福岡が生んだ話題の映像クリエイター・成田才紋くん(10歳)の魅力に迫る!

わずか10歳にして、構成から撮影、編集までを一人でこなす映像クリエイターがいると話題になっています。その名は成田才紋(さいもん)君、しかも福岡在住・10歳の小学生なのです。しかも撮影対象として≪飲食店のイメージムービー専門≫という「領域」の絞りこみまでができているとのことで、その“カン所の良さ”を含め、何から何まで気になるところ。グルメのことに関してのフットワークの軽さが自慢の寺脇あゆ子さんが、飲食店オーナーさんたちの口コミをたどり、さっそく本人への取材が実現しました。

出典:フクリパ

まずは、こちらの映像作品を観て欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=ZEhQ_-kmhyM

福岡市早良区藤崎にある「捏製作所」という飲食店のイメージムービーである。実はこの作品、構成から撮影、編集に至るまで、1人の小学生が行なっている。彼の名は成田才紋(さいもん)くん。プロのクリエイターたちをも唸らせる彼の作品がどのように生まれるのか、さっそく話を聞きに行ってみた。

施設名:捏製作所 (ツクネセイサクショ)
住所:福岡県福岡市早良区藤崎1-14-5 大産藤崎コーポ 1F
営業時間:16:00~23:00
定休日:木曜 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
アクセス:藤崎駅から446m

出典:フクリパ:休日の午前中。インタビューに応じてくれた成田才紋くん(10歳)
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僕は機械を使うのが得意。触っているうちにいつのまにか使えちゃいます!」(才紋くん)

才紋くんのご両親は5年前に離婚し、今は別々に暮らしている。そのため彼は、週末になると父・博昭さん(「FRUCTUS」代表)の自宅で過ごし、週末限定で映像作品の制作を行なっているそうだ。 写真や動画を撮り始めたのは幼稚園の頃。スマホで撮影したのが始まりだったという。子どもならではの視点で撮られた写真や動画に面白さを感じた博昭さんは、今から1年半ほど前に「FRUCTUS(フラクタス)」のムービーを作ってほしいと才紋くんに依頼した。

https://www.instagram.com/p/Bw6Wk8FHLPw/?utm_source=ig_web_copy_link

ある日、使用していたスマホが壊れてしまい、カメラを購入することになった博昭さん。せっかくなら動画も撮影できるカメラを購入しようということになり、SONYのα7を買った。

博昭さん: 最新の知識が殆どなかったので、昔のことを思い出して古いレンズをヤフオクなどで購入して楽しんでいました。そうこうしているうちに、才紋が「俺も撮りたい」と言い出したんです。貸してあげたら、古いレンズだからマニュアルでしか撮影できないのに、すぐに使いこなしていたんですよ。驚きました。

出典:フクリパ:初めて扱う機材も、触っているうちに自然と使い方がわかるそう

才紋くん: 僕は機械が得意なんです。たぶん、お父さんよりも得意です。まずはとにかくボタンを押しまくってみること。そうすると、いつの間にか使えるようになっちゃうんですよね。 博昭さんは25mmから125mmまで一通りレンズを買い揃え、才紋くんに渡してみることにした。

博昭さん: ほどなくしてデジタルのズームではなく、撮りたい画像を撮るためのレンズが選択できるようになりました。機械が好きで扱うのも得意だから、どんどん技術もアップしていきました。最初は好きなものを楽しんでもらえればと思っていましたが、彼の写真が本当にいいので、この才能を伸ばせる環境をつくらなければと考えるようになりました。道をつけるのが親の役目だと思うので。そこで、LeicaのM-P 240を買うことにしました。

それまでは自由にレンズを選択していた才紋くんだが、今回は制約を持たせるためにレンズは50mmの1本のみ。撮りたい写真や動画を撮るために、どのように動くかを感覚的に学んでいった。

出典:フクリパ:Leica M-P 240で撮影した作品

博昭さん: このカメラ、僕は全く使いこなせません。けれど、才紋はすぐに使いこなせるようになったんです。パソコンの使い方を教えたワケでもないのに自分で検索したり、学校でローマ字を習っていないのにキーボードをローマ字打ちしていたり。カメラのほか、ソフトやアプリの使い方はYouTubeの中にいる世界中の先生から教わっているようです。

出典:フクリパ:編集用ソフトやパソコンの使い方も全て独学で学んだそう

写真や動画を撮り始めた才紋くんは、1年ほど前から映画監督を志すようになったそう。きっかけは映画「シン・ゴジラ」を観たこと。

才紋くん: 「シン・ゴジラ」はもう70回くらい観ました。CGにハマって、CGを作ることのできるソフトやアプリをたくさんダウンロードしましたね。今は自然な印象の映像を撮ることが多いけれど、この前はお父さんにいろんな加工をした特撮っぽい動画も作ったんですよ。YouTubeには編集を教えてくれる人、アフターエフェクトを教えてくれる人など、いろんな人がいます。コメントや質問にも返信してくれるので、いろいろ教えてもらっています。

出典:フクリパ

博昭さん: 私も彼の母親も好きなことをやって生きてきました。才紋が早い段階で好きなことを見つけてくれたことは、とても嬉しいし、支えてあげたいという気持ちでいっぱいです。

早い段階から才能を発揮した才紋くん。そして、その才能を伸ばそうと環境を整えた博昭さん。本格的に映像を撮り始めて1年ちょっとで、才紋くんの才能は大きく花開いたのだ。

「新型コロナウイルスがきっかけで、飲食店のイメージムービーをつくるようになりました」(才紋くん)

ここ数ヶ月、才紋くんは冒頭で紹介した「捏製作所」をはじめ、飲食店を紹介するイメージムービーの制作を行なっている。きっかけは、新型コロナウイルスだった。

博昭さん: 最初にお話しをいただいたのは「HAKKO食堂」さんでした。以前からお店に伺って食事をさせていただいていて、才紋が写真を撮っていたのですが、新型コロナウイルスの影響で持ち帰れる商品をつくることになり、イメージムービーを作って欲しいと言っていただいたんです。

https://www.youtube.com/watch?v=mUDBU1ZsHkY

才紋くん: 知っているお店は下見をせずに撮影することもあるけど、あまり知らないお店の場合は下見をします。下見のときにどんなお店なのかを感じ取って、本番はどう撮るかというのを決めていきます。本番だけのときは、多めに映像を撮りますね。撮影中に構成が見えてくることもあれば、編集しているときにアイデアが浮かぶこともあります。

出典:フクリパ

冒頭でご紹介した「捏製作所」の店主・菅原淳思さんは、才紋くんに依頼した経緯をこう話してくれた。 菅原さん: 「飯すけ」さんのムービーを発表した直後くらいにお父さんとご飯を食べに来てくれました。「映像かっこいいね。うちのも撮ってほしいな」なんてことを話していたら、「やりたい!」と言ってくれたんです。面白いと思ったのが、僕たち大人の常識とは全く違うこと。最初に「うちは日本酒を広めたいからお猪口を選んでいるところとかも撮ってほしいな」って言ったけど、最初は「その映像はいらない」と断られたんです。けど、「お猪口というものはお酒を飲むための器なんだよ」ということを伝えると、「それなら入れる」と言ってくれて。大人が当たり前と思っていることが彼にとってはそうではないことが面白いし、物理的に撮る高さが違ったりすることも新鮮に感じました。

こうして完成した作品は「捏製作所」のInstagramやFacebookなどで紹介されたが、コメント欄には「これ、小学生が撮ったの!? 凄いっ」と、驚きの声が並んでいた。

菅原さん: 撮影しているときは、既に作品のイメージが頭の中にあるそうで、自分が納得するまで手の位置や角度を細かなところまで調整していました。なんとなくではなくて、頭の中にあるイメージに近づけようとしていることが凄いと感じましたし、ちゃんとプロ意識があることがカッコいいなと思いました。これからもずっと、楽しみながら作品を作り続けてほしいですね。

才紋くんの作品の魅力の一つに挙げられるのがテンポ感。画像の切り替えや音楽の合わせ方が絶妙なのだ。 才紋くん: 音楽って凄いですよね。音楽で気分がノリノリにもなれるし、頑張る気持ちにもなれます。作品も音楽があるのとないのでは全然違うので、音楽はとても大事な要素です。僕は音楽選びが得意なんです。音楽に合わせてリズムもカット割りも決めています。

当初は何もわからず、古い音楽を合わせてYouTubeにアップしたところ、ものの数秒で削除されてしまったそう。使ってはいけない音楽があること知った才紋くんは、知人のクリエイターに教えてもらった「YouTubeオーディオ ライブラリ」で音楽を選ぶことを学んだ。

出典:フクリパ:この日も大濠公園へ撮影に! 子どもならではの視点で作品を作り上げていく

撮影をしたり、編集をしたり。その時間がとても楽しくて、気づけば早朝になっていることもあるという才紋くん。博昭さんは、最初こそ「早く寝なさい」と怒っていたけれど、才紋くんにとっては自分の好きなことができる貴重な時間。「ここで過ごす時間を少しでも長くしたいから起きている」と言われ、自主性を持って過ごせるならと、夜更かしを許したという。

博昭さん: 本人から聞いたわけではないですが、才紋は学校が好きじゃないんですよね。人から指示されることが嫌なんだと思います。一方で、自分がやりたいと思ったことは、とことん調べて勉強するから全て吸収しています。子どもたちはみんな、夢を持つと思いますが、その夢に近づくための術を持ち得ていません。そこは親が理解してサポートすることが大切なのではないでしょうか。

「福岡は時間と距離の感覚がちょうどいい街。この環境が才紋にもいい影響を及ぼしていると思います」(博昭さん)

才紋くんのYouTubeチャンネルやInstagramには、西鉄バスや大濠公園を題材にした福岡らしい作品も数多く掲載されている。博昭さんの自宅のすぐ近くに大濠公園やバスの往来の多い昭和通りがあり、気軽に撮影できる環境があることも、恵まれているといえるだろう。

出典:フクリパ

作品のクレジットでたびたび“助監督”として登場する博昭さん。撮影のための小物を運んだり、ときにはモデルになったりと、サポート役に徹している。

博昭さん: 私たちは東日本大震災をきっかけに1歳だった才紋を連れて移住してきました。移住先の候補はいくつかありましたが、福岡に決めたのは時間と距離の感覚がちょうどいいと感じたからなんです。この環境は才紋にもいい影響を及ぼしていると感じていますね。普段だったら出会えない人に会えますし、福岡だからこそ、10歳という年齢のアドバンテージが埋もれることなく注目してもらえたのだと思います。

最後に。今後の活動について、才紋くんに聞いてみた。 才紋くん: 飲食店のイメージムービーは撮り続けたいと思っています。構成を考えたり、撮影をしたりすることが楽しいので。これまではお父さんと一緒に行ったことのあるお店が多かったけど、全然知らないお店も行ってみたいです。それとは別に、ちょっと違うものも撮りたいんです。特撮の映画監督になりたいから、エフェクトとかを使った作品も発表していきたいですね。

作品を撮り始めてまだ1年半ほど。どんどん進化する才紋くんにこれからも注目していきたい。 文=寺脇 あゆ子

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