娘が小学校に上がった当時、よく家に誘って遊ばせてくれたママ友。ところが、新しい友達が加わるたび、まるで監視しているかのような実況メールが次々と送られてきて、うんざり。夜に届いた総括メールには、サバイバル番組のような驚愕のメッセージが!?
娘の友達を呼びたがるママ友
娘が小学校に入学した頃の話です。1年生は下校が早く、放課後に新しい友達と遊ぶ機会が急増。天気がよければ「近くの公園でのびのび遊んでほしい」と私は思いますが、ママ達のなかには、外遊びを心配する人も。
近所に家を新築したばかりのNちゃんママもその一人で、積極的に子どもたちを家に呼んでくれました。一度、私もお呼ばれしたことがありますが、将来は姉妹で分けるという大きな子ども部屋には卓球台が置かれ、アスレチックのように登れる吹き抜けには梁にブランコが掛けられています。
教育熱心なNちゃんママの子育てコンセプトが詰まった設計に圧倒されながら、「これだから娘も遊びに行きたがるんだ」と納得しました。
15分おきに届く実況メールにうんざり
幼稚園が違うNちゃん親子と知り合ったのは、入学直前の公園。娘同士が意気投合し、同じ小学校に上がるというのでメール交換しました。家は少し離れていましたが、入学後は娘の幼馴染と3人でよく遊ぶようになったのです。
そんなある日、いつものようにNちゃんママからお家遊びのお誘いメールが届きました。
「今日は初めてAちゃんがうちに遊びにきます。上手に遊べるかよく見ておきますね」
“上手に遊べる…?” 私は違和感を覚えましたが、Aちゃんは登校の途中で合流するお友達。心配はしていません。
ところが、その日は15分おきにNちゃんママから実況メールが。今おやつ食べました、ゲームを始めました、仲良く遊べています… と、まるで監視しているかのように次々と送られてきたのです!
さらに、夜にも着信があり
「今日はAちゃんも一緒に上手に遊べたので、また誘います」と総括の一言。
上手に遊べたから、また誘う…? 上手に遊べなかったら…? まるでサバイバル番組みたい、と私は思いました。生き残るのも、脱落するのも、Nちゃんママ次第。こっそりジャッジし、有害とわかったら即脱落!? 私は急に怖くなってきました。
上手に遊べなかった友達はもう呼ばない!?
しばらくして、今度はHちゃんが、Nちゃんの家で遊ぶことになりました。Hちゃんはジャイアンみたいに自分の意思を押し通すタイプ。その日も実況メールが次々と届きましたが、どうやらHちゃんのやりたい放題に混乱している様子が文面からうかがわれました。
帰宅した娘に話を聞くと、Hちゃんがわが物顔でその場を仕切っていた様子。その夜届いたNちゃんママのメールには、
「上手に遊べなかったお友達は、もう呼びません」とキッパリ。Hちゃんは脱落決定です…。その後、二度とHちゃんが誘われることはありませんでした。
Hちゃんの他にも、一度誘われたきり呼ばれなくなった子は何人もいたようです。やがて、
「Nちゃんママは娘と仲良くさせたい子を家に誘ってはふるいにかけ、気に入らなければ二度と呼ばなくなる」という噂がママ友の間で広まりました。そして娘たちも、学年が上がるにつれ互いに距離を置くようになりました。
わが子が嫌な思いをしないよう、火の粉が降りかかる前に払ってあげたい気持ちは、よくわかります。でも、子どもは失敗を繰り返して他人との付き合い方を学ぶもの。そのチャンスを奪いたくはないなぁ、と考えさせられた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / 繭子)