天神エリアの飲食店の減少は、周辺で働くビジネスマンにとっては非常に由々しき問題。特にランチが仕事に行くモチベーションの8割程度を締める私にとっては死活問題です。この日も何か良き店がないかなぁ・・・と天神をトボトボ彷徨っていたところ、水炊きの名店「新三浦 天神店」さんの前で足が止まり久しぶりに訪問。ランチの定番は親子丼かと思いますが本日は「照り焼き玉子丼」にチャレンジしてみました!
何なん
少し古い話になりますが、日本を代表するミュージシャン宇多田ヒカルさんは、自らを含めた女性歌手に押し付けられがちな「符号」に疑問を呈し、Twitterでこうつぶやいていました。
その圧倒的な音楽性とパフォーマンスで「天才」との呼び声高く、昨年は紅白歌合戦にも出場したアーティスト藤井風さんを、一躍メジャーへと押し上げた楽曲は「何なんw」というタイトルでした。
私はアーティストではなく、天神近辺で働く「ただの小太りのおじさん」ですが、正直、思うのです。
「何なん」・・・・・「天神ビッグバンって何なん」
私は決して再開発に否定的なスタンスではなく、福岡という都市の発展を切に願う福岡市民です。ノスタルジーに浸りたいわけでなく変化も歓迎している。ただしですよ。同じくらい切に困ってるんです。再開発により前々からランチを食べてた天神の飲食店が続々と姿を消している現状に!
「それ(天神ビッグバン)は何なん 先がけてワシは(ランチ食うとこなくなるって)言うたが それならば(天神ビッグバンって)何なん なんで(ランチ食うとこなくなるって)なんも言うてくれんかったん」
この日も心の中で熱唱しながら、やるせない気持ちでランチ時の天神を彷徨っていたところ、とある店の前で足が止まりました。
明治34年創業 福岡を代表する水炊きの名店「新三浦」
天神ビルの地下1階にある「新三浦 天神店」。新三浦と言えば、いわずとしれた福岡名物「水炊き」の名店です。
ホームページを拝見したところ、発祥の地である「博多本店」は明治43年の創業ということで、おおよそ110年ほど福岡という土地で愛され続けてきたお店です。福岡で水炊きを食べる際は、多くの方の選択肢にあがるであろう定番店の1つかと思います。
私自身、出張や観光で来られた福岡県外の方を食事にお連れする際、特に「水炊きが食べたい」とリクエストをいただいたときは、よく博多本店をリストアップします。ただ日常使いでふらりと食事に行く店というよりかは、少しフォーマルな「料亭」寄りの印象。
天神店はカジュアルかつリーズナブル
ただし(ご存じの方も多いかと思いますが)「天神店」に関しては、味のクオリティは確保しながらも比較的カジュアルで、特にランチメニューはリーズナブル。ただ私、一時期よく伺っていたのですが、何の拍子にか足が遠のいたまま、ランチローテーションから外してしまっておりました・・・。
そんな「天神店」がランチ難民と化し彷徨っている私の目前に現れ、心の中で歌っていた「(天神ビッグバンって)何なん」が他の曲に切り替わりました。
「ほら、あなたにとって、大事な人ほど、すぐそばにいるの」
モンパチです。「人に優しくされたとき、自分の小ささを知る」アレです。ランチの場所を求めて彷徨う自分に、不義理をしていた天神店が手を伸ばしてくれた。「夢ならば冷めないで」と涙しながら入店しました。
ランチの定番と言えば「親子丼」、しかし今日は攻めてみた
自分でもあきれるほど前振りが長くなってしまいましたが、ここからきちんとレポートしたいと思います。
人それぞれ趣向はあると思いますが「新三浦」のランチの定番は「親子丼」ではないかと思います。目視の範囲内ですが、注文しているお客さんも一番多そうです。私自身ランチタイムは、これまでほぼ100%親子丼を頼んできました。
「鶏の水炊き」が名物である新三浦の「親子丼」は「鶏」でとった出汁がまず間違いなく、かつ厳選されてるであろう「鶏の卵」との相性も抜群。私が威張ることではないですが、とっても優しく奥深い味で、こんなのどう考えても美味しいやん!見たか!という逸品です
本日も親子丼を頼む気満々だったのですが、久々に伺ってメニューを見ていると、今日は冒険してみるのも良いのでは・・・という気分になり。丼ものでいうともう一つの定番は「焼鶏丼」だと思うのですが、卵は食べたいなぁというのもあって・・・
数量限定の「照り焼き玉子丼」(写真下)を頼んでみました!
やってきました「照り焼き玉子丼」いざ、御開帳!
注文してまもなく、照り焼き玉子丼が到着。丼ものの蓋をあける瞬間って、とてもわくわくします。「丼ものの蓋だけあけるアルバイト」があれば、応募したいくらいです。ということで早速オープン!!!
うぇい~。いいですね~。最高に美味そう!新進気鋭のグラビアカメラマンの気持ちで、心のシャッターを押します。このフォトジェニックな感じは、ヤンマガの表紙くらい行けるんじゃないでしょうか。
まずは「スープ」で新三浦の歴史を堪能する
蓋をあけるだけで昂ぶりすぎましたが、まずは落ち着きがてら、スープをいただきます。水炊き屋さんに行った際、まずスープから・・・・と案内されるケース多いように思いますが、まさしくそのスープかと思われます。
新三浦さんのホームページを見ると、スープについて以下の記述がありました。
創業時から変わらず365日間火を入れ、継ぎ足していった自慢の白濁のスープ。鶏のガラを十時間以上常に目をやり丁寧にアクをとり、鶏のスープのもつすべての旨味が溶けだすまで濃厚なスープと、新鮮な鶏のぶつ切りを柔らかく炊いた透明のスープを、独自の配合でブレンドすることにより、濃厚かつあっさりとした伝統が出来上がる。
引用 新三浦 博多本店 ホームページより http://www.shinmiura-honten.com/index.html
これだけは変わらない、変えられないのです。
正直なところ、そこまでの歴史とこだわりがあるものとは知らずにいただいていたのですが、前情報なしでいただいても・・・最高です!おっしゃる通りですよ!これだけは変えない方がいいと思います!
照り焼き玉子丼をFEELする
続いて先ほど蓋を明けた「照り焼き玉子丼」をいただきます。私が幼少の時より尊敬するブルースリーという方が「燃えよドラゴン」という映画で
「Don’t think. FEEL!」(考えるな!感じろ!)
と言っておりまして、言葉にするとすれば「めちゃくちゃ美味しい!最高!」という感想なのですが、以下、写真で「FEEL!」していただければと思います。
前段が長くなったうえ、後半は写真でFEELしていいただくという雑な展開だったかもしれませんが「新三浦」のランチが間違いないことは伝わったのではないかと感じています。
今後も「何なん」と憤りながら天神のランチタイムを彷徨う場面は少なからずあるかと思いますが、今回の「照り焼き玉子丼」はそんな自分に手を差し伸べる「希望」のように思いました。
大丈夫!天神で働く私たちのランチタイムには新三浦のランチがついている!
新三浦 天神店
■住所 福岡県福岡市中央区天神2-12-1 天神ビル B1F
■電話番号 092-721-3272