私の初めての子育ての思い出です。1歳を過ぎた娘は好奇心が旺盛になり、興味があることは何でも試そうとします。そして目を離すと、私が困る事ばかりします。ある日、お仕置きのつもりで娘を短時間部屋に1人にしたところ、びっくりした出来事がありました。
イライラしていたワンオペ育児
主人は仕事で忙しく、1日のほとんどを娘と過ごしていた私。かわいい気持ちが大きかったですが、一方で全て子どもに合わせる生活に息苦しさも感じていました。
「それはしちゃダメ!」
「あ、それはさわったらダメでしょ」毎日毎日娘に怒ってばかり。
娘はなぜ怒られたのかも分からない様子で、一瞬ハッと困った表情になりますが、しばらくするとまた何か思いついてその場を走り去っていきます。子どもらしくて本当にかわいいんです。私にもっと気持ちの余裕があれば笑って流せることなんです…。
目覚めたら娘がいない?!
その日は、朝から娘と近所の公園に行きました。気温が高く、私の方が暑さでバテてしまいました。家に帰って娘にお昼寝させようとしたら、自分も一緒に寝てしまったのです。家事をしようと思っていたのに寝てしまい、ハッと目覚めると1時間経っていました。見ると横に寝ているはずの娘がいません!
家から出たかもしれないと焦って玄関に向かいますがいません。鍵もかかったままです。当時は社宅住まいで、ワンフロアに全部屋があったので、娘の名前を呼びながら探します。「お風呂の水を抜いていなかったかも」と不安になり洗面所へ。するとそこには、真剣な表情で粉末の洗濯洗剤を洗濯機にスプーンで投げ入れている娘が…。
見つかってホッとしましたが、洗剤がほとんど全部洗濯機に入っているのを見て、次にやってきたのは絶望感。娘は歯磨きに使う踏み台に乗って作業していました。
洗濯機を覗き込んで震える私に何か察知した娘。
「おい! 何やってくれとるんや〜」私は叫ぶと、びっくりして涙目になった娘を小脇に抱えました。そしてつい感情的になってしまい、寝室に連れていって戸を閉めました。
娘は戸の近くに泣きながら走り寄って
「ママ〜」と泣いていましたが、私はつっかえ棒をして
「ちょっと反省しな!」と、反省なんて意味すらわからない娘に言い放ち夕飯の支度を始めることに。
20分ほどで泣き声も止んで、静かになったので「疲れて寝たかな」とそっと戸の隙間からのぞくと、娘が壁に向かって立っています。
拗ねているのかと思い、後ろから近づいて
「ごめんね〜」と肩に手をかけて壁の方を見ると… なんと壁紙がベリベリにめくられているではありませんか!
子どもにお仕置きは通じないと悟る
娘の足元には、細かく破られた壁紙が散らばっています。壁に目をやると、薄いグリーンの壁がところどころ剥がれて白くなっていて、まるで世界地図のようです。
娘は私に気づくと満面の笑みで、今つかんでいる壁紙をベリっとはがしました。反省していたのではなく、少しめくれた壁紙を発見し、持ち前の好奇心が抑えられなくなってしまったのかもしれません。私は絶望で全身の力が抜けました…。
結局、引っ越すまで3年間、壁紙は剥がれたまま。退去時に弁償する羽目になりました。幼い子どもにお仕置きをしようとしても、結局親の怒りだけが残り、無駄なことだと思います。初めての子育ては「ちゃんとしなくちゃ」と肩に力が入りがちですが、完璧は求めず、触ってはいけないものを極力減らすことをおすすめします。今では笑い話として高校生になった娘に話すのですが、当の娘は全く覚えていません!
(ファンファン福岡公式ライター / ともともママ)