家事に育児に奮闘しながらアラフォーを迎えた私。しかしある日突然耳が聞こえなくなってしまったのです。その原因がまさかの更年期とは!? 人生を全力疾走してきたオトナ女子の更年期ドタバタストーリーをお届けしたいと思います。
襲う謎の感覚とエアコン音
私は40代の主婦です。子育てや家事、PTAやボランティア活動など毎日慌ただしい日々を送っていました。生真面目で手が抜けない性格の私は、毎日がフルスイング状態。しかしちょうど40も中盤にさしかかったころ、なんともいえない違和感に襲われます。
ある日突然、自分と世界の間にうす~い膜がかかっているような感覚に襲われたのです。すべての音が遠くにきこえるというか… プールに潜ると外界の喧騒がとても遠くに聞こえますよね? まるで水の中にいるような不思議な空間に漂っている、そんな感覚でした。
そのうち低いグアングアンという音がどこからともなく聞こえてきました。例えるなら壊れかけたエアコンの音。それが大きくなったり小さくなったり断続的に聞こえるのです。最初はエアコンが壊れてないか本気で調べてしまいました。でもエアコンどころかわが家の電化製品は何ひとつ壊れていません。
違和感を抱えつつも、私は相変わらず忙しくしていましたが、膜感覚はどんどんと厚くなっていき、エアコン音もどんどん大きくなっていく。時には子どもが何を言っているのか聞き取れない! もしかして私の耳、正常に聞こえてない!? 私は慌てて耳鼻咽喉科に駆け込みました。
不思議な感覚とエアコン音の正体とは!?
音の聞こえ検査と内診をした後、私は「突発性難聴」と診断されました。膜感覚は音が聞こえにくくなったためで、エアコン音の正体は難聴に伴う耳鳴りでした。難聴は内耳の血液の循環不良が原因といわれていますが、確かなことはまだ不明です。そして発病後、3分の1は完治、3分の1はある程度の改善、残りの3分の1の人は聴力が取り戻せないことも…。
発症から2週間以内の処置が肝要のようで
「早めに受診してよかったね。もう少し遅かったら耳、聞こえなくなってたかもよ」とドクターから脅しのお言葉もいただきました。更にドクターは
「更年期に難聴になる女性って結構多いんだよね」とポツリ…。
「更年期って、生理が終わる数年前から体が火照ったりするやつ?」と、難聴と更年期が繋がらない私に、ドクターは更年期のホルモンの乱高下が耳にも影響を及ぼすことを教えてくれました。
絶対安静生活と更年期世代へのギアチャンジ
「しばらく絶対安静に。安静にしなかったら治らないかもしれないからね」とドクターからはコーンとクギをさされました。耳の血流改善薬を飲みつつ、安静生活を送ることになった私。
「1日中寝てなんかいられるかっ!」と当初は思っていましたが、なんと2週間昼夜関係なくコンコンと眠りについたのです。薬の副作用もあったようですが、この年までわき目もふらず動いてきた自分の体から「休みたい!」という信号が出ていたんだ、と改めて気づかされました。
更年期の症状って人それぞれですが、私の場合は難聴がスタート合図だったのでしょう。その後、耳の聞こえは徐々に改善され、耳鳴りも段々減ってきました。でも以前のようなフルスイング生活を再開すると、やっぱり遠くから近づいてくるエアコン音。それを合図に無理しすぎない生活を心掛けるようにしています。療養生活を経て、体と対話しつつギアチェンジすることが更年期を乗り切る秘訣と悟った私です。
(ファンファン福岡ライター/日野原花)