出産は激痛で、しかも死産のショックで心はボロボロです。でも母は開口一番
 「すぐ次の子を作りなさい」と言いました。励ましの言葉などなく
 「とにかく子どもは親の言うことさえ聞いていれば幸せになるから」と。私は傷口に塩を塗られたような気持ちに… それでも母に自分の気持ちをぶつけることはできませんでした。

 その後幸いにも私は2人の息子に恵まれます。小さい子どもって親のストレスなどおかまいなしですよね。寂しい時は
 「抱っこ!」嫌なことがあれば
 「ねえ、聞いて!」などなど… でも対応してあげると満足した顔に。

 子どもは思いをぶつけ、親が受け取ることで親子の信頼関係って築かれるものなのですね。私はこうしたやり取りを母とした記憶がありません。寂しい時や辛い時、私は母に抱きしめてほしかったんだ… そう気付きました。

私がした復讐と親孝行

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 その後私は
 「子どもの頃、本当は辛かったんだ」と母に告白しました。でも母は今更なにをという表情で
 「そんなこと言ったって、私も大変だったんだからしょうがないでしょ?」と言うだけ。私の思いを受け止めてくれることは決してありません。

 「なんで私の思いに応えてくれないの!」と母を恨みたい気持ちでいっぱいになることも。でもそれでは母と同じ人生を生きることになってしまう! 

 私にできるのは、母から受け取った恨みを断ち切ること。毒の連鎖に子ども達を巻き込むことだけはなんとしても阻止せねば。恨みを捨て、親として豊かな人生を過ごすことが、母に対する私の復讐であり親孝行になるのだ。そう信じて、子どもと一緒に笑いあう今を大事に生きています。

(ファンファン福岡ライター/日野原花)

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