またしてもエリザベスカラーを着けられました**サ日記**

 蒸し暑い日が続いてかなわん。雨は長く降らんが、湿度が80%とかでじとじとする。

 そんな中でも暑くても時には出かけたくなるのが、猫の性(さが)だ。

 性懲りもないといわれるが、また窓を開けて脱走、戻ったら胸に傷を負っていたというので、ペロペロ舐めていたら飼い主にバレてエリザベスカラーを着けられてしまった。

 見ての通り、うしがエラソーにしてたんで、追い回してやったら、必死の形相で食らいついてきた。

 「あんたもいいトシなんだから外猫とケンカするのはやめんじゃい」と言われるが、勝手に身体が動いてしまう。

 ペットクリニックには2回行くはめになった。1回目のおくすりが効いてるかどうか確認のため2回目の診察を受けたが、おおごとにはならんかった。それとは別によく背中を掻くというので、皮膚病の薬ももらった。

 1回目にもらった袋に「サニーちゃん」と書いてある。もちろんおれは「サニ」だ。新参者の動物看護士だな。あのクリニックで、サニ様を知らんのはモグリじゃ。

 袋のイラストに自分で薬を飲んでるのが描かれている。飼い主は「ほんにこげなふうに飲んでくれたら楽なのに」と嘆く。おれが暴れてそう簡単には飲み込まんからな。

 エリザベスカラーを着けたおれを見てチョビは何と思っているのか。「ライオンみたいでカッコいいニャア」とは思わんだろうが。

 チョビがこの家にはいったのは昨年の11月末。もう7か月以上経った。それまで野良で暮らしてたからいまだに抱っこされるようには慣れないが、人間の近くでゆったり過ごすようにはなった。

 この時期フリースはさすがに暑苦しいと思うが、先月まではチョコンとこの箱に入っていた。

 と、油断してると、チョビもいつの間にか外に。

 真昼間は焼けそうに熱いが、陽が翳ってくると、岩の上はひんやりして気持ちがいい。猫は快適な場所を見つける名人いや名ニャンである。と思ったら、これはチョビじゃない、チョビのママだった。

 チョビは部屋の中からはよく黒猫に向かって威嚇の「ウーッ、フーッ」といううなり声を上げるのだが、外ではケンカもすることなく無事に戻ってくる。身体が小さいので身のほどを知っていて、それになかなかすばしこいからな。

 それにしてもちょっと前まで黒猫は4匹一緒にやって来たりしてたが、最近はどれがどの黒猫かわからん。子猫だったやつも親猫くらい大きくなったし。

 このカラーは大きいし固いし、どうも気持ちよく眠れない。おれのそんな様子を見かねて飼い主がネット通販で新しいエリザベスカラーを取り寄せてくれた。

 まあ、素材が柔らかいし大きさも一回り小さいので、前よりはましだが、やっぱ猫は何も着けないのが一番だ。

 おれも相当快復してもうカラーは着けてないが、次回もう少し新カラーの様子を報告しましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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