息子が通う小学校では、夏休みに「自由研究」の宿題が出ます。子どもが自分の力だけでできたらそれが理想ですが、ドラ息子にはとてもじゃないけど無理… 仕方なく親の出番となりましたが、予想以上の結果に歓喜と恐怖が…!
【夏休み宿題問題】と向き合う
長男が小学4年生の夏休みに自由研究の宿題が出ました。もう頭を抱えてしまいました。何しろ息子といえば、
・声をかけない限り自分からはやろうとしない。
・忘れ物を平気で繰り返す。
・のろのろしていて、段取りが悪い。
こんな調子なのです。彼に任せていては、夏休みの最終日になっても終わらなさそうだったので、親の助けが必要なことは分かりきっていました。まず、好きなことには呆れるほど集中する息子の性格に合うもの、私が仕事の休みの日しか付き合えないため短期間で終わるもの、を重視してテーマを選びました。それは「アリの好きな食べ物・嫌いな食べ物」。
息子は
「アリは死んだ虫を運んでいるのを見たことあるから、好きなのかもしれない!」
「野菜は食べるのかな?」など、ものすごく興味深そう。「よしよし、これはまず掴みはOK」と私はほくそ笑みました。
いざ、研究開始!
夏休みのとある晴れた日、気が重いですが自由研究スタートです。時間は午後2時。アリが運ぶように置いたゼリーも溶けてしまうほどの暑さです。息子は
「あっつ〜い」と、水遊びをし始めました。仕方なく私一人で観察を継続。そのうちにアリが群がり始めます。
「アリ、来たよ〜!」と声をかけると、
「どれどれ?!」と息子がすっ飛んできました。
「ほら、写真を撮っておかないと」と声をかけますが、観察とメモに夢中の息子。写真撮影は私が行う羽目に…
どうにか観察が終了し、次はまとめです。大きな模造紙に書く宿題は初めての息子は
「どのくらいの字の大きさで書けばいいの?」
「写真はどう並べて貼るの?」といった超初歩的な息子の質問に答え続け、なんとか完成させることができました。どっと疲れてしまい、こんなに親が関わらなければならない宿題など無くしてほしい… と心底思いました。
夏休み終了後に起きた、予想外の出来事
コロナ禍で参観日が中止となり、担任の先生から「自由研究を撮影して全員分クラス便りに載せます」との連絡がありました。他の子の出来栄えはどうなのだろう? と気になっていたので、先生グッジョブ! でした。
配られたお便りを見てみると「黒曜石の不思議」といった難解そうなテーマや、「凍る時間と溶ける時間」を写真・表・グラフを使って恐ろしく綺麗にまとめたものなどがありました。息子の汚い字で書かれたアリの研究がみすぼらしく思えてしまいました。
ところが数カ月後、息子が何やら賞状を抱えて帰宅しました。そこには「〇〇科学展入選」の文字が。これにはたまげました。選ばれた理由を考えてみると、息子は模造紙の空いたスペースいっぱいに、よく特徴を捉えたアリのイラストを描き「アリは餌を運ぶ時、後ろ向きに引っ張っている」などと説明をいれていました。親の私から見てもよく観察しているなと感心したので、そういった部分が評価されたのかもしれません。
お便りを見て感じたのは、親がべったりついたんだろうな、という研究から、全く親が手を加えていないであろう研究まで差があるなということです。家庭の子どもの学習への関心や、育児力、放任度合い、などが自由研究を見ただけでなんとなく垣間見えてしまい恐ろしく感じました。この夏一番、背筋の冷える思いをした出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/hiyoko)