スタジオジブリの原点を知る「アニメージュとジブリ展」開催中!

 「『アニメージュとジブリ展』一冊の雑誌からジブリは始まった 」が 7月10日(日)まで福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開催中です。九州初開催となる同展の事前内覧会の様子をリポートします。雑誌「アニメージュ」(徳間書店)の誌面や初公開の貴重な制作資料などを通じて、スタジオジブリの原点に触れることができました。

目次

日本初の商業アニメ専門誌「アニメージュ」

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 第1章「アニメージュ誕生」、第2章「アニメージュは私たちにすべてを教えてくれた!」、第3章「加速するアニメブーム」、第4章「ナウシカへの道」で構成される同展。

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 月刊「アニメージュ」は1978年5月26日に創刊した日本初の商業アニメ専門誌で、2022年に創刊44周年を迎えます。作品の裏方だったクリエーターや制作に関わる人々に焦点を当て、制作の舞台裏に迫るインタビュー記事などを掲載。

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 「機動戦士ガンダム」の富野由悠季氏、後のジブリ作品を生み出す高畑勲氏、宮崎駿氏、「うる星やつら」の押井守氏といったクリエーターを世に知らしめる役割も担ってきました。

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 「風の谷のナウシカ」のアニメーション映画化でスタジオジブリ設立の道筋をつくったのが2代目編集長の鈴木敏夫氏。鈴木氏は「アニメージュ」の編集を通じて、高畑勲、宮崎駿両氏と出会いました。81年8月号で宮崎監督の大特集を掲載したのをきっかけに高畑、宮崎両氏に寄り添っていったそうです。その後、編集長職を退いてスタジオジブリのプロデューサーに専念しました。

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 「ナウシカへの道」では82年2月号の原作マンガ連載から84年に映画「風の谷のナウシカ」が誕生するまでを振り返ることができます。初公開となる貴重なセル画にも注目です。

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 事前内覧会には、スタジオジブリ展示アドバイザー兼同展監修者の高橋望(のぞむ) さんと、ナウシカ役声優の島本須美さんが参加。島本さんは同展アンバサダーで、音声ガイド・ナビゲーターも務めています。

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 「アニメージュ創刊の次の年に声優デビューしました。アニメージュの歴史を見ていくと懐かしい気持ちになります」と島本さん。

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 高橋さんは「ガンダムコーナーでは、4つの名場面が当時のガンプラ(ガンダムのプラモデル)を使って作られています。ガンプラから日本アニメのビジネスが一気に変わりました。ファンが望むものを作って出せばファンが買ってくれる。それがなかったら今のアニメブームはなかった。福岡にガンダムパークができることもなかったかもしれません」と話しました。

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 さらに「ガンダムの背景画を描いた中村光毅さんは風の谷のナウシカの背景画も手掛けています。SFも自然も描ける中村さんのイラストをまとめて見られるのはアニメージュ展だけなので非常に注目してほしいです」と高橋さん。

「風使いの腐海装束」「朽ちゆく巨神兵」を再現!

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 今回の目玉は、造形作家の竹谷隆之さんが作った風の谷のナウシカ「風使いの腐海装束」と「朽ちゆく巨神兵」を再現した造形物です。竹谷さんは映画「シン・ゴジラ」のキャラクターデザイン、「ジブリの大博覧会」の「王蟲の世界」を制作した日本を代表する造形作家。「風使いの腐海装束は、ある意味実写化ですね。顔を作っていないところがまたよくて、ナウシカの世界観を表現しています」(高橋さん)。

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 福岡展だけのご当地企画として、福岡県生まれで「猫の恩返し」の監督・森田宏幸さんにスポットが当てられています。「森田監督は、筑紫高校、福岡大学出身。東京でアニメーターの仕事に就き、監督になって、スタジオジブリで苦労しながら、猫の恩返しを制作しました。森田監督が高校時代に作った自主アニメを紹介しています」(高橋さん)

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 同展では特別オリジナルグッズを数多く制作。当時の「アニメージュ」付録の復刻版を販売するほか、福岡展限定商品の博多織コースター(1,100円、税込み)や博多織ブックカバー(4,400円)なども並んでいました。

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 ファンの人もそうでない人も幅広い世代で楽しめる空間が広がっていました。

「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった

日時:~7月10日( 日)9:30~18:00 ※水曜休館。5月4日(水・祝)開館。5月6日(金)休館。最終入場は閉館30分前まで。
場所:福岡アジア美術館7階 企画ギャラリーA・B・C(福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7、8階)
料金:一 般/土日祝1,500 円、平日1,300 円、中高生/土日祝1,000 円、平日800円、小学生/土日祝800 円、平日 600 円
問い合わせ:アニメージュとジブリ展 福岡展実行委員会(西日本新聞イベントサービス内)TEL:092-711-5491

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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