現在、0歳児の男の子を育てている30代主婦です。入社3年目の時、良く言えば「肝が据わっている」、悪く言えば「空気の読めない」そんな新入社員がうちの部署に配属されました。彼女の新入社員らしからぬ態度は社内で噂になるほどに…。今回は、そんな伝説の新入社員の仰天話を紹介します。
初めての後輩にドキドキ!
社会人3年目の時、新入社員の女の子が配属されることになりました。部署で1番年下だった私にとっては初めての「後輩」。どんな子が入ってくるのか、期待に胸を膨らませていました。
私が1番歳が近いことから、新入社員のメンター(教育係)を任せられることに。先輩としてのやる気ボルテージはさらに上がり、親や友達には
「新入社員のメンターになるんだよね〜」なんて、得意げに自慢をしていました!
そして、迎えた新入社員の入社日。私はオリエンテーションの準備をしながら、彼女の到着を待っていました。しかし、始業時間を過ぎても現れません。「もしかして道に迷ってるのかな?」と、心配になったとき
「おはようございます」
汗もかかず、涼しい顔をした彼女が現れたのです。全く悪びれた様子を見せずに…。
新入社員らしからぬ態度に悪戦苦闘
遅刻したことに謝りもせず、淡々と挨拶をする彼女。その堂々とした佇まいは、新入社員の初日には見えません。上司の顔は… 明らかに引きつっていました。
なんとか空気を変えようと
「大丈夫だった? 駅からここ(会社)までの道ってわかりにくいよねぇ」とフォローするも、
「少し迷いましたけど、問題ないです」とバッサリ。「いや、問題あるんだよ!」と内心ツッコミつつ、苦笑い。その場にいた全員が「この子ヤバい…」と感じていました。
その日以降、だんだんと彼女の性格があらわになってきました。仕事はしっかりとこなすのですが、誰に対しても塩対応。先輩に話しかけられても「雑談は受け付けません」と言わんばかりの雰囲気を出し、会話は1分も持ちません。その度にメンターの私がフォローに入る始末。いつの間にか、社内では「肝が据わった新人と可哀想なメンター」と呼ばれるように…。
「思っていた後輩と違う…」素直でフレッシュな新入社員を想像していただけに、正直とてもガッカリしました。
彼女の意外な一面とは
ある日、帰宅時間が重なり、彼女と駅まで一緒に帰ることに。何を話そうかと話題を探っていると、彼女は突然
「私モノマネ得意なんです」と言い出しました。普段の彼女からは考えられない提案に興味津々で
「見たい!」と、お願いする私。すると、まさかの郷ひ〇みの「2億4千万の瞳」を歌い始めたのです。しかも本物そっくりで、明らかに場数を踏んできた仕上がり!
「そんな特技隠し持ってたの!?」と言うと
「まだまだあります」と、他のモノマネを次々と披露してくれました。肝が据わっているがゆえに、躊躇なくモノマネを繰り出す彼女に、その日の帰りは爆笑しっぱなしでした。
今では部署の人気者
翌日、すっかり打ち解けた私たちが楽しげに話していると、先輩たちが不思議そうに話しかけてきました。彼女がモノマネを披露すると、その場は大ウケ! 上司世代にもハマり、彼女はすっかり部署の人気者になりました。
勝手に「新入社員らしさ」を押し付けて、彼女の素顔を知ろうとしなかった自分を反省しました。今では、その肝の据わった佇まいと落ち着いた対応力に部署みんなが全幅の信頼を置いています。
(ファンファン福岡公式ライター/kinkuma@)