女性の職場は恐ろしい! 新人保育士の恐怖体験とは…

 「女性が多い職場は恐ろしい」とはよく耳にしますが、それが真実だと思い知ったのは、保育士になって1年目のこと。先輩の指導が厳しく、私は毎日ヘトヘトでした。そんなある日の仕事終わり、更衣室で私が目撃した先輩たちの恐ろしい姿とは…。

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憧れの保育士になったけれど

写真AC

 いまから20年ほど前、子どもの頃からの夢を叶え、短大を卒業し保育園で働き始めた私は、すぐにその大変さを思い知りました。保育士の仕事量の多さは就職する前から覚悟の上でしたが、なによりも驚いたのが「先輩たちの厳しさ」だったのです。職場は女性ばかりで、ほとんどが20代でした。
 「先輩よりも先に動け」
 「メモるな覚えろ」
 「指示される前に聞きに来い」

 入職初日にバリバリの体育会系ルールを教わり、同期全員で朝一番に出勤して掃除。保育中は、
 「声が小さい」
 「あと5分で終わらせて」など、いつ先輩からの指示や注意が飛んでくるかと緊張しっぱなし。

 予想以上にハードな日々でしたが、担当の子どもたちは可愛くて、「先生」と呼ばれることに喜びを感じ、まずは1年間、頑張ってみようと日々奮闘していました。

先輩が怖すぎる

 そんな新人生活も3カ月が過ぎた、ある仕事終わりのこと。なんとか無事に1日を終え更衣室に向かい、扉の前に立った時です。

 更衣室の中から話し声が聞こえて、私はピタリと立ち止まりました。「先輩が中にいる」そう気づいてしまっては、先輩たちと顔を合わせるのが恐ろしくて、もう入ることは出来ません。

 すると、更衣室の中から、3人くらいの話し声がひそひそと聞こえてきました。
 「A先生、今日もギリギリの出勤だったんだけど」
 「しかもA先生、外遊び中ずっと日陰にいたし」
 「自分は座ったままで指示ばっかり!」 なんと、先輩たちが口々に、A先生の悪口を言い合っていたのです。

 A先生は勤続30年のベテラン保育士です。まだ就職して間もない私でも「これは誰かに聞かれてはまずい」と感じて、誰も来ないようにと必死に願いました。数分後そんな願いもむなしく、更衣室に近づいてくる足音がしたのです。

 しかもなんと、現れたのはA先生! 驚きすぎて、
 「A先生! お疲れ様です!」と思わず大声で言ってしまった私に、A先生は、
 「なにしてるの? 早く帰ってよ」と言いながら、私の背中を押して一緒に更衣室に入りました。

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 すると更衣室にいた先輩たちは一斉に
 「お疲れ様です~!」と、笑顔で挨拶。さらに次々に
 「そのスカートお洒落ですね」
 「肌いつもきれいですね」と、A先生を褒め称えはじめたのです。
 
 A先生も自分が悪口を言われていたなんて、全く気付いていないようで、スカートのブランド名や、化粧品の話を嬉しそうにし始めました。

 先輩たちの豹変ぶりに「さっきまでの悪口はどうした!?」と内心ドキドキが止まらず、私は大急ぎで着替え、まっすぐ帰宅。「女性の怖さってこういうことか」と、新人の私が悟った瞬間でした。

人間関係って難しい!

 結局その園では、10年間働きました。
 若い間は先輩に嫌われないようにがむしゃらに動き、自分が先輩になってからは後輩たちを厳しく指導しながらも、悪口を言われないように自分の行動にも気を付けていました。
 常に周りの目を気にしながらの職場は、やはり独特の緊張感があったと、保育士を辞めて10年以上過ぎた今でも感じます。

 でもこれは会社や学校、人が集まるところならどこでも、あり得ることなのかもしれません。人間関係にストレスを感じながらの日々、皆さん本当にお疲れ様です。

 明日も良い一日になりますように。

(ファンファン福岡公式ライター / ましまろ)

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