流産し落ち込み気味だった私。話題にしたくなかったものの、やむを得ず、義父母に伝えなければならないことに。ふだんからトンデモナイ言動が多い義父母ですが、義父からのひと言が衝撃だったお話です。
妊娠したものの…
夫のUターンを機に、義実家の近くに住むことになったわが家。地元から出たことがない義両親は、良くも悪くも「外の世界」をあまり知りません。そんな義両親の世界は、彼らの狭い価値観が基準。その言動には夫でさえ
「ちょっと違うんじゃない?」と首をかしげることがあるくらいです。
この春、妊娠9週で流産が確定しました。数週間前、妊娠が判明したときは喜びの反面、年齢的に順調にいくか心配でした。妊娠6週、胎嚢が見えたものの、ホルモン値も低く
「週数合ってる? それにしては小さいんだけど…」とお医者さんより不穏な空気。
「間違いなく妊娠はしてるけど、2週間後にまた来てください」というお話でした。
週数が進むにつれ、過去の妊娠で感じたつわりのような症状も出ず、何ら変化のない体。「赤ちゃんダメなのかも…」と徐々に諦めの気持ちになっていきました。そして
「心拍が確認できず胎嚢も大きくならない」と、稽留(けいりゅう)流産の確定診断がおりました。悲しさはありましたが、お医者さんの説明やネットの情報で初期流産の原因は母体ではないと分かっていた私。いつ来るか分からない自然流産のほうが怖かったので、すぐに手術の日を決めました。
問題は手術がほぼ1日がかりのため、3歳長女のお迎えに間に合わないことです。夫はアテにできません。最終的に義父母にお迎えをお願いするしかありませんでした。
出た! 義父のトンデモ発言
義父母の家で事情を説明します。
「えっと、すみません。実は妊娠してたんですけど流産してしまって。手術の日、長女のお迎えに間に合わないのでお願いできますか?」余計なことを言われたくない私は、努めて明るいトーンで話します。
「えっ! そう… それは残念だね…」と悲しそうにする義父。
と思いきや
「どれくらいの妊娠期間だったの? どうして(流産したの)?」と直球が飛んできます。内心「おっ、来た」と想定内の質問に
「だいたい3カ月ですね~。初期の流産は、遺伝子というか… 染色体異常がほとんどらしいです。防ぎようがなくて」とやんわり答える私。
それに対する義父の発言が衝撃でした。
「う~ん。そうなのかい? あれかね、そこはやっぱり嫁ちゃんの体のせいもあるのかねえ」そんな義父の発言を諫めるでもなく、義母も
「私はそういう経験したことないから分からないけど、どうしてかしらねぇ…」と言葉を続けてきます。
「なななんですと? 私の話、聞いてました? 私のせいとか100%ないんですけど!!」と内心フツフツとこみ上げてくる怒りと悲しみの感情を抑えながら、
「いや~どうなんですかね? お医者さんは母体に原因はないって言ってましたけどね~」とだけ返し
「まあいいよ」と言う彼らにお礼を言いながら、さっさと義父母宅を出たのでした。
手術は無事終了。検査の結果、2本ずつペアなはずの染色体の一部で、3本ある部分があり、やはり原因は母体ではありませんでした。
夫には検査結果の報告ついでに、
「流産は母親の体のせいとか、人としてありえないよね?! こっちの話まるで聞いてないし、お義父さんって自分たち基準でしか喋ってこないよね。これだから義実家と関わりたくないの!」としこたまクレームを入れたことで(義父母に伝わることはないのですが)、気持ちを晴らしたのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/西本結喜)